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2/28(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、シェリーめぐみさんからの報告です!


2月も今日で終わり。

重いコートを脱いで、おしゃれの季節はすぐそこ、
ということで今日はファッションの話題です。

ファッションの基本は靴、あなたは靴を何足持っていますか?

アメリカの女性は、何足持っていると思いますか?

一人平均20足
実はこの数は10年間で2倍に!
靴は今いちばん注目のファッションアイテムなんです。

そこでニューヨークで最も有名なファッッションの大学、
FIT, Fashion Institute of Technology
ニューヨーク州立ファッション工科大学
(多くのデザイナーやファッションのプロが卒業している大学)
ここのミュージアムでは、靴の展覧会を開催中

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今世界で一番ホットな靴がずらり!
SEX&THE CITYに出て来たあの靴も、
そして、日本人のシューデザイナーの靴も!

その展覧会のタイトルは
「SHOE OBSESSION 靴にとりつかれて」

そのプレスお披露目会を取材してきました!

フロアにずらりと並ぶ背の高いガラスケースに、
美しくディスプレイされた靴トータルで150足。

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マノロ・ブラニック、クリスチャン・ルブタン、ジミー・チュー
フェラガモ、ピエール・ハーディ、ジバンシー。。。

マノロ・ブラニックとえばあのSEX&THE CITYで有名になりましたが
映画バージョンでキャリーが結婚式で履いた、あのブルーのハイヒール。
これもしっかり展示されていました。

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なぜ今このタイミングで靴のこの展覧会を企画したのか?
副キュレーターのコリーン・ヒルさんに聞いてみました。


「21世紀に入ってからこれまで作られた、素晴らしい靴ばかりを集めて展示したいと思い、企画しました。
ここ10年間で女性が持つ靴の数は平均10足から20足に倍増。
それも超フェミニン&セクシーな、とても高いヒールで、
豪華な素材を使った、高価な靴が増えているんです。
女性たちはそういったハイエンドのデザイナーシューズに
取り憑かれたようになっています。
その理由としては、ファッションショーでも靴の存在感が高まったこと、
そして、ニューヨーク中のデパートがどこも靴売り場を大幅に拡大、
さまざまなブランドの靴を、豊富に取り揃えるようになったからだと思います。」


この展覧会では、これから期待の若いデザイナーの靴も展示されています。
例えば、舘鼻則孝(たてはな のりたか)さんがLady GaGaのためにデザインした、
Lady Pointe Shoes

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そしてもう一人の日本人加賀美 敬(かがみ けい)さん、
既に、アメリカ、ヨーロッパで高い評価を得ています。

さらに新進気鋭のシューデザイナー、串野真也(くしの まさや)さん、
串野さんは特別に招待を受けて、このプレスお披露目会に参加しました。

彼の作品、靴というより美術品のよう。

さきほど登場してくれたキュレーターのコリーンさんは

「彼は本当に素晴らしい、
高いクリエイティビティとクラフツマンシップ
彼の靴が届いたとき、あまりの美しさにショックを受けたほどでした。
ミュージアムのスタッフの間でも大騒ぎになりました。」


その靴、私も見てショックを受けました。
見た事のないようなフォルム、素材を組み合わせています。
しかも、靴なのにブロンドの髪の毛が生えているんです。

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どんなコンセプトでデザインしたのか串野さん自身に聞いていました。

「このブロンドの髪の毛がついた靴は、“ジンガロ”というオペラの中で馬がかけまわるシーンがあるのですが、その姿がすごく美しくて。髪が風になびいているような、そんな美しい馬からインスピレーションを得てデザインしました。
そして僕は日本に住んでいるので、日本の美術を無理に取り入れるのではなく、自然に使えればいいなと思って、この靴の木の部分は京都の仏師さん、仏を削っている人にお願いして、漆塗りだったというテクニックを使っています。」

ブロンドヘアに仏師さんが削っている木の組み合わせ!

しかもこのブロンドヘアは馬の尻尾だったんですね。
でもこれ実は人毛、靴は人が履くことで作品として完成するから
人毛を使った、ということなんです。

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串野さんの靴、他にも何点か展示されていますが、彼のまわりには常にファッション雑誌の記者やブロガーなどが集まり大人気でした。

ところで串野真也さんは、
ニューヨークという街の感想を、こんなふうに語ってくれています。

「僕はニューヨークの人って、きれいなものはきれいとか、みんな素直に言いやすい。例えば友人と歩いていて、友人の靴のヒールが変わってたら、パッと通った人が“その靴すごくクールだね”と言えるのってすごく素敵な街じゃないですか。もし日本でそれを言ったら引かれちゃうっていうか。。」

なるほどー、
そして、今回のように色々な機会に海外にいくことで、日本の伝統の技と素材を使った靴へのこだわりも再確認したといいます。

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「日本の靴の文化って歴史が浅いじゃないですか。そこに日本の要素を加えることで、新しい何かがうまれるという、アイデンティティにつながることだし、
僕たちに流れている血というか、それをもっと押し出したかったんです。」

そんな中でこれからどんな靴を作って行きたいのか、その思いを聞いてみました。

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「靴の本来の機能ははいて歩く事ですが、僕はそこを重要視していないというか、もちろん靴である以上足を入れる必要はあると思っていますが、それを生活の中で“使用する”という考え方だけでなくて、もっとそれ以上に何か可能性があればいいなと思っていて。やっぱりみなさんお仕事で履いて行く靴を履いたときに、“また今日も仕事か“みたいな気持ちになる事が多いと思うんですが、僕の靴を履いてくださった瞬間に、パっとこう、今日一日すごく素敵な事が始まるっていう、すごく高揚感があって、自分がファンタジーのヒロインになったような、そんな感動を持ってもらえるような靴を作ることができれば、すごくうれしいなと思っています。」

素敵な靴をはくと気持ちが高揚する。。。その気持ちわかりますよね!?

そして、そろそろ気持ちが高揚する春の靴がほしくなりませんか?

シェリーめぐみ  
ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー。
アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://megumiradio.com