ニューヨークのすぐお隣コネチカットで、
クリスマス前に痛ましい事件がありました。
多くの子供たちが犠牲になった銃撃事件、
今もニュースはこの事件と銃規制問題一色、
それでも少しずつクリスマスに向かって進み始めています。
ちぐささんも覚えているかもしれませんが、
アメリカのクリスマスは、家族で過ごすクリスマス
日本のお正月とにています。
クリスマスの朝、家族でみんなでクリスマスツリーの前でプレゼントを開ける習慣。
今年はハリケーンサンディもあり、
いつものクリスマスを過ごせない家族もたくさんいます。
もともと恵まれない環境にいる子供達も少なくありません。
そんな人々に少しでもクリスマスの希望を感じてほしいと、
数々のチャリティーが行われています。
先週ご紹介した121212コンサートもそのひとつ。
音楽界が結集したイベントでした。
そして規模こそ違いますが、ニューヨークのファッション業界が集まった
イベントもありました。
ファッション・ガールズ・フォー・ヒューマニティと
名付けられたサンプルセールです。
以上の有名ブランドが大集合、総額およそ1億円の商品を寄付。
ドレス、ジャケットからコート、シューズ、アクセサリーまで、
50%から75%引で売って、それを被災地に寄付しようというもの
大きな話題になり、Elle, WWDなどの大手ファッションメディアで紹介。
実はこれを主催したのは日本人の女性です。
いったいなぜこのイベントを主催しようと思ったのか、
その理由に日本が大きく関係しています。
今日はそのサンプルセールをレポートします。
イーストビレッジのおしゃれなホテルで行われた
ファッション・ガールズ・フォー・ヒューマニティ・サンプルセール
広い会場に、マーク・ジェイコブス、ニナ・リッチ、ベルサーチ、
ランバン、セオリー、ラグ&ボーン、シンシア・ローリーなどなど
120のデザイナーの服やアクセサリーがぎっしり。
会場でキャッチした二人のファッショニスタはイベントを共同主催した
ロサンゼルスのハッチというショールームのスタッフ。
[すばらしい主旨で、商品も最高だから自分でも買い物している。
セーターとバッグ、そしてシューズも買いたいわ」と言ってました。
このイベントを主催したのは、ファッションブランドVPLの社長花沢菊香さん、
菊花さんにとって、実はこのチャリティサンプルセールは初めてではありません。
実はこれと同様のイベントを最初に始めたのは、東日本大震災の直後だったんです。
その時はファッション・ガールズ・フォー・ジャパンという名前でした。
きっかけは何だったんでしょうか?
「まず震災の規模が大きくて、普通であればVPL社として
サンプルセールで義援金を集めることを考えたんですが、
被害に比べて大した金額にならない。でもデザイナーが何人か集まれば
少しずつでも増やす事ができる。それがきっかけになって、
バーニーズのファッションディレクターの小倉さんと、
ジュリー・ギルハートさんに賛同していただいて、
4〜5人とは言わず50人集めようと。それが50人が100人になって、
総額でも小売価格でも100万ドル、1億円を超える商品をいただくことが
できました。」
震災から1年のタイミングでも同じサンプルセールを開催、
その結果は既に目に見える形で現れています。
「今年4月にもう一度義援金を集めるチャリティセールをやりまして、
総額で14万ドル(およそ1200万円)を集めることができ、
そのほとんどそのまま寄付する事ができました。それを建築家、
伊藤豊雄さんの帰心の会という団体に寄付をしまして、
陸前高田“みんなの家”という仮設住宅の集会場の建設費用に使われ、
11月18日陸前高田にオープンしました。」
今回はサンディの義援金ということで、これはどう決断したのですか?
「ファッションガールズ・フォー・ジャパン」という団体に、
ノンプロフィットの団体として認可をいただきまして、
ではこんごどういった活動をしていくのか考えた時に、
ファッション業界でもプロフィットだけでなく、ノンプロフィットでできる、
ボランディアができる機会というのを日本に限らずできたら、という思いが
ありました。今回はファッションガールズ・フォー・ヒューマニティと
名前を変えて、サンディはニューヨークで起こりましたから、
これはやるしかないということで、1週間ほどで決断して立ち上げました。」
震災後のサンプルセールでかけつけてくれたニューヨーカーへの
恩返しという意味もあるし、前例があったからこそ、
今回のサンディでもあっと言う間に準備ができた、ということなんですね。
そして今回も2日間で12万ドル、1000万円近くが集まりました。 すごい!
そして実はファッション業界がこんなふうに集まってチャリティというのは、
ありそうで意外にないものらしいんです。
ファッションジャーナリストで業界に詳しい杉本佳子さんによれば。
「100以上のブランドが集まって合同でやるというろところが、
業界全体をあげて被災地の支援をしようという姿勢をアピールしているところが
素晴らしいと思います。」
こういう動きってこれまであまりなかったのでしょうか?
「そうですね。震災のときにファッションガールズ・フォー・ジャパンとして
義援金を集めたのが初めてだったと思います。」
なかなかみんなでやろうという風にならなかった、
それを成し遂げたファッションガールズの功績は大きい!
そしてその中心に日本女性がいるというのは本当に誇らしいですよね!
クリスマスの本当のスピリットは、give
厳しい環境にあっても、
暖かい人の心が照らす、明るい未来が信じられるような、
そんなクリスマスを
みなさんも過ごせるようにお祈りしています。
シェリーめぐみ
ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー。
アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://megumiradio.com