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6/16(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

先週は37度だったニューヨーク

週末にかけてものすごい雷雨が降り気温も下がったのですが、
その雷雨のおかげで、停電などの被害もでました。

そして大きな影響を受けたのが、木曜日の夜セントラルパークで予定されていた、
BLACK EYED PEASのフリーチャリティコンサート。
これが中止になって、待っていた6万人のファンはがっかり。

このコーナーでは日本からニューヨークにやってくる
さまざまなアーティストを紹介していますが、今年もたくさんやってきます。(KALFINA、kanon x kanon (分島花音とAn Caféのkanonによる新プロジェクト)、SCANDAL、ケミストリーなど)
初アメリカ、初ニューヨーク、という人が多い中、
もう十何年も、毎年のようにアメリカをツアーしているアーティストもいます。

でも日本よりも先にアメリカデビューしていた、というアーティストは、
彼らだけかも?

GUITAR WOLF

日本でも正当派ロックバンドとして君臨している彼ら、
アメリカでは彼らの曲をカバーしたトリビュートアルバムまで出ている!
とにかくカルトファンがすごい。

先日そのライブを見に行きましたが、もうこんなに盛り上がるライブ、
ニューヨークでも見た事ない!

いったいどんなライブだったのか?
そしていったいなぜこんなにアメリカで人気があるのか?

今日はGUITAR WOLFのライブレポート、ギターウルフのバンドリーダーで、
ギターウルフ本人、セイジさんやファンといっしょにお届けします。

まずライブに集まったファン、始まる前からもう既に熱い!

「ギターウルフはすごい!
なんであんなにパワフルなのか信じられない!
ギターウルフを聞いて人生が変わってしまった!
ギターウルフを聞くと、ロックンロールは未だにデンジャラスなものと思えるよ」

ギターウルフが日本でメジャーデビューしたのは1997年、でもその3年も前に
アメリカで、先にデビューアルバムをリリースしていたんです。
つまり、アメリカデビューの方が先!

いったいどうやってアメリカでのデビューを果たしたのか、その秘密は
ニューヨークから南に1500キロ下った、テネシー州メンフィスにありました。
セイジさんはこう語ります。

「ギターウルフはもともとメンフィスからデビューアルバムを出して、
それまで俺たちは色んな世界のレーベルに音源を送ってたんだけど、
どこにも相手にされなかったんだ。ある時メンフィスを訪れた時に、
一本のデモテープをエリックという男に渡したんだ。
そしたら日本に帰って3ヶ月後にそのテープがLPになって帰って来た。
つまり世界のどこも俺たちを無視してたんだけど、
メンフィスだけが俺たちを認めてくれたんだ。感動したね。」

すごいドラマがあったんですね。
そしてメンフィスといえば、エルビス・プレスリー、そしてサン・レコードという、
ロックンロールを育てたレコードレーベルとそのスタジオがある、
ロックンロールの聖地。世界のファンが目指す場所です。

「20代の頭ぐらいにニューヨークからロサンゼルスまで
グレイハウンドのバスで旅したことがあるんだけど、2ヶ月くらいかけて。
その時からメンフィスは目的の場所でもあったから。
ブルースと、エルビス・プレスリー。
ロックンロールをやっている者にとって、エルビスは基本でしょう。」

心から愛して目指した土地、メンフィス。
実は憧れのサンスタジオの近くのダイナーでの、こんなエピソードもあります。

「ある時ギターウルフのチラシが、サンスタジオのレストランに
張ってあったんだよ。そうしたら、あるロカビリーのお兄ちゃんたちと
おねえちゃんのカップルが来て、それを指差して“あ、ギターウルフだ!”
と言ったんだ。そうしたらサンスタジオのお兄ちゃんが近づいて来て、
“お前らギターウルフを知ってるのか? ギターウルフ知ってる奴からは
金は取れない”と言っておごってくれたらしい。びっくりしたよ。
うれしいけれど、そういう事をしてくれる彼らに対して、
ありがたいなあ、という気持ちでいっぱいだね。」

メンフィスではギターウルフ知っているとゴハンがタダに!?
と聞いたらセイジさん笑ってましたけど。。。

本当に愛する音楽を愛するアメリカの地で大音量で鳴らし続けているギターウルフ。
なぜギタ−ウルフが日本人以上にアメリカ人に愛されるのか。

それはライブを見れば一目瞭然!

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ソールドアウトのKNITTING FACTORYのライブ。
前座のバンドの後半から、オールスタンディングのフロアはもう
満員になっていました。ビール片手に会場の雰囲気が盛り上がったところで、
登場したギターウルフは、黒いレザーの革ジャンにレザーパンツ、黒いサングラス。
わーかっこいい! と思った瞬間にものすごい大音量で演奏が始まって、
ものすごい加速度であっというまにトップスピード。
信じられないパワーで次から次へプレイする曲はどれもめちゃくちゃファンキー、
とにかく「かっこよすぎ!」「楽しすぎ!」
そしてステージ以上にものすごいことになっていたのが、超満員のファンたち。
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実は私達の前にギターウルフのインタビューをしたのは、
ドキュメンタリーフィルムの監督の、ジェフ・フルーメスさん。
この日はMISIFTというパンクバンドのドキュメンタリー映画のためのコメント取り
に来ていたのですが、実はこのジェフさんがギターウルフの大ファンなんです。
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「ギターウルフがコメント出演するだけで、僕の映画はかっこよくなるよ。
ギターウルフがクールな理由? 彼らのスタイルだね。
黒いレザージャケットにブラックヘア、まるでラモーンズのように、
強烈なスタイルを持っている。
そしてファンも素晴らしい。彼らはロックンロールを深く知り、愛している。
強く強くギターウルフを愛しているファンたちなんだ。」
                
そう熱く語ってくれたジェフさん。
このNYライブ、ファンの盛り上がり方もハンパありませんでした。
バンド以上のエネルギーでステージ前に突進、もみくちゃのモシュダンス。
人が何人飛んで来たか。。。
しかも、ギターウルフはカッコイイと同時に面白い!
途中でエルビス・プレスリーのダンスを客に踊らせたり。。。
そしてなんと最後はヒューマンピラミッド!!

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たっぷり2時間のステージ、アンビリーバブルな4回のアンコール!
それでもまだ満足できなくて、全然帰ろうとしないお客さんたちに聞きました。

「いやー、すごかった。とにかくすごかった。
これまでさくさんライブを見ているけど、5本の指に入る素晴しいものだったよ。
人間ピラミッドまで見せてくれるなんて思わなかった!
言葉が出ないくらいスゴいライブだった。頭がボーとしているわ。」

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ギターウルフのファン、10代から40代まで男性7割。
でも中にはギターウルフを見るために7時間かけてバスできた、
という女性ファンもいました。
そして女性は、カッコイイお姉さんがすごく多くてびっくり。その彼女は、
「私達ただのファンじゃないのよ、子どもの頃からの大大大ファンよ。
私はDJだけど、いつもギターウルフをかけているわ!」

アメリカのロックンロールを愛し、
ロックンロールの神様、そしてカルトファンたちに愛されたギターウルフ。
音楽はホントに世界をつなぐ素晴しいモノですよね!

あなたもギターウルフの音楽体験してください! 
あなたの中で眠っている「野性」が目覚めます!

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers