今日はバレエの本場ロシア、そしてクラシックバレエの最高峰もいわれるボリショイバレエ団で(旧ソ連を除いて)唯一の外国人ソリストとして活躍されている岩田守弘さんのレポートです。
身長166cmと小柄ながら卓越した技術力を誇り、道化や悪魔などの個性的な役のスペシャリスト 振付家としてもご活躍中です。
現地ロシア・モスクワの気候、お天気はいかがですか?
だんだん暖かくなってきましたが、今日はちょっと寒いかもしれません。
5月でも雪が降る事もあります。
■お父様もバレエダンサーだった岩田さん ロシアのバレエを選んだ理由、ロシアに渡られた経緯について伺いました。
19歳からロシアに留学。
以前は他のバレエ団に所属していました。
そして、子供が生まれることになり、モスクワに拠点を置こうと考え、今のバレエ団に所属しています。
ボリショイバレエで凄いのは伝統!!
口でこの伝統を伝えていくのが凄かったです。
映像では教えきれないところ、バレエの歴史、民族の歴史とかをきちんと説明してくれます。
「ロシアのバレエは、ただのエンタテインメントでも、ただ長く続いている伝統芸能でもなく、『国の顔』なんです」
■岩田さんがロシアに渡られたのは、旧ソ連が崩壊へと向かった動乱期 ボリショイは、閉ざされた伝統の世界で、まったく外国人を受け入れていなかった時代でした・・・逆境を乗り越え、道を切り開いてきた岩田さんを、支えてくれたものは?
1990年にロシアに渡りました。
そのときはまだソビエト連邦に時代で、今のモスクワも便利になっているところもありますが、当時は物資も少なく苦労しました。
ロシア人は日本人の事を尊敬しているんです!!
ロシア人は日本人の技術など製品、歴史、精神面などの伝統的なものを尊敬しています。
■岩田さんが所属するボリショイバレエ団は外国人の方が少ない。苦労された所は?
外国人が今は3人所属しています。
僕は通常とはちょっと違った仕事なので、ロシア人と変わらないと思います。
通常の仕事をする面ではちょっと大変かもしれません。
■岩田さんは主役の王子役ではなくて、「道化」や「悪魔」などの個性的な役「キャラクター・ダンス」のスペシャリストとして、定評があるそうですが、
他の役も持っているのですが、道化などの方がしっくりくるのかもしれません。
きちんとした役がきちんとあるものが凄く好きなんです。
通常の演技と違う所は、役が何をお客さんに伝えたいかが問われる。
そういう所が約作りとして面白い。
7月には日本でも公演があるので是非観てください。
■岩田さんから復興に向けて頑張る日本へ、応援メッセージをいただきました。
自分の事のように心配してくれます。ロシアの日本大使館には毎日花が贈られ、チャリティーコンサートなども行われています。
岩田守弘さんプロフィール
ブログはこちら
http://ibashika.exblog.jp/
横浜生まれ。岩田バレエスクールで父の岩田高一に師事する。
1990年にロシア国立モスクワアカデミー舞踊学校に留学(アレクサンドル・ボンダレンコに師事)、'91~95年にヴャチェスラフ・ゴルデーエフの国立ロシア・バレエ団でソリストを務めた。'91年にジャクソン国際バレエ・コンクールでジュニア部門第3位、'92年にペルミの「アラベスク」バレエ・コンクールでグランプリおよびミハイル・バリシニコフ賞、'93年にモスクワ国際バレエ・コンクール第1位金賞、2000年にグルジアのバランシン記念国際バレエ・コンクールでグランプリおよび振付賞を受賞している。'92年にGITIS(ロシア国立舞台芸術学院、現ロシア舞台芸術アカデミー)に入学。1995年にボリショイ・バレエの研修生となり、翌年ソリストに昇格した。
主にキャラクター役をレパートリーとし、振付家としても活躍する。
<略歴>
9歳から岩田バレエスクール(父 岩田高一主宰)でバレエを始める。
1981年 東京新聞主催全国舞踊コンクール入賞
1987年 (社)日本バレエ協会主催 第6回全日本バレエ・コンクール第1位、文部大臣賞、東京都知事賞、東京新聞社賞、IBM賞 受賞
1988年 ソビエトバレエインスティテュートに入学
1989年 ローザンヌ国際バレエ・コンクール(東京開催)ファイナリスト
1990年 ロシア国立モスクワアカデミー舞踊学校留学 アレクサンドル・ボンダレンコ師事
1991年 ジャクソン国際バレエ・コンクール ジュニア部門第3位(銅賞)受賞
(社)日本バレエ協会主催夏季定期公演にて最優秀賞受賞
国立ロシア・バレエ団入団
1992年 全ロシア「アラベスク」バレエ・コンクール(ペルミ市)でグランプリ賞
併せて、ミハイル-バリシニコフ賞受賞
国立劇場芸術大学(ギィティス)入学
1993年 第7回国際バレエ・コンクール(モスクワ)金賞受賞
1995年 ロシア国立ボリショイ劇場バレエ団 研修生
1996年 ロシア国立ボリショイ劇場バレエ団 ソリスト
1997年 村松賞受賞
1998年 ダンスマガジン新人賞受賞
2000年 バランシンーチャブキアーニ記念バレエフェスティバル グランプリ及び振付賞 受賞
国立劇場芸術大学(ギィティス)教師科卒業 エブゲーニ・ヴァルーキン師事
2008年 第2回国際バレエ・コンクール <ユーリー・グリゴロービッチ>振付賞受賞
2011年 第7回セルジュ、リファーリ記念国際バレエコンクール(ウクライナ、ドネッツク)振付け部門第3位 受賞