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2/23(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

皆さんにぜひ覚えていただきたい、
ニューヨークのたった今のトレンディングワードは?

JEREMY LINです。
ジェレミー・リンって誰?
スポーツ紙を読む方はご存知かも!?

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ニューヨーク世界の交差点タイムズスクエア、
ここにモデルズという巨大なスポーツギアのショップがあるんですが、
ここのショーウィンドーは全面、
ジェレミー・リン、#17のユニフォームとTシャツで埋まっています。

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NBAバスケットのニューヨーク ニックスの選手。
台湾系のアメリカ人で、NBA初のチャイニーズ系アメリカ人プレイヤー、
それだけでもすごい事ですが、それだけではありません。

実はわずか2週間前には
ニューヨーカーも、NBAファンでさえ、
ジェレミー・リンの事まったく知りませんでした。

それが今やバスケを知らない人もみんなが知っている、
ジェレミー・リン!

まさに超新星スーパーノバのごとく
スポーツショップにもフェースブックにも、新聞雑誌にもあふれまくる
ジェレミー・リンっていったい何ものなのか?

2週間の間にいったい何があったのか?
今日の主役はジェレミー・リンです!

ニューヨーク、いや全米を吹き荒れるジェレミー・リン現象!

タイムズスクエアのスポーツショップ「モデルズ」では
ウィンドーディプレイはもちろん、
入り口正面はカラフルなジェレミー・リンTシャツの海、
左にはキッズサイズのユニフォームやハット、写真入りペナントまで、

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モデルズのマネージャー、ジョナサンに聞いてみました。


「現象的な人気だね。日を追うごとにお客さんが増えて、
今では毎日リングッズを求める人で毎日大混雑だ。」

その言葉どおり、自分のサイズを物色するお客さんがいっぱい。

その結果、現在、全米のNBAギアの売上げナンバーワン、
そして、あの名門スポーツイラストレイテッド誌で、2週連続表紙。
さらにYOUTUBEのゲームハイライトは軒並み数百万人がアクセス中。

モデルズでお買い物中のニューヨーカー、
コリアンのお母さんフーヨンさんは

「リンTシャツ2枚購入したわ。ボストンに住んでいる甥に送ってあげるつもり」

ニックスファンのジェリーさんは、
「リンにすっかりやられたよ。今では大ファンだ。
今ニューヨークはリンにしびれてしまっているんだ。」


なぜニューヨーカーはリンにしびれてしまったのでしょうか?

それはリンはこれまでのどんなNBAプレイヤーとも違っていたからです。

ジェレミー・リンは1988年カリフォルニア生まれ。両親は台湾からの移民
高校時代にバスケの頭角を現し、
スポーツ奨学金での大学進学の話もあったのに、
それを蹴って入学したのは、なんとハーバード大学。
秀才だったんです!


「ハーバードを出てNBAなんて、私達アジア人にとって
本当にアメリカンドリームだわ」

ホントですよね。

そして今月4日、初めてニックスのゲームに出場するなり
36分間に25得点をたたき出して
その後デビュー4試合スコア平均の、NBA新記録まで作ってしまいました。
これにはファンもニューヨーカーもびっくり仰天!

その頃からです。リンのハイライトビデオがYOUTUBEやフェースブックを
猛スピードで暴れまわり始めたのは。

なんと言ってもリン加入前のニックスは8勝15敗。
リン後は12勝2敗! まさにチームの救世主!

さらにアメリカ人を驚かせたのは、そのプレイスタイル。
アメリカでは、アジア人というのは無口で控えめなものという
ステレオタイプがありますが、
それを大きくぶち破る“爆発的”でクレイジーすれすれなプレイに
観客は萌えてしまったのです!

そしてニューヨーカーが彼にしびれているもう一つの理由は?

「彼にはとても思い入れがある。自分ととても共通点があるからね。
まわりが誰も信じてくれなかった時に、他人の言葉に耳を貸さず、
自分を信じてあきらめなかった。そういう意味で同士という気がするんだ。」

実はジェレミー・リンのここまでの道のりは平坦ではありませんでした。
ハーバード卒業後の2010年ドラフト外でNBA入り。
でも2つのチームから短期間で解雇。
去年の12月にニックスに拾われますが、
出場のチャンスはなく、また解雇の危機が迫っていました。
でも、今年のニックスはあまりにも負けがこんでいたため、
コーチはもう半分やけでリンを起用したところ、
誰もが信じられない大活躍で、
2週間で大スターになってしまったというわけなんです。

NBAには数えるほどしかいないアジア人に対する、
ネガティブな先入観はすごかったことでしょう。
でも本人はただ自分を信じて、やるべきことをやってきた、という
なんというか、とてもすっきりした面構えがかっこいいんですよね。

ニューヨークに引っ越して来てつい最近までは、
「いつまでいられるかわからないから」と自分のアパートを借りず、
お兄さんの家のソファで寝ていた、というエピソードも親しみがわいてきます。

ジェレミー・リン、これからますますビッグになりますよ!
ちなみに彼のキャッチフレーズは、LINSANITY
INSANITY=クレイジーと
リンをかけたダジャレですが、
LINSANITYはアメリカのたった今のトレンディングワードであることは、
間違いありません!

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers