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7月12日(火)のフラワーレポーターはバルセロナにお住まいのスペイン人アーティストマルタ・モンカーダさんです!

◆東日本大震災について、バルセロナの方々の反響や関心はいかがでしょう?


(6月に入ってから、こちらで「福島を救おう」がテーマのイベントを二回行い、また、6月後半から7月後半にかけて、バルセロナ市中心部のホテルで関連の展示(絵画、ビデオアート、活け花、インスタレーション)。7月15日から、カタルーニャのコスタ・ブラバで、別のアーティストたちとの展覧会を行うそうです)
アーティストやアート愛好家が多く参加されたそうですが、日本に来たことがない人や日本語が話せない方々が参加メンバーの大半を占め、それだけカタルーニャ人の間で日本への共感が強いようです。バルセロナといえば、先月、村上春樹さんがカタルーニャ文学賞を受賞され、震災についてスピーチしたのが話題に)。


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★マルタ モンカーダさん。
1961年バルセロナ生まれ。バルセロナ大学芸術学部卒。
造形作家
銅版画、絵画、鉄筋彫刻、石、竹などを使ったオブジェなど、なんでもやります。


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作品の展示は、ヨーロッパ各地、北米、南米でも行なってきましたが、これまでで最も回数が多いのは地元カタルーニャと日本です。


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日本とのご縁は1989年、バルセロナ大学芸術学部教授だった父ジョアンとともに浜松や山形で行われた凧上げ大会に参加したのがきっかけでした。同じくアーティストである父は、85才の今も趣味の凧上げには熱中していて、自分で車を運転して山まで凧上げに出掛けています。マルタは凧上げはやりませんが、父の創作凧に協力して絵を描いたことはあります。


それがきっかけが日本が大好きになって、現在カタルーニャ語の権威である法政大学教授の田澤功先生がバルセロナ滞在中に日本語クラスを開講されており、これに2年間通って日本語を学びました。と同時に15年程前からほぼ毎年日本へ行って、東京、名古屋、大阪等で個展をするようになりました。そして、おととしから大好きな倉敷市に小さなアトリエを構え、現在数ケ月ごとに日本とバルセロナを往復して活動しています。


今年の4月は倉敷市の倉敷市立美術館など4つの会場で、50メートルの倉敷帆布に作品を描いて、江戸時代に良寛禅師が修行した円通寺の山頂から、その帆布を垂らすパフォーマンスも行ないました。


これは瀬戸内と地中海を繋ぐ、というコンセプトではじめたHanpu in Hanpuという、マルタ自身が企画したアートフェスティバルですが、立ち上げは昨年末でしたが、一ヶ月の会期(3月28日から4月27日)の直前に東日本大震災があり、しかもまさに3月11日、後援していただくスペイン大使館へ訪問するなどの予定で、東京に向かうその日だったので、一時はこのフェスティバルの中止も検討しました。結果的にこのフェスティバルは4000人の来場者を集めて大成功でした。


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現在、その帆布は5メートル、10メートルの大きさに切りわけて、現在2点は倉敷市のレストランなどで展示、バルセロナでは2点をカタルーニャ州各地を巡回している会場で展示しています。一点はその生地を使って名古屋のアーティストにバッグを作っていただいています(十月の京都展で発表予定)。


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来年以降は、四国の丸亀市、フランスにマルタの先祖が作ったお城「シャトー モンカーダ」で展示を行う予定もあります!


いまこちらではマルタと両親(ともに同じ大学出身の教師で画家)の3人展がちょうど終了したところで、来週からはフランス国境に近いアンポルダ地方のカステヨ市で約一ヶ月の展示がはじまります。いずれも日本に関連したもので、倉敷で制作した帆布作品や竹や石のオブジェも展示しますが、マルタ自身は震災の後遺症といまだ洩れ続ける放射能、そして何より「風評被害」に苦しむ福島を応援しよう、という気持を強くもっているわけですが、ここカタルーニャでは東京、大阪という都市名とか日本のアニメが子どもたちに人気があって、、くらい漠然とイメージがありますが、今度の地震が日本の実際にどの当たりで、どれくらいの被害で、までは知らない人が大半ですから、まずは「日本とはこういう国です」というあたりから、大好きな日本の神社仏閣、世界遺産の日光、熊野古道などの写真を見せて、展示会場でレクチャーもしつつ、「とにかく、まずは日本に来て下さい」と折に触れて日本の魅力をアピールしております。