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3月22日(火)のフラワーレポーターはチリのサンディエゴにお住いの近藤元子さんです。

◆チリは、過去にマグニチュード8以上の大地震を2度も経験。去年2010年のチリ地震が起きた時、近藤さんはどちらにいらしたんでしょう?当時の状況はいかがでしたか?


震源に最も近いコンセプシオンとは、私の住むサンティアゴから飛行機で一時間くらい離れていますが、揺れは激しく、横に大きく揺すられるような感じでした。地鳴りのような音が恐ろしかったです。建物が崩れるのではないかと思うほどでした。


◆復興に向けて、どのような取り組みが行われたんでしょう?


地震後、すぐにチリ全土でチャリティーイベントが行われ、義援金の募金を募りました。あっという間に目標金額が集まりました。政府は復興対策として、まずは仮設住宅の建設を始めました。学生などのボランティアもよくがんばりました。


◆地震から一年経った現在の被災地の状況はいかがですか? 


仮設住宅の建設は政府の目標を達成できたようです。
ただ、復興支援が行き届いていない地域もあり、全ての地域が平等に立ち直ったとは言えないようです。
国全体で見た状況ですが、去年のチリ経済は大きく成長しました。
大地震が経済に与える影響が心配されたのですが、そんな災害があったとは思えないくらい好調な結果になりました。チリでもできたのですから、日本だってできると思います。


少し大げさでも、上に立つ人々が下の人たちを奮い立たせるような言動ができれば、復興のペースは速まると思います。やっぱりリーダーを見て、頑張ろうとか、あ、大丈夫なんだ、とか思うはずですから。


残念なことに、時間が経つにつれ、テレビなどのメディアで採り上げることが少なくなっています。
遠く離れたサンティアゴでは、それほど被害が少なかったことから、人々の生活も全く地震前とは変わらない状況に戻っているので、実感が薄れてきているのが現実です。テレビなどを始めとするメディアの力は重要です。メディアが伝えないと、人々の記憶から消えていってしまいます。状況が落ち着いてからが、本当の始まりだと思います。復興には本当に長い年月がかかります。支援しようと思ったならば、今だけでなく、続けて見守る姿勢が必要だと思います。


◆今回、日本で起きた大地震に対して、チリ方々は、どのように見ていますか?


日本同様の地震大国 チリの人々の地震や津波などの災害対策 意識 今回の東日本大震災の地元メディアの報道について。2010年2月末の地震と津波を経験したチリでは、災害バックのようなもの、つまり懐中電灯・ラジオなど、前回の教訓を踏まえ、必要なものを用意する意識が高まっています。沿岸地区では津波に備えた防災訓練、避難経路を明確にするなどの対策がとられています。今回の日本での大地震の後、チリに津波が来ることがわかったため、チリは大統領が2時間ごとに会見を開き、緊急対策本部による最新情報を国民に向けて発信し続けました。前回は政府が「津波の心配はない」と発表し、これが間違いであったことから被害が拡大したため、大げさと思われても慎重な対応を取ったようです。私が知る限り、結果として水は押し寄せたものの、人的被害はなかったようです。


現在のチリメディアの関心は、原発です。チリでも供給電力について原子力のオプションを考えていますが、同じ地震国として、日本での今回の原発の問題における対応に注目していると見られます。
既に一部では原発反対運動も起きています。