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5/12(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

今週はBack To Basics.
ニューヨークといえば、
あなたは何を連想しますか?

音楽、
エンタメ、
ビジネス
さまざまな人種
NYCマラソン
そして、ブロードウェイミュージカル!!

実は1年のうちで今の時期が、一番力の入ったブロードウェイの舞台が見られる時期。

その理由は、トニー賞
ご存知? 映画にアカデミー賞、音楽にグラミー賞があるように、
ブロードウェイの舞台にも、トニー賞という最高のショーがある。

過去にはコーラスライン、オペラ座の怪人、レント、ライオンキング、ヘアスプレーなどが受賞

ノミネートが発表されたばかり、
6/12の発表まではどの舞台も気合いの入って、
1年で一番ブロードウェイがアツくなる時期かもしれません。

私もノミネート作品のひとつをみてきました。
CATCH ME IF YOU CAN
あのデカプリオ出演映画の舞台化

今日はこのCATCH ME IF YOU CANを中心に
ホットなブロードウェイの話題です。


ブロードウェイというのは、マンハッタンの中心にある
ブロードウェイのシアター街の名前でもあるし、
そこで上演されているお芝居やミュージカルの事もいいます。

1年に1回選ばれるブロードウェイの最高の賞がトニー賞
その年に始まった新作が対象になります。

そこに選ばれることはロングランを約束される事でもあるし、
ノミネートされるだけでもヒットのしるし

今日は日本人にもなじみがある、ミュージカルを中心にお話しますが、
今年のノミネート 作品の中で最多ノミネートされたのは、
「BOOK OF MORMON」という作品で14部門の最多ノミネート

モルモン教徒の二人の若者が、ウガンダに布教に行くと言う話で、
ギャグとユーモアがいっぱいの面白い作品。
クリエーターはヒットアニメ「サウスパーク」とやはり
ヒットミュージカルの「AVENUE Q」のしかけ役。。。話題がいっぱいですごいんですが、

日本から見に行く身になって考えると、チケットはソールドアウトしてるし、
ギャグやユーモアも英語でちょっとわかりにくい。。。。

そこで今日ご紹介するのは、もう1つのトニー賞候補の新作、
ベストミュージカル他4部門にノミネートされています。
とってもブロードウェイらしく、しかもわかりやすくめちゃめちゃ楽しいこの作品です。

CATCH ME IF YOU CAN
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2002年にリリースされたスピルバーグ監督の映画を見た人も多いでしょう?
レオ・デカプリオが家出した10代の少年フランク
パイロットや医者のふりをして詐欺を繰り返していくフランクをおいかける
FBIエージェントのカールにトム・ハンクス、という映画でしたが、

ミュージカルの方も豪華なクリエイター陣です。
へアスプレイのソングライター(Marc Shaiman and Scott Wittman)
振付けもやはりヘアスプレイ、キューティ・ブロンドで今トップの振付家、
JERRY MITCHEL

ミュージカルではこの映画のストーリーを、うまーく舞台におきかえて、
それぞれのキャラクターを生かしたシーンを、歌とダンスで盛り上げています。
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たとえば、映画ではデカプリオがパイロットになって、ブロンドのスチュワーデスに囲まれて、
ニューヨークのパンナムのターミナルを颯爽と歩くシーンがあるでしょう?


このセクシーなスチュワーデスが全員ダンサーで、見事なラインダンスを踊ったり、
時にはセクシーな看護婦になって歌ったり、とても華やか。
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そしてフランク役のアーロン・トゥベイット        
トニー賞のベストアクターにもノミネート、若手ミュージカルアクターのナンバーワン、
レオ様というよりジャスティン・ティンバーレイク風?
アイドルっぽいルックスではまり役。
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歌も踊りも演技もうまくて、これから期待できそう。
彼だけでなく、キャストがすごい!
カール役のノーバート・レオ・バッツは、ちょっとクセのある役をやらせたらピカいち、
既にトニー賞も受賞しています。
他にも実力派の俳優ぞろいで、ダンスも歌も素晴しい!
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満員のお客さんは、若者からお年寄りまで幅広く、
最後にはスタンディングオベーションになりました。
劇場から出て来たばかりの彼らの感想、聞いてみました。

まずニューヨーカーのマダム二人。
「すごく良かったわ、とってもチャーミングだった」
次は中学生の女の子、
「主役のフランクが色々なコスチュームに早変わりして、FBIを翻弄していくのが面白かった」
高校生の3人組、
「とてもよかった、ストーリーもわかりやすくて、
いつもこういう舞台って眠くなっちゃうんだけど、今日は最後まで目がパッチリ冴えたわ。」
「演技がすごくよかったよ。キャスティングもはまり役ばかりで、とてもリアルだった。」
「映画を見てたから、どんな舞台になるのかなーと思っていたけど、とてもよかったわ。
特にダンスの振付けが最高だった」

彼らの興奮、伝わりました?

とにかくニューヨークに来たら時期に関係なく、
ぜひぜひ生ブロードウェイを見る事をお勧めします。

ここは文句無し、世界一のライブを見せてくれる場所です。
まずパフォーマーがすごい。
激しい競争と、世界の評論家やファンの厳しーい視線にさらされているからですね。
彼らを見るだけで「うわーすごい」と感動できるし、
何度行っても、毎回「うわーっ」と思える。

だからブロードウェイを見に行くというのは、ニューヨーカーにとっても
特別なことなんです。

その中でも、CATCH ME IF YOU CANは大おすすめなのは、
ストーリーを知ってるから英語がわからなくても楽しめる。
(特に日本から旅行で来ると、時差ぼけでちょうど夜のこの時間に睡魔が襲ってくる。
そういう時にわかりにくいものをみると、さっきの女の子じゃないけど、
本当に寝てしまったりします)

その点、この作品はダンスも派手でいかにもブロードウェイ・ミュージカルらしい作品だから、
初心者にも安心しておすすめできる。
ニール・サイモンシアターで月曜日以外の毎日上演中です。

ところでブロードウェイミュージカルといえば、「スパイダーマン」覚えてます?
70億円もかけて、ライオンキングのジュリー・テイモアが演出、
U2のボノとエッジが音楽という史上最高のミュージカルになるはずが、
オープニングが何度も延期になり、プレビューが始まったらセットの故障でケガ人が続出、
いったい本公演は実現するのか、というレポートを今年の始め頃しました。

「その時に3月に本公演」とお伝えしましたが、
その日が来ても、結局オープンしなかったんですね。

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しかも、ジュリー・テイモアが演出をおりてしまいました。
そんなこんなでプレビュー公演も4/18から3週間おやすみして、
12日木曜日から再開。本公演は6/14〜今度こそオープンできるか!?
作品以上にドラマがすごそう、ですが、
そんなわけでスパイダーマンは今年のトニー賞の選考の対象にはなりませんでした。

さあ今日ご紹介したCATCH ME IF YOU CANが
最有力のBOOK OF MORMONに対してどれだけ健闘するのか?

また、主役の(ジャスティン似?の)アーロン・トゥベイットは、主演男優賞をとれるのか、
結果はトニー賞の授賞式、6/12の後の番組でお伝えします。


佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers