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12/23(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

明日はクリスマス・イブ!!
ラストミニット・ショッピングです!

世界最大の売り場面積を誇るデパート、MACY’Sは、
クリスマス・イブまで3日間24時間オープン!!

今午前2時ですが、これから行けばお買い物OK
サブウェイも常に24時間走っている街、CITY NEVER SLEEPSだからこそ。

それにしてもなぜこんなに必死にギフトショッピングするのか?
家族や親戚みんなに、一人で10個も20個も30個も買うから、というお話、
毎週のようにしてきましたが。
じゃあなぜ、こんなに一生懸命プレゼントするのか?

そのヒントは、あの有名なロックフェラーセンターのクリスマスツリーにあるんです。

今日は世界で一番有名なロックフェラーのツリーが世界に発信している、
本当のクリスマスのメッセージとは?
ニューヨーカーといっしょにレポートします。

イエローキャブや買い物客であふれる5番街に面して、
ロックフェラーの広場に続く、キラキラ輝くプロムナードがあります。
光の天使のオブジェが両側を囲むように並んでいるプロムナード、
その向うにキラキラした宝石のように見えているのが、
あのロックフェラーセンターのクリスマスツリーです。
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ここからだとまだ小さいんですが、プロムナードを歩いていくと、
どんどん大きくなって近づいて来て、ものすごくワクワクしてきます。
子供達大人もみんなで記念写真をとったり、すごくはしゃいでいます。
今年のツリーは高さ22メートル、色とりどりの豆電球の数は3万個 
てっぺんにはスワロフスキーのクリスタルの星がもうまぶしいくらいです。
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ところで今「今年のツリー」と言う言い方をしましたが、
もちろん生の木だから毎年違う木なわけです。でもそれだけじゃありません。
この巨大ツリーは植木屋さんから買って来るわけではないんです。
じゃあどうやってここにやって来たのかというと?
毎年ロックフェラーセンターの職員が1年かけて、
ニューヨーク周辺の森を文字通りヘリで飛び回って、ふさわしい木を探します。

その木はたいてい誰かの家の庭に立っているから、その家族と交渉。
家族にすれば、長年かけて大きくなった家族の一員のような木が
ロックフェラーセンターのツリーになるというのは、
寂しくもあり大きな名誉でもあります。
今年のツリーはNorway Spruce(オウシュウトウヒ)で、
ニューヨーク州北部のピーター・アクトンさんの庭にあったもの。
彼は911の救護隊員だった事でも話題になりました。

そして、最終的にはこのツリーは売り買いするのではなく、寄付されるんです。

実はロックフェラーのツリーは、木の持ち主、そしてこの木を育んだ森からの、
ニューヨークの街への「クリスマスプレゼント」だったんです。

そして、このツリーが愛される理由はもうひとつあります。
ロックフェラーセンターに初めてクリスマスツリーが立ったのは、
大恐慌の爪痕が残る1931年、
その頃はまだ建設現場で、
クリスマスイブに作業員が未来への希望をこめてツリーを立てたのが始まり。
最初のツリーはずっと小さく(6メートル)飾りつけもブリキの缶だったそうです。
大変な時代に人々はこれをいっしょに見て、未来への希望を分かち合ったんですよね。

ロックフェラーのツリーは、見る人の心をつなげるツリー
そういう意味では世界中すべての人へのプレゼント。

そして、そのプレゼントは、ただもらうモノではなく、
あげたい、という気持ちや、相手の事を考えながら一生懸命選ぶ喜びや、
その気持ちを分かち合う、心と心をつなげるモノ。

当たり前のようで、普段は忘れているこんな事を、
ロックフェラーのツリーは世界に発信しているんです。
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そして、このプレゼントはもらうより、あげる方がもっと大事。
と考えるニューヨーカーのクリスマススピリットの話、後半に続きます。

ニューヨークのこのシーズン、どこに行ってもサンタのソリの鈴のような、
リンリンリンという音が聞こえています。

これはサルベーションアーミーの募金運動で、
この時期ボランティアが街中に立っています。
恵まれない人たちにもクリスマスを少しでも暖かく、幸せに過ごしてほしい、
特に子供達、ニューヨークは実に5人に一人の子供達が貧困ライン以下で暮らしています。プレゼントをもらえない子供達も少なくありません。
そんな子供達におもちゃや服をプレゼントするチャリティがたくさんあります。
街中のショップ、銀行やショッピングモールなどではトイドライブ、
といってラッピングされたおもちゃの寄付をつのっています。
おもちゃを寄付すると、フリーコーヒーをくれるカフェもあります。

こうした中でも一番歴史が古く有名なのは、
郵便局がやっているオペレーションサンタ。
もう100年近く続いています。
まず子供たちがサンタさんへ手紙を書きます。
「サンタさん、今年のクリスマスにはバービー人形をください」
「うちのCDプレイヤーが壊れてかわりのを買えません。
サンタさんどうかCDプレイヤーをください」なんていう手紙。
宛先は、「SANTA」とか「NORTH POLE」で住所なしで送ってOK

それを受け取った郵便局で、一般の人がレターを閲覧できるようになっていて、
その子供達にバービー人形やCDプレイヤーを送ってあげるんです。

今では毎年全米の郵便局に50万通ものサンタあての手紙が届くそうです。

まだまだ不況から抜け出せない今、こうしたチャリティ今年は
ちょっと苦戦しているようです。
それでも高いプレゼントを無理して買うよりも、こうしたチャリティに参加する方が
クリスマスらしい気持ちになれる、というニューヨーカーもたくさんいます。

クリスマスは、与える、シェアする、”GIVE”  がクリスマスの本当のスピリット。
そこで”GIVE”するものはやっぱり、”LOVE”

そして、MEERRY CHRISTMAS. HAPPY HOLIDAYSと声をかけあうのも、
そういう気持ちを一人でも多くの人とシェアするための、言葉のプレゼントなんです。


ツリーを守るおもちゃの兵隊もライトアップ
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ロックフェラーのビジネス街の定番オブジェの前で記念撮影
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サルベーションアーミーの募金隊は音楽にあわせて踊りながら鈴を振ってます。
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募金サンタ(なぜかヤンキースのマークつき)さんはくつ下が募金箱がわり。
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ミッキー&ミニーも募金運動中
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世界最大の売り場面積を誇るデパート、メイシーズのデコレーションは建物がそのまま光のツリーのよう
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ショーウィンドーはクリスマスのストーリーが展開中

私のもうひとつのお気に入りツリーは、ブライアントパークのブルーツリー
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佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers