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10/20(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨークは雨と強風の1日

街路樹も少しずつ色づいてきています。

秋ですねー、

秋と言えば食欲の秋、
ニューヨークの秋の味覚と言えば、何でしょう?
(先々週も同じ質問を。。。)

ヒントは、ニューヨークのニックネームです。

APPLE!!

そう、ニューヨークはBIG APPLEと呼ばれていますが、
名前だけではありません。
今ニューヨークではいろんなリンゴが旬。
甘くてジューシーでとっても安い!食べごろです。

そして、ニューヨーク州のリンゴ生産料は、
西海岸のワシントン州に続いて全米2位を誇っているんです。

ではニューヨークはなぜ、BIG APPLE、
大きなリンゴと呼ばれるようになったんでしょうか?

リンゴがいっぱいとれるから?

うーん、そんなに単純ではありません。

いったいいつから、なぜBIG APPLEと呼ばれるようになったのでしょうか?

まずはニューヨーカーに聞いてみました。

ところが返って来た答えは。。。。

「なぜニューヨークがビッグアップルって呼ばれてるかって?
ノーアイデア、まったくわからないね。」
newyorker_1.jpg

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と口々に言っていましたね。
声をかけたニューヨーカー、観光客、誰も即座に答えられませんでした。

そこで、いくつかの選択肢をあげることにしました。


まず最初の選択肢


Depression Era sidewalk apple vendors
大恐慌時代のリンゴの屋台

大恐慌の翌年の1930年、街には失業者があふれていました。
一方でリンゴの流通業者は大量の在庫を抱えて困っていました。
そこで、失業者が街角でリンゴを売るようになったんです。
11月にはこの屋台の数が6000件にもなりました。
でも翌年リンゴの在庫が切れると、
屋台もあっという間に姿を消したそうです。

だからニューヨークはビッグアップルと呼ばれるようになった、
と言われています。

さて次の選択肢はこれ。

1930’s Jazz Musician
1930年代のジャズミュージシャン

1930年代、40年代はジャズのビッグバンドの全盛期でした。
この頃ジャズミュージシャンたちは、
こんなスラングで会話をかわしていた、という言い伝えがあります。
それは、「おい、お前先週末どこでプレイしたんだ?」「ビッグアップルさ」

それは、マンハッタンでプレイした」という意味。
当時のマンハッタンには多くのジャズクラブがあり、
オーディエンスの数もアメリカ一だっただけでなく、
ヒップで、いちばんジャズを愛しているお客さんだった、
ということなんですね。

その頃からニューヨークはずっとジャズが盛んな街です。

そんなニュアンスをこめて、ジャズミュージシャンは
マンハッタンを「ビッグアップル」と呼んだというのです。

さて、最後の選択肢はこれです。

1930’s Race Track.
1930年代の競馬場

やはり1930年代、ニューヨークでは競馬が大流行していました。
競馬場が4カ所あり、競馬新聞も「THE DAILY RACING FORM」「THE RUNNING HORSE」そして[THE NEW YORK MORNING TELEGRAPH]3誌もありました。

そのテレグラフのコラムニスト、JOHN FITZGERALDさん。
彼は当時「AROUND THE BIG APPLE」という記事を書いていました。
ジョンさんがコラムにBIG APPLEというタイトルをつけた理由は、
当時地方から出て来ていた御者の少年達が、
大きな夢と希望にあふれた巨大都市、ニューヨークのことを、
憧れの気持ちを込めて「BIG APPLE」と呼んでいたから、と語っていたそうです。

さあ、3つのうち正しい答えはどれでしょうか?

答えは実は、3つとも正解!

大恐慌時代にリンゴの屋台がたくさん誕生した頃、
ジャズミュージシャンもニューヨークのことをBIG APPLEと呼んでいたようですし、
競馬場でもBIG APPLEが使われていたようなんです。。。

とどのつまりは、どれが本当の由来かわからないけれど、
どうやら1930年ごろからBIG APPLEと呼ばれるようになったらしい。
そして、APPLEという言葉には、大きくてヒップでいけてる、
都会的で超メジャーなイメージがあった、というのも間違いないようです。

ためしに辞書をチェックしてみてください。
俗語として「大都市」と書いてあります。

アダムとイブの時代から、アップルコンピューターの現代まで、
アップルというのはアメリカ人にとっては特別なフルーツ。
そして、ニューヨークも特別な街。

ところでニューヨークの街角には、
今でもフルーツの屋台がいっぱいあります。

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こちらのリンゴ、日本のよりちょっと小ぶりサイズ。
屋台で買って、そのままかじっておやつがわりというニューヨーカーがいっぱい。
特に不景気な今、安くておいしいリンゴは今も昔も
ニューヨーカーの強い見方です。

あなたもこの秋リンゴを食べながら、
ニューヨークのこと思い出してみてくださいね。

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers