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9/6(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、シェリーめぐみさんからの報告です!

連休明けでリフレッシュ、秋がスタートしたニューヨーク!

今週はイベントがすごいんです!

まず明日金曜日からニューヨーク・ファッションウィークが始まります!

2013年春夏ものコレクション
世界中から10万人以上のファッション関係者が集まり、
この10日間にニューヨークで行われるファッションショーの数、500!!
経済効果は400億円と言われています!


この番組でも毎年色々な形でファッションウィーク紹介していますが、
今年も行ってきます。しっかりレポートしますよ!

そして、
今日、ニューヨークあけて木曜日の夜、

マドンナのコンサート!! しかも場所は、ヤンキースタジアム!!
なんとなんと、イチローと黒田が留守の間に、
マドンナがスタジアム乗っ取りです!
こちらもしっかり見てレポートしますね!

でもその前に、今日どうしてもレポートしたい話題があります。

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今度の火曜日は911です。
今年でまる11年を迎えました。

去年の10周年で一区切りにはなったものの、
ニューヨーカーにとって、大切なアニバーサリーである事は変わりありません

そして、ワールドトレードセンターは、11年たってもまだ建設現場です。

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今日はニューヨークがどう今年の911を迎えるのか、
そして、
建設現場はいったいどうなっているのか?レポートします。


日本人を含む2977人が犠牲になった、
911同時多発テロから間もなく11年になります。

この間にアメリカはアフガニスタンとイラクという二つの戦争を経験、
経済的にも大きな打撃を受け、
日常がテロの危険と隣り合わせになり、
世界は大きく変わりました。
そしてリーマンショックが起こり、史上初の黒人大統領が誕生し、
そのオバマ大統領も間もなく再選をかけた大統領選と、
世界はめまぐるしく変貌しています。

そういう中で、今年の911のアニバーサリー自体は、
遺族の方々のための追悼式を中心に、
比較的静かなものになりそうです。

でもワールドトレードセンターの現場は
静かとは言いがたい喧噪に包まれています。

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ここは未だに巨大な建設現場。
高いフェンスに囲まれた現場には時折大きな工事用車両が、
大きな音をたてながら出入りしています。

これまでに、7 WORLD TRADE CENTERは既に完成、
ガラス張りの高層ビルがキラキラとそそり立っています。

でも、そのお隣、
再開発の中心である105階建てのランドマークタワー、
1 WORLD TRADE CENTERは
11年後の今も、まだ完成していません。

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でも11周年を目前に、先週31日金曜日、
ついに骨組みだけは105階まで出来上がった、と発表されました。

見上げると首が痛くなるような高さ。
既に80階くらいの高さまで?ガラスがはまっていて、
あと少し、という感じに見えます。

そしてこの建物、ニューヨークでは既に最も高いビルとなりました。
夜はライトアップされていて、かなり遠くからでも見ることができます。

実はまだ未完成にもかかわらず、ビルに入るテナントは55%決まっています。
一番大きなテナントは、ファッション紙のヴォーグなどで知られる
大手出版社コンデナスト、そして中国の不動産大手バントンなど。

1 WORLD TRADE CENTER完成予定は2013年末から14年の頭にかけてと
発表されています。

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さて、実はこの喧噪は工事のせいだけではありません。

タワーを見上げている私は、ものすごい数の人に囲まれています。
世界中から集まったツーリストたちです。

実は彼らの態度が、実は今問題になっているんです。
どういうことなんでしょう?

ワールドトレードセンターの巨大な工事現場の中に、
メモリアルミュージアムがあります。
去年の9月、現地からレポートしましたので、
覚えている人もいるかもしれませんね。

1年前のブログリンク:http://www2.jfn.co.jp/blog/wfn/2011/09/post_359.html

音声リンク:http://www2.jfn.co.jp/blog/wfn/2011/09/web_237.html


今も毎日世界中からたくさんの観光客が、
観光バスをつらねてグラウンドゼロにやってきます。
その中の多くがこのメモリアルミュージアムを訪れています。
去年の911にオープンしておよそ1年、
既に400万人以上が訪れたと発表されました。

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ツインタワーが立っていた周辺は広い公園として残されています。
そしてノースタワーとサウスタワーの土台部分はそのまま、
二つの大きな水盤になっています。
その周囲から滝のように水が流れ落ちている。
これが追悼碑なんですね。

高い水音が、周囲の喧噪を忘れされるほどです。

あれから1年、
問題になっているのは、実は観光客の態度です。
ほんの一部の人たちですが、
遺族たちが見たら驚くような行為をする観光客もいる、と報道されました。

彫り込まれた犠牲者の名前の上に腰をかける人がいる、
中にはプールにゴミを捨てて、退去を命じられた若者もいたそうです。
それを見て、遺族や関係者が胸を痛めている、という内容でした。

この話を聞いて、
11年経って、多くの人の心の中で少しずつ911は形を変えつつあるんだな、
と実感しました。

遺族にとっては、このメモリアルはお墓と同じ。
もし追悼に来てくださるなら、それを忘れずにいてほしいし、
そして、911に限らず世界で起きているどんな悲劇に関しても、
温度差と割り切ってしまわず、
ひとつひとつきちんと向き合って行かなければと思いました。

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シェリーめぐみ  
ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー。
アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://megumiradio.com