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11/1(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、シェリーめぐみさんからの報告です!

たいへんな1週間になってしまいました。

先週の今頃の街は、
ハロウィーンですごく盛り上がっていて。。。
「週末にはハリケーンも来るみたいよ」、「ふーんそうなの?」
くらいの会話でした。

まさかこんな事になるとは誰も思わなかった。。。

巨大ハリケーン、サンディが月曜日にニューヨークを含むメトロエリアを直撃、
街始まって以来の大自然災害となってしまいました。

今は木曜日の早朝ですが、
3日たった今も
ニューヨーク市の人口の3分の1が今も電気のない生活。
地下鉄も日曜夜から止まっていて、
ようやく今日から部分的に開通すると発表されています。

でもそれでもマンハッタンは他に比べれば被害は少ない方。

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カメラが入れなかった地域に報道が及ぶにつれて、
もう目を疑うような光景が次々と。。。

そして実はハリケーンはまだ終わったわけではありません。

たった今の時点で、いったい何が起きているのか?
そしてこの危機的状況に私たちニューヨーカーはどう対応しているのか?

緊急レポートです。

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まずアップタウンスタジオの近所でキャッチしたニューヨーカーの声から、
「ひどい状況ね。多くの人がダメージを受け家を失い、私たちも仕事に行けない状態が続いている。
1日も早く人々が再び自分の家に戻れて、電気が戻る事を祈っているわ。」

ハリケーンの雲の中に日本の本州がすっぱりはいってしまうほどの大きさ
ハリケーン・サンディがニューヨークを直撃、

ブルームバーグ市長は「ニューヨーク市始まって以来の最悪の嵐」とコメントしました。

ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット州の沿岸部では、
高潮により広い範囲で浸水、特に被害がひどい場所では、全半壊した家々、
完全に流されたボードウォーク、打ち上げられた船、

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海辺の遊園地が完全に破壊されてしまったところもあります。
最終的に被害がどのくらいになるかもわからない状況です。

また内陸部でも、強風で倒れた木で、電線が切断。
800万世帯が電気を失い、火災も発生しました。

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ニューヨーク市だけでもなくなった方30人、この数はまだ増える恐れがあります。

一方マンハッタンも大きな被害を受けました。
入り組んだ湾の中、川と海に囲まれたマンハッタン島、
4メートルもの記録的な高潮で、一時は沿岸部のストリートが水につかりました。
でも最もダメージが大きかったのは、マンハッタンに入るためのトンネル。

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ブルックリン・バッテリートンネルは、
今も天井まで完全に水につかっています。
地下鉄のトンネルも、線路はもちろんホームまで水につかったところが多く、
天井まで冠水したところもあって、
108年の歴史、始まって以来最悪の事態になっています。

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さらに、地下にある電気などのインフラのケーブル。
マンハッタンには電柱や電線というものがありません。
重要なインフラはすべて地下。
マンハッタンは地下がライフラインなんです。

そして、どれもこんなハリケーンが来る事を想定して作られていません。
ハリケーン自体、緯度が高いからめったに来ない。

今、水をポンプでくみ出す作業が24時間態勢で行われていますが、
地下鉄がすべて開通するまで3日から5日、
電気も数日かかると伝えられています。

もうひとつ、洪水と停電でダメージを受けたのは病院です。

月曜日停電エリアにあったNYU大学病院の自家発電機が故障、
嵐のまっただ中で、患者の避難が行なわれました。
そして今日、2つめの病院、救急病院として知られる
ベルビュー・ホスピタルが、500人の患者を移送しました。

ハリケーン・サンディはまだ終わっていないんです。

ニューヨーカーの3分の1が今夜も暗闇の中で過ごしていますが、
今夜の最低気温5度、ガスや暖房、水が出ない家もあります。

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友達や親戚の家やホテル、シェルターなどに避難している人もたくさんいます。
この番組のアシスタントもしてくれている園田りささんもその一人、
さきほど電話でつないで、ハリケーンのまっただ中停電した時のもようを聞いてみました。

「停電した瞬間は、ここの隣のブロックまで既に避難勧告が出ていたので、
外にはあまり人はいませんでした。
消えた瞬間に女の子の叫ぶ声が聞こえて、
あ、来たなと思って、用意してあったキャンドルと懐中電灯をつけて、
しばらく呆然として、次に何を行動に移せばいいのか考えました。」

りささんは嵐が小康状態になってから、電気があるエリアの友人宅に移動、
そして昨日の夜、荷物を取りに家に一度戻りました。

「バスが夕方5時以降動き始めたので、118丁目からセカンド・アヴェニューを下って、40丁目を過ぎるともう真っ暗で、信号の電気もなく、歩いている人も懐中電灯を照らしながら歩いていて。Con Edison(電力会社)の車とNYPDのパトカーがストリートにあふれて復旧作業が始まっていました。私も懐中電灯を持っていたのですが、それなしでは歩けないほど真っ暗でした。私が住んでいるダウンタウンのロワーイーストサイドは若者があふれている場所なのですが、あそこまで真っ暗でシーンとしているのは初めてでした。」

現在1日木曜日の早朝3時すぎ、
眠らない街マンハッタンの南の3分の1は今も電気がついていません。
りささんのような生活をしている人が、今ニューヨークに何十万人といます。

この影響で学校は今週いっぱい休校
証券取引所も2日間休場と、自然災害では128年ぶりという異常事態になりました。

さらに移動しようとしても、
ほとんどの人が車を持っていないマンハッタンでは、
地下鉄が止まる、イコール、足を失うということです。
この3日間、仕事に行けなかった人もたくさんいます。

地下鉄もニューヨークのライフラインの一つ。

今日から一部でも地下鉄が開通するというのは、復旧の象徴。
とても大きな一歩で、
私たちもとても励まされています。

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こうした中で多くの人が被災エリアへのボランティアを志願したり、
日本人も個人的に炊き出しをやって、停電エリアの人を招待したり。。。
ポジティブな話題もたくさんあります。

そんな中で来週は大統領選もやってきてしまいます!

シェリーめぐみ  
ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー。
アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://megumiradio.com