« 5月25日(水)のフラワーリポーターは、ルーマニアに住んで8年、現地で旅行会社のスタッフとして活躍されています、佐藤利華さんです。 | メイン | 【Webラジオ】5月26日(木)アメリカ ニューヨーク »

5/26(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

早くもサマーウェザーの今週のニューヨーク

中西部では荒れ模様、また竜巻が。。。

気温が上がるにつれて、日に日に人が増えているのが、セントラルパーク。

ニューヨークには欠かせない緑のオアシス、ニューヨーカー自慢の公園。
マンハッタンのど真ん中にあって、その広さ3,4平方キロメートル、皇居の2倍以上の広さです。
縦に細長いけれど、そのすぐ横を通っている地下鉄で7駅分もある!

歩いて行ったら行けども行けども広—い芝生、かと思うと丘、山、池、、
野球場、サッカー場、テニスコート、サイクリングコース、屋外シアター
レストラン、動物園、乗馬、プール、スケートリンク
人間が「楽しい」と思うありとあらゆる事ができる
もちろん何にもしないで、ぼーっとしたり昼寝してもいい。

こんなに楽しい場所だから、
1年間に訪れる人3800万人 1日10万人以上が来ていることになる!!

このセントラルパークの一角にある、ラムゼイプレイフィールド。
ここは夏になると毎日のようにライブが開かれるコンサート会場。
ここで、日曜日にこのイベントが行なわれました。

JAPAN DAY

日本人とニューヨーカーの文化交流イベントも今年で5回目。
でも今年はちょっとだけ例年と違っていました。

何が違っていたんでしょう?

そのヒントは。。。というかJapan Dayから今日みなさんにお聞かせするインタビュー、
これは豪華ですよ!
RUN DMCのDMCと大江千里さんです! さっそく本題にはいりましょう!

5月22日(日)ニューヨーク、セントラルパークで、
毎年恒例の日米文化交流イベント「Japan Day」が開催されました。
在住日本人を含む3万人が大集合

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日本の伝統音楽、J-POPなどのコンサートと、折り紙、書道など
日本の文化を体験してもらおうと開かれているもので今年で5年目。

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今年も日本から多彩なゲストがやってきました。
コーラスグループのサーカス、
J-POPのふくい舞、
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ジャズの松井慶子、 新人R&BシンガーAISHA(アイシャ)、
そして現在ニューヨーク在住の大江千里さん。

バラエティに富んだジャパニーズミュージックのショーケースになりました。

ここまでだと去年と同じなんですが、
今年は東日本大震災を受けて、チャリティーイベントの色を強く打ち出した。
「頑張れ!JAPAN!」をテーマに募金をしてくれた人には
オリジナルTシャツ、エコバッグなどがプレゼントされ、集まった義援金は
日本の復興支援団体へ寄付されます。

まだまだそれだけではありません。
今回のゲストはこのテーマに共感して参加した皆さんばかりですが、
その中にこのアメリカ人スーパースターがいました!

ニューヨーク、そしてアメリカのヒップホップの伝説的大御所グループ、
RUN DMCのラッパー、DMC。
彼らがいなかったら、ヒップホップはここまで世界のポップミュージックに
ならなかったと言っていいくらい。これまで世界で売ったCDの売上げ3千万枚!
アメリカ人にDMCがJAPAN DAYに出たよ! と言ったら、
えっすごーい!という会話になるくらい。ニューヨークでは国宝級。

彼は AISHA の曲にゲストラッパーとして参加しているのですが、
今回このタイミングでニューヨークでステージ初共演が実現したんですね。

ショーではそのコラボ曲「FALLIN’ 4 U」の他、RUN DMCの
ビンテージ大ヒットナンバー「WALK THIS WAY」を披露。
スーパーレジェンドDMCのエネルギッシュなラップに会場は盛り上がりに盛り上がりました。
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AISHAは日本人とアメリカ人のハーフで、日本で育ち、まだ若くて小柄な体から、
クリスティナ・アギレラばりのパワフルなボーカルを聞かせて、ニューヨーカーをびっくりさせました。

ステージの後にインタビューにも答えてくれました。
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まずAISHAさんは、

「 今日本の大学でドキュメンタリーのコースをとっているんですが、
そのために宮城に行き、家を流された被災者の方々ともお話しました。
だから今回はこういった形で日本救済に参加することができてよかったと思っています」

その言葉を受けてDMCは、

「日本は世界で一番好きな国。その国のために何かできるのは本当に光栄だ。
こうやって参加することで、被災が今も深刻であることを世界に伝えるのはもちろん、
音楽の力でひとつになったニューヨーカーが日本の事を思い、愛と祈りとエネルギーを
送っていることを知ってもらい、日本の人たちに心を強くもってほしい」

このDMC、もともと恵まれない子供達のためのチャリティを活発に行なっています。

「夏には日本でチャリティコンサートを開きたいと思ってプランを練っている。
なぜならそれがヒップホップの精神だからだ。商業化してしまった
ヒップホップも多いけれど、もともとは人種や宗教、文化を超えて
人と人とが助け合うために出来た音楽がヒップホップだからね。」

彼らはもちろん、さまざまな思いを持って参加した日本人アーティストたちがいます。

その中で、日本でのスターダムを離れ、一人でニューヨークに渡って
4年になるこのアーティスト、大江千里さん。
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ジャズピアノを学びたいという長年の夢をかなえるために、
大学で勉強しながらライブ活動しています。
今回は地元ニューヨークのミュージシャンによるビッグバンドを率いて、
自らのJ-POPのヒットナンバーをファンキーなジャズアレンジで
演奏するという新境地を見せました。
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そんな千里さんが今の思いを語ってくれました。

「今日本は、政府の事も含めて、信じられないというか、
未来に対する目標みたいなものを失いつつあるというのを、
海外にいてもすごく不安に感じることがあるんですけれども、
今思った瞬間から始めることだと思うんです。
ファンシーじゃなくでも心の伝わる国というか、
日本が本来持っている素晴らしさを世界にアピールできるような、
そんな国を作るんだ、という意識を常に持っていたいですね。
自分がこのタイミングでアメリカにいるという意味がきっとどこかにあると思うので、
自分の本分を全うして行きたいと思っています。」

千里さんの言葉どおり、ニューヨークから日本へメッセージを
出す立場にいるわけですが、そのメッセージも震災の前と後では変わったと言います。

「僕は作詞家でもありますから、震災以来、言葉の意味が自分の中で変わりました。
たとえば“がんばろう”という一言の意味、素直に気持ちを伝えるということ、
誠実、配慮、思いやり。何かおすいうちょっと気恥ずかしいよなっていう言葉が
自分に響くというか、そこらへんの音楽の根底にある言葉、
心の意味みたいなものをもう1回洗い流しながら、
曲を作って行きたいなと思ってますね。」

日本から来た日本人、ニューヨークの日本人、そしてニューヨーカー、
アーティストもお客さんのそれぞれの思いが、音楽になって響いたセントラルパークの日曜日。

ニューヨークはまだまだ日本の事を見守っています。


佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers