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12月21日(火)のフラワーレポーターは、イギリス・ロンドンに住んで12年、現地で日本語の先生をされていらっしゃる、ノイハウス聖子さんです。

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12月のある夕刻、ロンドンの中心地にあるリージェントストリートを歩いてみました。
ここは、私がロンドンで一番美しいと思う「通り」です。
重厚な石造りの建物がゆるやかに大きな弧を描いて続いています。
今年のクリスマスイルミネーションは通りを屋根のようにまたいで覆う巨大な青い星です。
この青い星がいくつも通りの頭上に続いています。
この通りはロンドンのおへそ「ピカデリーサーカス」から
最近渋谷をまねて造ったスクランブル交差点で話題になった
「オックスフォードサーカス」までの全長1.6kmの道です。
高級店が並ぶロンドン随一のショッピング通りです。
それぞれ工夫を凝らしたウィンドーの季節感あふれるディスプレーが、
クリスマスの雰囲気を大いに盛り上げます。
 この季節、ロンドンの日暮れは早く、16時前。
クリスマスを控えた人々は、家族や友人のためのプレゼントの調達に大忙しです。
プレゼントは、必ずしも高価なものである必要はありませんが、
大切な人の数だけプレゼントを用意することになりますから大変です。
 この日のリージェントストリートも買い物の袋を手にした人でいっぱいでした。
人ごみの中を歩いてみて、一つ面白いことに気がつきました。
薄闇の賑わう人ごみから聞こえてくるその実に様々な国の言葉です。
私が使えるのは日本語、英語、ドイツ語、そして中国語ですが、
聞き分けるだけならもっといくつもの言語を挙げることができます。
この通りを歩く人々がいかに多くの国からやって来ているかがあらためてよくわかりました。
とりわけ、この12月の人ごみには、この国際都市ロンドンの雰囲気が
いっぱいに満ち溢れているという感じがしました。                          
                     

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                                           今年のロンドン界隈の公立学校は12月18日から1月3日くらいまでが冬休みです。
イギリスの学校では、11月の終りから12月初めの土曜日に
クリスマスフェアが開催されます。ここでは子供達や保護者が協力して作った
クリスマスのお菓子やカード、飾りなどが一般の人達に売り出されます。
この収益は、学校の運営資金の一部にされ子供達のために使われたり、
しかるべきチャリティー団体に寄付されたりして使われます。
 私の教えている日本語クラスでは、折り紙でサンタクロースをつけた
クリスマスカードを作りました。この写真のクラスは8人
(この日は4人が所用と病欠で欠席)でこの11月にスタートしたばかりですが、
子供達はなんとかひらがなが上手にかけるようになりました。
カタカナはまだ習っていないので、今年の「メリークリスマス」はひらがなで書きました。
                        
                       
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 クリスマスのロンドンの風物詩といえば、トラファルガースクエアーの高さ20メートルの
大きなクリスマスツリーや、クリスマスの日に食される七面鳥のお料理、
ミンスパイ、クリスマスプディング、そしてクリスマスの後に控えたクリスマスセールなどを
思い浮かべる方が多いと思いますが、私から、
無名のでも本当に美しいクリスマスデコレーションをご紹介します。
 すべての家というわけではありませんが、たくさんの家の外側に、
この季節美しい個性あふれる電飾が登場します。考えてみると、
「外側を飾る」ということは、自分のためというより、
道を行く「誰かのために」飾っていると言う気がします。
そう、この季節多くの募金活動が行われるのも、この「誰かのために」の発想なのです。
 クリスマスで何より美しいのは、どんな飾りやご馳走よりも、
この人々の心に宿る「誰かのために」の温かい気持ちなのではないかと私は思います。
                       
                        
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いろいろな方からいただいたクリスマスカード。
背景に移っているのは我が家のクリスマスツリー。
Eメールが普及した今では、クリスマスの挨拶をメールでする人も増えましたが、
それでも紙のカードはここイギリスではまだまだ廃れることはなさそうです。
18世紀に鉄道システムが完成した時から始まったという歴史ある
イギリスのクリスマスの習慣ですから。近所の人や毎日会っている人には
直接手渡しでもOKです。私など、顔を見るのなら直接「よいクリスマスを」と口で
言ってしまって済ませてもよいのではなどと考えてしまいますが、
それはイギリス流ではないようです。
                     
                      
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全部冷凍ターキーです。クリスマス前のとあるスーパーにて。
                     
                     
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クリスマスを前に売り切れ寸前のクリスマスプディングの棚。これも、とあるスーパーにて。
                   
                      
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ロンドンは地理的には日本より北にあるにもかかわらず、
メキシコ暖流と偏西風の影響でそれほど寒くはありません。
感覚的には東京とさほど変わらない感じです。ところが、
この冬は12月に入って何度も大雪になり、ロンドンは真っ白に雪化粧。
珍しいことです。この写真はロンドン郊外のテムズ川沿いの風景です。
                          
                          
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ロンドンのクリスマスの時期の風物詩の一つは、
あちこちに突如作られる季節限定の野外アイススケート場です。
この写真は私の住んでいるところから近いハンプトンコート宮殿の前庭に造られた
スケートリンクです。人気があるので事前予約が必要です。
小一時間滑ってスケート靴込みで料金は日本円にして1500円くらい。
ライトアップされた王様ヘンリー8世の離宮を見ながらのスケートですから、
考えようによってはこれでも安いかも。
ほかにも、宝石のティファニーが主催するかつての貴族の館サマセットハウスの
スケートリンクや、今年できて十周年の大観覧車ロンドンアイの前につくられた
スケートリンク、かつての処刑場&牢獄であったロンドン塔前のリンク、
はたまた自然史博物館前のリンクなど、クリスマスのライトアップを楽しみながら
魅力的なロンドンの見所を網羅する贅沢な、季節限定のロンドン名物です。
                
                  
                       
恋人とか家族だけでなく、もっと大きく、
世界の誰かを想うそんなクリスマスを迎えられたらすてきですね。
                         
それではロンドンより
Cheers