« 【webラジオ】12月8日(水) イスラエル・エルサレム | メイン | 【Webラジオ】12月9日(木)アメリカ ニューヨーク »

12月8日(水)のフラワーリポーターは、イスラエルから現地に住んで30年、イスラエル政府公認ガイドをしていらっしゃる信夫兆平さんです。

●イスラエルについて

イスラエルは、ユダヤ人の国ですので、クリスマスの賑わいや飾りつけは、
ベツレヘムやナザレのアラブ・クリスチャンの街に限られ、
日本ではキリスト教聖地のイスラエルということで、
イスラエル全土がそのお祝いムード一色と思いがちですが、少々違います。
そのことをまず念頭に置いて下さい。
今年は世界的な地球温暖化のせいでしょうか、イスラエルは例年になくとくに暖かく、
雨季に入った10月以降全く雨が降っていません。
10月半ばから3月初旬頃までの雨季にしか雨が降らないイスラエルですから、
これは、大変危機的な状況です。11月に降雨量がゼロというのは、
過去半世紀なかったことだといいます。農業を中心に国民生活に大きな問題です。

15122009339.jpg
                          
                                
●エルサレムとは?
地中海から内陸部に入った標高800mの小高い丘の上に位置する。
ユダヤ人が住む西エルサレムとアラブ人居住区である東エルサレムから成り立つ。
西部についてはエルサレム地区に位置する一方で、
東部についてはパレスチナ自治政府も領有を主張し、
エルサレム県に含まれるとともにパレスチナ独立後の首都と規定している。
古代イスラエル・ユダ王国の首都で、エルサレム神殿がかつて存在した。
また、イエス・キリストが処刑された地でもあり、
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教共通の聖地となっている。
                    
15122009345.jpg
                        
                            
●東エルサレム?
ユダヤ教・イスラム教・キリスト教の聖地。旧市街(Old City)と呼ばれ、嘆きの壁、
聖墳墓教会、岩のドームといった各宗教ゆかりの施設を訪れる人々が絶えない。
嘆きの壁の上は神殿の丘と呼ばれる、かつてのエルサレム神殿の跡で、
ここにはイスラム教の聖地アル=アクサー・モスクやイスラーム建築の
傑作とされる岩のドームが建っている。
岩のドームにはムハンマドが旅立ったという伝説があり、
地下には最後の審判の日にすべての魂がここに集結してくるとされる
「魂の井戸」がある。旧市街は「エルサレムの旧市街とその城壁群」の名で
1981年に世界文化遺産に登録された。
西エルサレム 西側は新市街と呼ばれる近代的な都市で、ヘブライ大学、
イスラエル博物館、ハイテク工業団地や国会、各省庁などが立地する、
イスラエルの政治・文化の中心。
                 
24062010441.jpg
                         
                         
●役立つ一言!
「メリークリスマス!」
→ハグ ハ・モラッド サメアハ(ヘブライ語)という
           
%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%AC%E3%83%A0%E3%80%81%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E5%B1%B1%E3%81%8B%E3%82%89.jpg
                    
                      
●クリスマス前後の過ごし方
・クリスマス・シーズンがはじまったら、キリスト教徒の多い地域では、
12月上旬ごろから街中にいわゆるクリスマスのデコレーションやツリーが
見られるようになる。この時期はユダヤ教のハヌカ祭とも重なるため、
いろんな宗教の人が混在して住んでいる地域では、
宗教を超えたお祝いのイベントなどがもたれることもある。
                                
・クリスマス・イブ& クリスマス当日について
イスラエルのキリスト教人口は3%ほどですが、
それらの家庭では家族で教会で礼拝に参加するのが一般的。
普段通っている教会に行く場合もあるし、
ベツレヘムの生誕教会やナザレの受胎告知教会のように、
由緒ある教会まで出かけることもある。
                            
・イスラエル特有の飾り付け、食べ物、習慣など
イスラエルのキリスト教の半分近くを占める東方正教会では、
クリスマスは1月上旬に祝われるため、正教会の信徒は12月25日は平日として過ごす。
外国人にとっては、12月下旬にイスラエルに来ると、
1月上旬までクリスマスの雰囲気を楽しめることになる。
                              
イスラエル国民の8割はユダヤ教徒です。
ユダヤ教徒は12月はユダヤ教のハヌカのお祭りを行う。
その昔ユダヤの神殿が侵されたのを反乱を起こしてお宮を祓ったことを
お祝いするというもの。その時火を灯す油が1日分しかなかったのに
8日間燃え続けたことを讃えて、お祭りの期間中に燭台を用意して、
一日1本づつロウソクに火を灯していく。期間中は油で揚げたものを
食べる習慣があり「スフゲニア」というドーナツや
「ラトケス」というマッシュポテトを揚げた特別な食べ物をいただく。
                        
                      
●ハヌカの祭とは
                 
・いつ?
ユダヤ暦キスレブ(kislev)月の25日から8日間。
今年(2010年)は12月1日から(正確には11月30日の日没から)
                  
・なぜ?
紀元前164年、エルサレムの神殿から「ゼウス像」を取り去って、神殿を潔め、
ユダヤ人の独立を勝ち取ったから。
                    
・なぜ「ハヌカ」と言うのですか?
宮を潔めて奉献することをヘブライ語で「ハヌカ」と言うから。
                 
・誰がゼウスを?
シリアを支配していたセレウコス朝ギリシアが、
イスラエルもギリシア化(ヘレニズム化)をしようとして、ユダヤ教を禁止した。
                     
・どうして8日間?
ユダヤ人がギリシア軍をエルサレムから追放し、エルサレム神殿の宮を潔めた時、
神殿内に聖なる燭台用の特別なオリーブ油が1日分しか残っていなかったのに、
燭台の火が奇跡的に8日間も燃えたから。
                           
・どんな習慣がある?
祭の間毎夕、8日間燃えた火を記念してローソクに火を灯す。
                
・何を食べる?
油にちなんだもの。一般的には「スフガニヤ(揚げパン)」、
「レヴィヴァ(ポテト)」
                              
・歴史的な意味?
ヘレニズム文化に対抗した。ユダヤ教絶滅の危機を乗り越えた。