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9/22(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨークは国連総会開催中、マンハッタンは大渋滞中です。

しかも車道だけでなく、舗道も大混雑。。。
1年前に比べ確実に人が増えているのを実感。
さらに自転車道。。。。ニューヨークでは自転車通勤を奨励しているのです。

でも実際は、交差点では信号無視する人と
(ニューヨーカーは青信号を待ちません)
自転車と、なんとかして少しでも進もうという車の3つどもえで、
大変なことになっています。

そんなニューヨーク、確実に季節はうつりかわり、
時代が変わっていくのを感じています。
特にこの秋、911の10周年があったこと、
そして、ワールドトレードセンターに10周年にして、
ついに追悼碑が完成し、先週、911の翌日から一般公開されたことです。

実はこの追悼碑はフラっと行っても入る事はできません。
誰でも、そして無料で入れるのですが、
オンラインで予約しなければならないんですね。

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そしてその予約が始ったのが2ヶ月前、7月11日でしたが、
私はその日の夜に予約試みて、とれたのが今週月曜日19日でした。

今日のレポートはそのワールドトレードセンター、911メモリアルミュージアム、
追悼碑をレポートします。

ワールドトレードセンターというのは7つの高層ビルが集まる
ビルディングコンプレックスで、縦横が200メートル四方くらいの
かなり大きなエリア。
数年前まではただ工事現場だったこの場所、久しぶりに訪れるとびっくりします。
目の前には2013年完成予定の超高層ビルONE WORLD TRADE CENTERが
もう82階まできていて、2006年に再建された
7WORLD TRADE CENTERとともに、
既に新しいダウンタウンの風景ができつつあるんです。


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しかし全体的には、まだ高いフェンスに囲まれた工事現場、
大型クレーンや、コンクリートミキサーがひっきりなしに通っています。
観光バスも通り過ぎて行きます。ここは観光地でもあるんですね。
でも中がどうなっているのかよくわからないし、
メモリアルミュージアムも外からはまったく見えません。

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フェンスには「メモリアルミュージアムはこちら」という矢印がついています。
それに従って進むと、敷地の南のはしの空き地のような場所に、
もうたくさんの人が並んでいました。

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そこでチケットと身分証明書をチェックして、建物の中に入ると、
まるで空港のようなセキュリティチェックポイントがあります。
金属探知期がずらりと並び、爆発物探知犬の姿も見えます。

そんな厳重な警戒のセキュリティチェックポイントをぬけて、
再び外に出ると、
そこは既にワールドトレードセンターの敷地内、
しかも工事現場のまっただ中でした。

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フェンスの間の狭い通路を進みますが、視界に入ってくるのは大型クレーンや
巨大な鉄骨、地下に向かってぽっかり空いた穴など。
工事のノイズに圧倒されながら歩いて行くと、突然視界が開けました。

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そこには秋の青空の下に、広大な緑の公園が広がっていました。

木々の間にはベンチがおかれ、人々がそぞろ歩き、
その雰囲気はごく普通の公園、
都会のオアシスといった雰囲気です。

でも普通ではないことは、すぐにわかります。

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警官の姿がとても多いし、
緑の木々の向う、ちょうどサウスタワーがあった場所は、
たてもののフットプリントがそのまま、
巨大な四角いプールになり、
その四方からは水が滝のように流れ落ちています。
プールの四方は黒い大理石で、そこに犠牲になった方の名前がほりこまれています。

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名前の上に薔薇の花をたむけている人もいらっしゃいました。

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みんな静かにそれをながめたり、写真をとったりしながら過ごしています。

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私もそこで一人黙祷しました。

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サウスタワーの反対側、ノースタワーがあった場所にも、
同じようにプールが作られています。

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その真上には、建設中のONE WORLD TRADE CENTERがそびえています。

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ここに立って、まるで水のカーテンのような滝を見ながらこの水音を聴いていると、
まわりは工事現場なのに、たくさんの人もいるのに、
この水しか見えない、音しか聞こえない、そんな気持ちになっていきます。

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工事現場のまっただなかに現れた、二つの美しい水の慰霊碑は、緑の木々がつくる、
癒しの空間でした。

かつてタワーがあった場所には、建物を一切作らずに
滝の流れ落ちるプールだけにしたのはもちろん、
その周りも含めトータルで広さ16エーカー、
およそ6ヘクタールもの広い敷地をつかった、ゆったりとした空間です。

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もともと商業用地、普通ならより多くの建物を建てたいところを、
犠牲になった方々へのレスペクトということを何よりも優先し、
このような慰霊の空間が作られたことは、とても納得できる、
訪れた人の多くはそうコメントしていました。

そのビジターは、半分はニューヨーカー、中には家族づれ、
小さな子供達をつれた人もいました。

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そして半分は世界中からのツーリスト。
それぞれの思いを胸にここを訪れ、また去っていく、そんな場所でした。

私自身はここを訪れることで、現実から一度切り離され、
10年という時間を巻き戻すことができた気がしました。

どうしても普段は忘れている事を、
ここに来れば思い出す、私たちにとって、とても大切な場所だと感じました。

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そして、この不思議なほどピースフルな空間を後にすると、
そこには再び、現実のニューヨークが広がっていました。

何があっても生活は続いて行く、時間は流れていく。
それもまた大切なことなんですよね。

この911メモリアルミュージアム、
最初にお話したように、オンラインで予約してフリーチケットをとることができます。

アドレスは
http://www.911memorial.org/visitor-passes
ニューヨークに来たらぜひ訪れてみてください。

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佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers