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6/9(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨークは既に真夏!!
夕方8時をすぎても明るいサマータイム、
セントラルパークの最寄り駅の一つ、72丁目のサブウェイステーションの
隣のアップルバンクの気温計は、華氏93度(摂氏34度)をさしています。

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日本はスーパークールビズ?
アメリカはそういうモノがないので、ビジネスマンはスーツにネクタイで
かわいそうになります。

IT企業などの影響で、ファッションのトレンドは
少しずつカジュアルになってきている男性のオフィスファッション、
最近のトレンドのひとつがノーソックス。

カーキパンツやライトな素材のスーツの場合、ダークなソックスは似合わないし、
白いコットンのソックスもNGです。

でもノーソックスでは足がむれてかえって暑い!?

そこで、INVISIBLE SOCKS 「見えないソックス」流行の気配、
何のことはない、くるぶしまで、ローファーをはいても見えない
カットのソックスのことなんですが、BANANA REPUBLICやNIKEから発売中!

もうひとつ、日本ではサマータイムを導入するところが増えているとか?

ご存知のように、サマータイムといえば欧米ではもう長い歴史が。。。
この番組でも何度か話題にしたことがありますね。

いったいどのようにして始まったのか、実際どのくらい省エネになっているのか、
その現状をニューヨークを中心にアメリカの例を見ながら、
レポートしたいと思います。

今日、最高気温36度のセントラルパークは、ニューヨーカーも暑さにびっくり。
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さあこのヒートウェーブにふさわしい今日の話題は「サマータイム」

アメリカではサマータイムはDaylight Saving Timeと呼ばれます。
その名の通り「太陽の光を節約するため」の連邦のエネルギー法にのっとっています。

アメリカでは今から100年近く前、
1918年に第1次世界大戦のための資源節約で始まりました。
しかしそのアイデアは既に、18世紀の後半、
建国の父で雷が電気である事を発見したあのベンジャミン・フランクリンから、
ろうそくを節約するための方法として提案されていたそうです。

現在アメリカではハワイを除く全米49の州で施行、
アリゾナ州のほとんどの地域ではやっていないし、
またプエルトリコやUSバージンアイランドなどのカリブ海の島でもやっていない。
Daylight Savingは、夏と冬の日照時間が大きく違う高緯度の地域でやってこそ
効果が出るためです。

現行の方法はこうです。
Daylight Savingが開始される毎年3月最初の日曜日、午前2時ちょうどに、
時計の針を一斉に1時間進める。
そして終る時は、11月最初の日曜日の午前2時ちょうどに時計の針を1時間戻す。

これを読んだだけで、日本人はえっ? そんな事できるの? 
と思うかもしれませんが、
生まれてからずっとこれを続けているアメリカ人にとっては、
カレンダーをめくるようなもの。
Spring forward, Fall Back. 「スプリング・フォワード、
フォール・バック=春はすすめて秋は戻す」と慣用句のように覚えてしまっています。

でSpring Forwardすると、昨日までの2時が3時になり、
朝7時起きの人はこれまでより1時間早く起きるのと同じことになります。
そして1時間早く仕事を切り上げて帰宅する事に。

結果、こういうことになります。

例えば6/7 夜明けが5時23分だから朝起きるともう明るい。
そして5時に仕事が終ったとする。日没は8時23分だから3時間以上まだ明るい。
暗くなってから寝るまでの時間が1時間短くなれば、
その分照明をつけなくていい。その分の電気代が節約になると言うわけですね。

アメリカ内務省のウェブサイトによれば、1970年代の研究では、
これを実行するとしないとでは、エネルギーの使用料に1%の違いが出たといいます。
たったの1%? いやいや全米の電気使用料に換算すると大変なもの。

実はDay Light Saving Timeは2007年からさらに4週間延長になりました。
これでさらに1日の電気代が全米平均0.5%節約になったという数字もあります。

ただし、デメリットもあるという意見にも注目!
エアコンの存在です。

Daylight Savingをはじめた頃には存在しなかったエアコン。
明るければ暑い、その分エアコンを使う、ということで、
広いアメリカでは夏が暑いエリアになればなるほど、省エネ効果は薄れてきます。
場合によってはDaylight Savingのおかげで
かえって電気代がかさむという研究結果もあるんです。

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それでも、サマータイムをやめよう! という声は出ていません。

これだけ長く続いた習慣を変えるのが大変という理由もありますが、
実はアメリカ人の多くはサマータイムが大好きだからです。

実は、Daylight Savingの大きな目的は「太陽の光を節約するため」で、
省エネだけではないことにも注目!

アメリカ内務省のウェブサイトにはこう書いてあります。

「長くなった明るい時間、ほとんどの人はアウトドアで過ごす。
そうすればおのずと電気代も節約になる。
それだけでなく、運輸省の調べによれば“アメリカ人が
Daylight Saving Timeを支持する理由は、日が長くなって、
外で色々な事ができるから”である」

これはポイントをついています。
例えば仕事が終ってから日没までに3時間、セントラルパークはラッシュアワー。
野球、テニス、サッカー、サイクリング、ジョギング、
あらゆるアウトドアスポーツを楽しんでいます。
ディナーも庭でバーベキュー。
仕事の後にゴルフを1ラウンドなんて人も。

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そのゴルフ業界の発表では、Daylight Saving Timeがあるおかげで、
年間$400M(約320億円)もの売上げ増につながっているといいます。
つまりサマータイムはかなりの経済効果になっていると考えられています。

アウトドア好きアメリカ人だからこそ、
Daylight Saving Timeの存在意義があると言ってもいいでしょうね。


何より1時間でも夏の日が長いというのは、
トクした感じで気分もアガるのから不思議!

日本でも、長くなった夏の日の1時間を親子で楽しむような
サマータイムだったら素晴しいと思います。


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佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers