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6/2(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨーク先週末から最高気温30度近くまで上昇!

海開きだったからちょうどいいんですが。。。
ニューヨークの電気店ではエアコンが売り切れ状態でした。

ニューヨークはこの時期急に夏になります。
梅雨がない、というのが大きな違いなんですが。。。

この時期にやって来るホリデーが、メモリアルデー
5月の最終月曜日、つまり先週末がメモリアルデーの3連休でした。

このメモリアルデーという日、
アメリカの重要なホリデー、独立記念日に次ぐ、大事な休日です。

いったいどんな休日なのか、
そして、どんなふうにニューヨーカーがこの3連休を過ごしたのかを知ると、
アメリカ、という国がどんな国なのか、そしてその「たった今」がよく見えて来る!
ということで、今日はメモリアルデーをレポートします。

大多数のアメリカ人にとっては、この週末は「海開き」の週末で、
9月最初の月曜日のレイバーデーまでが
「UNOFFICIAL SUMMER非公式な夏」ということになっています。


日本から見ればずいぶん早い海開きだし、長い夏だなあという印象?、

この週末は海に行く人はもちろん、
庭でバーベキューパーティーという人もいっぱい。
私の住むハーレムも、街中にバーベキューの煙がただよっていました。

しかし、海とバーベキューだけではないのです。
そもそもメモリアルデーというのは戦争で亡くなった兵士たちをトリビュートするホリデーなんです。

戦没者を追悼する催し、パレードや集会が全米各地で開かれますし、
ニューヨーク港には軍艦がいくつも集まってきて一般公開もされる、
フリートウィークなんていう催しもあるから、
街は水兵さんでいっぱいになります。

Fleetweek.jpg

テレビでは戦争映画の名作を続々放映。
それもゲッティスバーグからパールハーバー、
ミッドウェー海戦からノルマンディ上陸までさまざま。

もともとこのメモリアルデ−は南北戦争で亡くなった兵士を追悼する
記念日としてスタートしたという歴史がありますが、
アメリカという国は本当にさまざまな戦争をしてきて、
その歴史が今につながってきている。
イラクとアフガニスタンでは今も続いている事も含め、
アメリカという国のそういう一面を感じます。

もちろんアメリカ人もみな平和を願っていますが、
でも戦争をしている、という事実は否定できないし、
ましてや起ってしまった歴史は変えられないことも知っています。

一方で、戦争で闘っている人、亡くなった人にはこれ以上ないくらいの
レスペクトと感謝の気持ちがあります。

イラクとアフガニスタンではこれまでに6000人ものアメリカ兵士が亡くなっている
しかも20才前後の若い兵士が一番多い。痛ましい犠牲です。

NYのMARBLE COLLEGIATE CHURCHという教会には、
彼ら一人一人の名前が書かれた、黄色いリボンがかざられていますが、
ここでも記念のセレモニーがありました。
ここには黄色いリボンだけでなくグリーンのリボンも飾られていますが、
これは「平和への祈り」を象徴するリボンなんですね。

ヴァージニア州アーリントン国立墓地でのセレモニーで、
全アメリカ軍の最高司令官でもある、オバマ大統領はこう演説しました。
「"The blessings we enjoy as Americans came at a dear cost,"
私たちが毎日の幸せは、彼らの犠牲の上に成り立っています。」

もちろんイラク人やアフガニスタン人の犠牲はもっと大きいでしょうが、
一人一人の命の重さは同じ。

戦争をやめるためには、
なぜこの戦争をすることになってしまったのかを考えなければならない。
庭でバーベキューを食べながら、そんな話題が出たりするのも、
メモリアルデーの一面なんです。

さて後半は、メモリアルデーの楽しい方の一面、海開きについてお話しします。
ニューヨークのビーチ、この夏は去年とひと味違います。何でしょうか?

アメリカのビーチといえば、広い砂浜にボードウォーク。
そして90年代のテレビドラマ「ベイウォッチ」に出て来るような
海難監視救助隊をイメージするかもしれないですね。

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ニューヨーク市内には、そのボードウォークで有名なコニーアイランドビーチ、
サルサが聞こえるファンキーなオーチャードビーチ。
サーファーに人気のロッカウェイビーチという3つの人気ビーチがあります。
どれも地下鉄でお手軽に行けます。

もうちょっと足をのばして市外に出れば、ロングビーチ、ジョーンズビーチなど
日本で言えば「湘南」といった雰囲気のビーチが続き、
さらにその先は高級ビーチリゾートのハンプトンズからずーっと東のモントークまで、
まるで伊豆半島のような、素敵なビーチが続きます。

ここまでは例年と変わらないのですが、今年ビーチで大きく変わった事があります。
ニューヨーク市内のビーチが「完全禁煙」になったんです!
ニューヨーク市内では90年代以来、レストラン、バー、クラブはもちろん、
オフィスビルでも公共の建物内も次々に禁煙に。
それがまた一歩進んで、5月23日から新たな禁煙条例が施行され、
市内のすべての公園とビーチも禁煙になったというわけです。
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実はこの禁煙条例の施行に合わせて、
地元の新聞NYデイリーニュースがこんな実験をしました。
コニーアイランドビーチのボードウォークでスタッフに
わざとタバコを吸わせたのである。

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以前もお伝えしたようにニューヨークの道路で違法駐車しようものなら、
ものの数分とたたないうちにチケットを切られれます。
ところがこの日はパトロールの警官に軽く注意されただけで、
チケットは切られなかったとそうです。(罰金は50ドル)
同じビーチに来ていた地元ニューヨーカーは「レストランやオフィスならわかるけど、
ビーチや公園みたいなオープンスペースで禁煙なんてバカげてる。」とキッパリ。
ちなみにコニーアイランドビーチだけでも全長6キロもあるんですが、
市の公園局は「これだけの面積をとり締まるのは不可能。
みなさんの良識にお任せします」とコメントしたそうです。
それにしてもこの条例に関しては、
「ブルームバーグ市長いくらなんでもやりすぎ」と悪評なんですね。
この夏、本当にビーチでの禁煙が徹底されるんでしょうか?

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メモリアルデーから海開き、ビーチの禁煙条例まで、
さまざまな表情を見せながら夏になっていく、
そんなたった今のニューヨークの素顔を、今週はレポートしました。

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers