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5/5(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

NYも5月になりました!

先週末ブルックリン植物園では、「SAKURA MATSURI」が盛大に行われました。
以前もお伝えしたことのある満開の八重桜の下で、
お茶会やお琴の演奏があると思えば、そのまわりをサムライとゴスロリ、
そしてコスプレキッズがあふれるという、不思議なイベント、でした。

そしてこちらの日曜日の夜遅くの、オバマ大統領の演説。
ウサマ・ビン・ラディンの一件で、ニューヨークは警備が厳しくなっています。
報復攻撃の情報はないが念には念を入れて。。。ということで、
特にターミナル駅にはいつもより警官の姿が多く、 爆発物探知犬も出ています。
ランダムなバッグのチェックも、いつもより厳しくなっていますが、
街は普段と変わりない雰囲気。

日本ではお祭り騒ぎのアメリカ人の様子が伝えられたと思いますが、
大半のニューヨーカーにとっては、祝うというよりは、
当時の事を振り返って複雑な信教というのが本音。。。
今年は911から10年、関連の話題はまた次の機会にお伝えします。。。

今日のテーマは「ジャパン」です。

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Takeshi Kanno picture by Masa Sono

先週は「タイム誌世界の100人」に選ばれた、
宮城県南三陸町の医師、菅野武さんのインタビューをお届けしましたが、
ニューヨークにはSAKURA MATSURIがあったり、おスシも人気だけど、
いったいどんな日本人がいるんだろう? そして有名なんだろう? 

実は、ニューヨークで知られている日本人は、意外と日本では知られていない人だったりします。

今日のテーマは、「NYの日本人」

その前に、ニューヨークという場所、人種のるつぼと言われているのはご存知ですね。
世界のあらゆる人種、国籍、宗教の人が集まっている、
結果、
誰もがみんな知ってる有名人というのは、大統領とかハリウッドスターとか、
しょっちゅうメディアに出ている人に限られてきます。

そんな中で、誰もが知っている日本人といえば、この人しかいません。
「オノ・ヨーコ」さん。

もちろん、あのジョン・レノンのワイフ、ということですが。
かつてはビートルズの解散の原因になった女、とスキャンダルの標的になりましたが、
ジョンが亡くなった後は、ジョンのメッセージを引き継いで、
さまざまな活動をしてきたのは、日本のみなさんはよくご存知ですよね。

亡くなって30年以上たったのに、ジョンの存在感が少しも薄れないのは、
ヨーコさんの存在があるからだ、ということはニューヨーカーが一番よくわかっています。

さあそしてヨーコさんの次は。。。かなり違うジャンルですが、この人です。
HIDEKI MATSUI
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ニューヨークを離れて1年以上になりますが、ヤンキースを優勝に導いたゴジラは、
未だにニューヨークの伝説的存在です。

さあ松井さんの次は誰?

ニューヨーカー誰でも知っている、とはいきませんが、
そのジャンルの中ではかなり知られている日本人をあげてみましょう。

まずは クラシック界では小澤征爾さん、そしてバイオリン五島みどりさん
坂本龍一さん、前衛的な音楽が好きな人にはたまらない存在
ジャズピアニスト、アキヨシ・トシコさんと上原ヒロミさん、

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Toshiko Akiyoshi photo by Kosuke Furukawa

作家の村上春樹さん、海外小説が好きなインテリの間ではよく知られています。
芸術家の村上隆さん、アート界ではもう巨匠。
宮崎駿さんはアニメファンの神様

全体的に見て、かなりインテリジェントでアーティスティックなカテゴリーで
知られている人が多い気がします。

だからこの人が出て来たときは、かなり意外な感じがしました。

暖かい季節がやってきて、そろそろ夏のことを考え始める時期、
ニューヨーカーがふと思い出す日本人、それがタケル・コバヤシ
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ニューヨークの独立記念日の風物詩、全米でテレビ中継されるホットドック早食い
コンテスト連覇。

巨体のアメリカ人の隣で、やせて小柄で、
パンクロッカーのような金髪の小林君の食べっぷり、とにかくアメリカ人をびっくりしました。
これぞサムライ!と思ったんですね。

アメリカ人にとってのホットドッグというのは、 夏のアウトドアの食べ物。
日本人にとってのヤキソバとかタコヤキみたいなもの。
名前を忘れちゃっても、「ああ、あの早食いの日本人」と思い出す、
コバヤシ君はニューヨークの夏の都市伝説になっているんです。


後半は、日本ではほとんど誰も知らないけれど、
ニューヨークではかなり知られている日系人を紹介します。

ちなみに日本人、日系人ってアメリカ、そしてニューヨークにどのくらいいるんでしょう?
まずアジア人、全米で4.8% 
日本人はアジア系の中では6位の人口で、全米の0.3%120万人

一番多く住んでいるのはカリフォルニアでおよそ40万人、ハワイ30万人、
ニューヨークの周辺のメトロエリアには、
駐在や留学生も含め10万人いると見られています。

そんな日本人がアメリカへの移民が始ったのは19世紀後半、
第二次大戦では日本がアメリカの敵となったため、強制収容所に入れられた歴史があります。
日系人はアメリカ社会にさまざまな貢献をしてきました。
その一つは西海岸の農業に、優れた灌漑設備をもたらしたこと。
また、1959年ハワイがアメリカの州になると、多くの日系人政治家が出ました。
例えば現在、アメリカ上院仮議長のダニエル井上、
オバマ政権の閣僚で退役軍人長官のエリック・シンセキ

科学者、ノーベル賞をとったシカゴ大学の南部洋一郎さんが日本では有名ですが、

ニューヨークでだんぜん知られているのは、理論物理学者のカク・ミチオさん
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ニューヨーク市立大学の教授で、
ナショナル・ジオグラフィックのテレビ番組によく出て来る、エネルギッシュなサイエンティスト。
真っ白なロンゲ頭をふりながらしゃべる、キャラの立ったトークでおなじみ。
最近は、日本の原発問題を受けて、セレブリティが出るトークショーにも登場し、
日本の現状をわかりやすく解説するなど、ますますおなじみになってきました。

みんな見てるテレビのモーニングショーのキャスターも日系人。
NBCのNYスタジオから全米生中継のTODAY SHOWのキャスター、アン・カーリー
お母さんが日本人。

東日本大震災の直後には日本に取材におもむき、
宮城県南三陸町で行方不明になっていた、
アメリカ人の英語の先生と家族との再会を助けて話題になりました。

最後に、ニューヨークで知られている日本人、きわめつけはこのひとです。

ニューヨークタイムスに執筆、アメリカの文壇に最も影響力があり、
泣く子も黙る文芸評論家といえば、ミチコ・カクタニ
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ピュリツァー賞受賞、
ミチコ・カクタニといえば、ほめる時はほめまくる、けなすときはけなしまくる。
そして、貶すことの方がずっと多い鬼評論家。
また業界の掟を破って「ハリー・ポッター」のネタばらしをしたことで大騒ぎになったことも。
相手がベストセラー作家だろうが超大御所だろうが、抗議されても相手にしない。
その貶し方があまりにインテリジェントで面白いため、もう20年以上業界のトップにいる。

あの「SEX & THE CITY」の中でも、主人公でライターのキャリーが
ミチコ・カクタニのキビシイ書評を気にしまくるという場面が出て来る。

これほど有名なのに、本人の姿を見た事がある人はほとんどいない。
インタビューにも応えないし写真も取らせない、出版パーティなどにも一切出て来ない。
知られているのは1955年生まれでイエール大学卒業の才女ということだけですが、
1枚だけ世の中に出回っている写真は、何と言うか才媛な雰囲気。

まさにアンタッチャブル、ミステリアスな日本女性が最も有名、というのも
日本的といえば日本的なのかも?


佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers