« 【Webラジオ】10月11日(木)アメリカ ニューヨーク | メイン | 【Webラジオ】10月15日(月)フランス ブルゴーニュ »

10/11(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、シェリーめぐみさんからの報告です!

アメリカも月曜日がホリデーでした、
SHORT WEEKがうれしいのはニューヨーカーも同じ!!

そして街はハロウィーンの飾りつけでちょっと怖くなっています。
ハロウィーンの話題はまた来週にでもお伝えしますが、

今週は先週に引き続き、
今ニューヨークで一番アツイ場所、ブルックリンの音楽シーンをレポートします。

マンハッタンのすぐお隣、新しい文化が育ち、
おしゃれなブティックやカフェができて、しかも多民族、異文化折衷エリア

その異文化折衷を代表するオーガニックなバンド、
Brown Rice Familyを先週は紹介しました。

そして今度は、超メジャーなアーティストの、
超メジャーなコンサートを見てきました。
JAY-Zです!

JAY-Z_9.png

JAY-Zと言えば、
17年のキャリアで、世界で売ったアルバム5千万枚
ヒップホップアーティストであり、起業家でもあり、
今やNBAチームのオーナーで、
ビヨンセのハズバンドと言った方がわかりやすい?

コンサートをやった場所はもちろんブルックリン!

それも先月28日にオープンしたばかり、
ブルックリンを大きく変える!と鳴りもの入りでオープンした、
2万人収容の大スポーツ&エンタメアリーナ!バークレー・センター!

そのこけら落としで、JAY-Zが連続8公演、それもすべてソールドアウト!!

この超メジャーなコンサートの裏には
苦労して成功したJAY-Zのブルックリン・サクセスストーリーがあります!
今日はそれをレポート!

JAY-Z_1.jpg

マンハッタン、タイムズスクエアから地下鉄2番線に乗っておよそ30分、
ブルックリン、アトランティック・アベニュー・バークレーセンター駅に到着

エスカレーターを上がると目の前にバークレーセンター、
まるで巨大なクジラのような流線型の建物がそそり立っています。
JAY-Zの8連続公演のこの日は4日目、
アリーナの前の広場は人でいっぱいです。

JAY-Z_2.jpg

ブルックリンに住んでいるタラさんとダナさん、
「歴史を目撃しに来たの! その一部になりたくて来たのよ!」

JAY-Z_3.jpg

やはり地元に住むシャーデーさん、
「バークレーセンターのこけら落としのJAY-Z公演という
歴史的なイベントに参加しない手はないわ。」

そしてグレッグさんは、
「もちろんJAY-Zを見に来たんだ彼は世界最高のラッパーだからね。」

彼らといっしょにアリーナの中に入るとものすごい行列になっていますが、
なんと空港のセキュリティのような金属探知機があって、一瞬緊張。
アメリカの最近のスポーツアリーナというのはこういう物のようです。

JAY-Z_5.jpg

無事通過すると廊下の両側はまるでスポーツバーのようになっています。
実はここは、JAY-Zがオーナーの一人でもある、
NBAチーム、ブルックリン・ネッツの本拠地なんですね。
新しいアリーナができたので、ネッツがお隣のニュージャージーから
引っ越して来たというわけなんです。
ブルックリンにメジャーなスポーツチームが戻ってくるのは、
およそ50年ぶりだそうです。

JAY-Z_6.jpg

さあステージエリアに入ると、
まるで屋内コロシアムのようなアリーナは、2万人の人でぎっしり。

そして9時10分すぎ、ステージにJAY-Zが登場です!
ものすごい重低音!と思ったらなんとドラムセットが二つ。
ずっしりと厚いバンドサウンドに乗ってラップするJAY-Z
私たちニューヨーカーは全部知っている曲ばかりだから、
お客さんはもう全編大合唱&踊りまくり。

JAY-Z_8.png

それにしてもバックコーラスもダンサーもなしで、
2時間、20曲以上をラップし続けたJAY-Z、
ものすごい体力と集中力、
こんなことできるヒップホップアーティストは、さすがのアメリカにもいません。

ここまで力が入る理由があります。

「JAY-Zはルックリンに生まれ育った、ブルックリンを代表するアーティスト、
彼の貢献のおかげで、ブルックリンにもっとお金が入ってくるようになったのは
とてもいいことだ。」
というニューヨーカーのコメントの通り、

JAY-Z_4.jpg

JAY-Z,本名ション・カーターが生まれ育ったのは、
このバークレーズセンターのすぐ近所。
ニューヨークでも最も危険と言われるほどのエリア、ベッドスタイにある、
マーシー・プロジェクトという低所得者団地です。
貧しさの中で若い頃は犯罪にも手を染め、刑務所に入った経験もある。
そんな中、26歳で自ら立ち上げたレコードレーベル、
ロッカフェラ・レコードからデビューし大成功。
これまで17年間スターとして君臨し続け、
今42歳、ビジネスマンとしても大成功、
人間的にも大きなレスペクトを受けています。

だからJAY-Zにとってこのコンサートは、故郷への凱旋だし、
ブルックリンの新しい歴史の幕開け、街起こしにも貢献できたという意味で、
本当に感慨深いものだったんですね。

ヒット曲YOUNG FOREVERがラストのナンバーでしたが、
それを歌う前にこんなふうに熱く語ってくれました。

「ここにいる全員が一人一人特別な才能を持っているんだよ。
なのに君が本当の自分になれないのは、
大人になると、不安に負けて、自分が信じられなくなってしまうからだ。
夢でいっぱいだった子供の頃の気持ちを忘れちゃいけない。
永遠に若くいることが大事なんだ。」

そんなメッセージを残してステージを降りたJAY-Z

ブルックリンという場所は、逆境にあっても自分を信じて夢をかなえた、
かなえ続ける人の街。
そういう人が世界中から集まる街。

まさにニューヨークスピリットをレペゼンする、
FOREVER YOUNG な街なんです!


JAY-Z_7.png


シェリーめぐみ  
ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー。
アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://megumiradio.com