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1/24(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、シェリーめぐみさんからの報告です!

 
ついに!
ニューヨークに寒波到来、
今日はよく晴れていたのに最高気温マイナス7度! 今はマイナス9度!

そんな寒い今週、3日前の月曜日に、ニューヨークのちょっと南のワシントンDCで、
オバマ大統領の二期目の就任式が行われました。

4年前に「なんてわかりやすい英語!」と日本でも評判になった、
就任演説覚えていますか? 今回も素晴らしいスピーチでした。
そしてそれを聞くために今回は全米から80万人が集まりました。
1期目の時は160万人だったのでおよそ半数、
それでも2期目の大統領就任式の動員としては史上最高だったそうです。

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私はニューヨークでテレビで見ていたのですが、
これを間近で取材した日本人ジャーナリストが津山恵子さんです。

ニューヨーク在住の素敵な女性ですが、
彼女をワシントンDCで電話でキャッチしました。

テレビでは見れない、そしてもちろん日本にはなかなか伝わらない、
就任式のもよう、
今回はどんなスピーチだったのか、
4年前とはどう違っていたのか、
どんなセレブが来て、聴衆はどんな反応を見せたのか、
2009年に引き続き取材を行った津山恵子さんに、
まず4年前とどう違ったのかを聞いてみました。

津山「熱狂ぶりとか興奮は、一期目と変わらないと思います。
むしろ一期目の時は零下8度と本当に寒かったので、
だんだん待っている間にもり下がっていったくらいなんですけれど、
今回はは0度前後で日も射しましたし、
明るい雰囲気でみんなおしゃべりをしていていい雰囲気でした。」

就任式と言えば4年前に日本人にも大変な感動を与えたスピーチがあったわけなんですけれど、4年前に比べてどうでしたか?

津山「4年前に比べると、ちょっと短かったかなというのと、
4年前は一期目なので、かなり具体的な政策をいましたけれど、
今回は個人の自由、平等を守ろう。それでアメリカは再び固く固く結びついて新しいアメリカになっていくんだという、かなり精神的な演説だったと思うんですね。それが時間にして半分以上を占めていたと思うんです。
前回同様に非常にわかりやすい英語で、頭にピっと入って来るような、名演説だったと思います。」

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人々の反応はどうでしたか?

津山「ナショナルモールにいた人たちは黒人、ヒスパニックが多数だったんですね。
白人は一割か2割くらいしかいないのではという具合でした。
黒人のおばさんたちに囲まれていたんですが、めぐみさんもよくご存知の
ハーレムでゴスペルとかを聞いていると、みんなが、ンフ、とか ウンとか、
そういう音が聞こえてきて、大統領に対してこういうふうに反応するんだ、と面白かったんですね。まるで息子の演説を見守っている感じで。
“今回ネクタイは民主党のブルーで、あれはちゃんとやってきたので、よかったわ、前回は赤でがっかりしたんだけど”なんて話も聞かれて面白かったです。」

恵子さんが一番おっと思った点は?

津山「私もちょっとこれは驚いたんですが、
同性愛者の権利を盛り上げて行こう、彼らの権利が認められるまでは私たちのジャーニーは終わらない、とまで行ったんですね。この部分では非常にびっくりしましたし、
私のまわりでは大きな歓声、拍手が起きていました。」

恵子さんが一番感動した事は?

津山「人はみんな平等に作られているんだという憲法の一説を3回繰り返して言ったんですね。これにはまわりのおばさんたちも、「ンフ」と強調して聞いていて、
そういう本当に基本的なことなんですが、それをみんなにもう一度思い出してもらいたい。それを改めてこういう場で口にすることは勇気がいることだと思うんです。
大統領ですから、内政や外交の問題をたくさん語ってもらいたいという人たちもたくさんいると思うんですが、そうではなくむしろメンタルな精神的な話をして惹き付けようとしたのは、やはり二期目の演説だからできたんだと思うんですね。」

私はお父さんか先生の言葉を聞いているような気がしたんですけれど。

津山「やはりアメリカ人にとっては、もちろん旅費、ホテル代をはらって集まって来て
歴史的瞬間に立ち会っているという感動を与えるだけでなく、アメリカ人であることを再認識する感動の場面だったのではないかと思います。涙を流している人もいました。」

人間は皆平等、当たり前に聞こえるけれど、実際には不平等がたくさんあるこの世の中で、それを何度も繰り返しながら、ゲイはもちろん人種、性別あらゆる違いを超えた平等な社会を作ると宣言したスピーチに、多くのアメリカ人が勇気や希望をもらったと思います。
そしてお話を聞いていると、大統領と聴衆の距離もかなり近いですね。

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ところでこの就任式では、スピーチや宣誓式の間に、セレブがパフォーマンスしました。

ジェームス・テイラー、初代アメリカンアイドル、ケリー・クラークソン
そして締めのアメリカ国歌を歌ったのは、ビヨンセでした。
こんなスーパースターもいっしょに祝うというのは、まさにアメリカならでは。
ここでまた津山恵子さんの意見を聞いてみましょう。

「セレブや議員もに入ってくる時、みんなにこにこ顔で入って来るんですね。それを見て私は「大統領の就任式に出席するってこんなに皆さんうれしいんだな、誇りに思えるんだな」と思ってとても感動しました。
例えば日本の政治家がパーティするんですが、これに呼ばれる人というのは、企業がその人たちのパーティ費用を肩代わりして駆り集められた人たちで、それがホテルの宴会場に集まってもとても面白くないパーティだと思うんですね。それでも2〜3千人しか集められないのに、アメリカ大統領の就任式には数十万人の人が自腹を切って集まって来るというのは、すごい事だと私は思います。そして本当に色々な人に会いました。テネシー州、カリフォルニア州から来た人、ワシントンの地元の人、そして年取った人、家族連れ、そういう人たちが心を一つにしている。それも実は6割、7割の人が大スクリーンさえ見えない場所でただ立って聞いているというのは、すごくないですか。」

すごいです。

自分たちが選んだリーダーの次の、そしてオバマ大統領にとっては最後の4年間、
その入学式を国全体で祝っているような、そんな暖かい1日でもありました。

そして、れからやってくる大変な日々をみんなで乗り越えるために、
必要なことでもあるんだと思いました。

まさに市民の視線でレポートしてくれた津山恵子さん、このページの写真(USA TODAY以外)もすべて津山さん撮影です。改めてありがとうございました!

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シェリーめぐみ  
ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー。
アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://megumiradio.com