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5/10(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!


5月のニューヨークはアウトドアイベントの季節!
シトシトの間をぬって、先週末はニューヨークマラソンの自転車バージョン、
5 BORO BIKEツアーに3万人が参加!

今週末は恒例セントラルパークのジャパンデー
そして今日レポートするのは、
OCCUPY WALL STREET復活。

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去年の秋、アメリカの富の4割近くを、人口のたった1%が所有していることに抗議、
99%の声として始まった草の根抗議運動。
アラブの春に触発されてウォールストリートからはじまり、
その運動は全米、そして世界中に広がりましたね。

ニューヨークでは若者からお年寄り、そして親子で参加する人も多い、
本当にフツーのニューヨーカーによる抗議運動でしたが、
11月には本拠地だったウォールストリートの公園でキャンプが一掃され、
冬の間は影を潜めていました

が。。。。春と共に戻ってきました!

5月1日、メーデー、労働者の日に、
数千人の労働組合のニューヨーカーと共に大規模な抗議行動で復活。

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5月1日午後2時、
タイムズスクエアのお隣にある、都会のオアシス、ブライアントパークから、
デモ行進がスタート。

この日の午前中はあいにくの雨模様、
そんな中、マンハッタンの銀行前など20カ所以上で小規模なピケをはった後、
昼過ぎにはここブライアントパークに集結、

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そこから5番街を下ってダウンタウンへのデモ行進が始まりました。

「WHOSE STREETS? OUR STREETS
 (このストリートは誰のもの?私たちのもの!)」

とコールしながら、
若者から小さな子供をつれたお母さんまで、
ざまざまなプラカードやバルーンなどをかかげてマーチしました。
これまでと同様ピースフルで、熱のこもったパレードが続きました。
ウォールストリートジャーナルでは参加者6千人と伝えています。

ブライアントパークで、なぜ今日のデモに参加したのか聞いてみました。
彼らの言葉から、いったいこれがどんな運動なのか、
そして何を求めているのかを、生々しく感じ取ってもらえると思います。

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まずはこの男性からです。

「僕のメッセージは、私たちの社会はものすごいお金持ちが
すべてをコントロールしているということ。
メディアも政治も彼らにコントロールされていて、99%の声が反映されていない。
僕は企業が敵だと思っているわけではありません。
でもあまりにもお金中心になってしまって、政治も人民のためでなく、
企業のための政治になっています。
これではアメリカの民主主義は死んでしまいます。」

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おそろいのピンクのTシャツを来ている大学生の女の子たち、

「このTシャツに書いているメッセージは、
性別や人種などによる恐れや偏見の気持ちをぶちやぶろう、というものなんです。
そして今日ここに来た理由は、世界で起こっている
さまざまな問題について語り合うためです。
今とは違うやり方で暴力や不公平に対応し、
その不公平を減らし、問題を解決するためにはどうすればいいかということ
。その方法を探すのが私たちの責任だと思うからです。」

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そしてとても若いグループとも出会いました。

「僕は15歳の高校生です。メイン州から昨日きました。
おかげで学校を2日欠席することになりましたが、来てよかったと思っています。
なぜかってそれは、今のたった今の社会で起こっている事と
かかわりたかったからです。

今の政治には人種差別などの差別がいっぱいで、
みんなが世の中にかかわろうと思ったら、こういう運動でしかないと思うんです。
そしてオキュパイウォールストリートは、アメリカで最大の社会運動なんです。」

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そしてこの女性の持っていたプラカードには、こう書いてありました。
「これは抗議ではなく、治療介入だ。ビリオネアたちにはリハビリが必要だから」

彼女はこんな印象的な言葉をくれました。
「私たち人間には私たちがまだ知らない潜在的な力があると思います。
その力を使って、世界を思いやりで満たし、
自分の利益追求よりもっと大切なものがある事を、
みんながわかるような世の中になってほしいのです。」


99%が1%の富の集中に抗議するだけでなく、
よりよい世界を願う、切実な気持ちが伝わってきます。
普通の人々が、ここにくれば、自分の思いを発信することができる、という
限りなく前向きで一種楽観的なムードが、
オキュパイウォールストリートをこれまでのどんな社会運動とも違う、
魅力的で、パワフルなものにしているのは間違いないと思います。


OCCUPY WALL STREET
ピースフルな雰囲気で始まった、メーデーの抗議行動ですが
夕方以降、多数の警官がバリケードを作るなどして行動を牽制。
交通のさまたげになった、などの理由で45人が逮捕され、
再びメディアのスポットライトを浴びました。


「今日の抗議行動で、オキュパイ・ウォールストリートは消えたわけじゃい、
ちゃんと健在で、みんながどれほど民主主義を守るために真剣かということを、
発信できたと思います。」

そう語ってくれたのは、
「金権主義ではなく民主主義を」というプラカードをかかげた男性。

実際活動をお休みしていた間にもオキュパイのパワーは衰えませんでした。
ウォールストリートの金融機関の重役に対して行った調査では、
4人に3人が、オキュパイはこれからも世論に大きな影響を与え続けると答え、
さらには96%の重役たちが、金融業界へのネガティブなイメージは、
身から出た錆、と答えているんです。

これだけ大きな社会運動を見せつけられて初めて、
自分たちの非を認めざるを得なかったと言っていいでしょう。

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さて、今年2012年は大統領選挙の年です。
いったいオキュパイは政治にも参加するつもりなのか、
プレス担当のローレンス・ミラーさんに聞いてみました。

「私たちは99%を無視する旧来の選挙というスタイルの政治に
参加するつもりはありません。」

これまでにない新しい方法でのかかわりかたを模索する、と言っていました。

とは言え、今回の選挙でも再びキーになると見られる若者票の動向に、
大きな影響を与えるのは間違いないでしょう。

世界は動いています。


佐藤めぐみ
ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー。
アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://ameblo.jp/meguminy