12月最初のレポート
ニューヨークはロックフェラーセンターの巨大クリスマスツリー
昨日点灯されました。
そして今日、つい4時間ほど前、ロサンゼルスでは、
第53回グラミー賞のノミネートが発表されました。
最多ノミネートは、10部門のエミネム、続いて7部門ブルーノ・マーズ、
さらに6部門LADY GAGA, JAY-Zと続いています。
ベストアルバム賞エミネムとガガ、ケイティー・ペリーの3つどもえの戦いに注目!
また今年からノミネーションがコンサート形式になりました。
ジャスティン・ビーバー、ケイティ・ペリーのライブが全米に生中継されました。
賞の発表と授賞式は来年2月13日です。
まさに今年も終わりに近づいていますが。。。
今年は日本からもたくさんのアーティストたちがニューヨークにやってきました。
この番組でもたくさんご紹介しましたね。
チャットモンチー、古内東子さん,PUFFY,BOOM BOOM SATELLITESのインタビュー、
他にもVAMPS, X-JAPAN, MIYABI などビジュアル系のスターたち
先々週はJIN AKANISHIのライブもありました。
2010年はこれまでで一番多くの、それもビッグネームのアーティストが
ニューヨークにやってきた年だったと思います。
それも、これまでは「初ニューヨーク」の場合がほとんどでしたが、
2回目とか3回目というケース増えてきています。これはすごいこと!
なぜかというと、
ニューヨークのお客さんは1回見て「つまらない」と思ったら二度と見に来ない、
厳しいお客さんだからです。
元JUDY & MARYのバンシーがリーダー。
作家でも映画監督でもある辻仁成さんがボーカルのバンド、ZAMZAは、
去年初NY。今年10月NY含め東海岸ツアーの形で戻ってきました。
アメリカ中からバンドが200以上集まるCMJミュージックマラソンにも参加。
辻さん、去年と今年で手応え違いましたか?
>辻<ZAMZA違いましたね、去年は用意されたライブでしたが、
今回は地元のイーストビレッジのロックファンの中に入れたし、
その連中が「知らない、このバンド」という中で見ていて最後は熱狂してくれたので、それはものすごく大きかった、人生の節目になりましたね。>
>バンシー<やっぱり去年があったから今回、今回があるから次、
一つも階段を踏み外したらいけない、その階段を2段上がれたのかなと思う。>
階段を一歩一歩上がらなければ、というバンシーさん。
それだけアメリカでやるって大変だということですね。
>辻<アメリカでやるって壁があるんですよ。言語の違い、文化の違い。
簡単に日本から日本の音楽を持って来ても、はいそうですか、と
受け入れてもらえない。
だから前回学んだ事が今回反映できて。>
その前回学んだこととは?
>辻<アメリカ人って嫌いだとぱっと帰っちゃう。
最後までいさせるためには、一秒も飽きさせない、
最初必ず腕組みしてみてるんですよ、1曲目上がってくと。
でももう俺たちも慣れたから関係ないよぶざけるなよ、と思って歌ってると、
1曲目終わるとみんな手がこう上がってるの。わーっとなってて、
3曲目ではもう踊ってるの。それはすごいね>
>バンシー<1曲終わるごとに歓声が大きくなっていくから、
楽しんでくれてるのかなーって。>
>辻<もう最後はコブシになって。それがすごく気持ちがいい、
やったージャパニーズロック!みたいな>
>バンシー<夢のようですよ本当に、本当かなーって>
>辻 <ごほうびだったみたいよ、俺たちが音楽やってきた中の。昨日はね。>
ご褒美だった、というライブ。
ニューヨークのお客さん、厳しいけれど、先入観ゼロで聞いてくれて、
気に入ればとことんファンになってくれるいい素晴らしい音楽ファンなんです。
そしてリーダーのバンシーさんは今の思いをこんなふうに語ってくれました。
>バンシー<日本に住んでるから、アメリカ人が作る音楽は絶対無理だと思った。
だから日本に帰って日本で音楽やってる時は日本人としての音楽を確立しないと
だめだと思って、それはできたと。
でそれを持って、自分を奮い立たせてくれたアメリカとか世界で活動したいと思う。
そこでアメリカ人と同じようにやってもだめ、自分たち日本人、
アジア人としての視点とか好みとかエッセンスで入れていくと、
アメリカ人とは違う、でもロックとは楽しいものができる、
それが理想なんだと思う。できている部分もあるし、
もっともっとふくらませて充実させていきたいと思う。
僕たちロックミュージシャンだし、できるだけゼロに近いところから
やりたいと思っているから、こうやってライブハウスでいちアマチュアのつもりで。
ゼロから始めないと、大切なものって伝わらないと思うんですよ。
だって昨日見てくれた人たちだって、日本で僕たちが
どんな活動しているか知らないわけで。
そういう人たちがライブ終わってから喜んで話しかけてくれる、
そういう手応えこそが真実と思うから。>
>辻 <自分たちにとっては、東京ドームや武道館が
いっぱいになるような得難いものが。
ここに住んでたらぜったいもっと増やせるよね。毎月やれればね、
でもちょっと遠いよね太平洋を渡らなければいけないから>
自分たちの事をまったく知らない観客の前での
ライブからの手応えこそが真実、というバンシーさん。
住んでいればもっと観客が増やせる、という手応えを感じたという辻さん、
来年春頃にはまた戻って来たい、という言葉を信じて待っています。
いつも新しくて刺激的な音楽ウェルカムな街ニューヨーク、
ZAMZAと同じように階段を一歩一歩昇っている日本のバンドやアーティストたち
来年はどんな人たちが来てくれるかとても楽しみです。
Photo by Takahiro Masuda/Crea Creations LLC
佐藤めぐみ ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers