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9月2日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

9月になりましたが、すごい残暑が来ています。
今日も最高気温32度まで上がりました。(深夜3時で28度)

その理由は、大西洋を北上中の大型ハリケーン・アールの影響なんですね。
ニューヨークにハリケーンが来るのは珍しいのですが、
金曜日には沿岸部が、高波や高潮の影響を受けそうです。
もちろんマンハッタンもにわか雨や強い風が吹きそうです。

特にお天気を心配しているのは、この日のテニスのチケットを持っているニューヨーカーと選手たち。

そう、今週月曜日からはニューヨークに夏の終わりと秋の訪れを告げるイベント
USオープンテニスがスタートしているんですね。

もちろん、世界のグランドスラム4大大会、オーストラリア・オープン、
ウィンブルドン、フレンチ・オープンに続く、1年で最後のトーナメント。

会場は、ニューヨークメッツの本拠地のシティフィールドの真向かい、
ビリー・ジーン・キング・ナショナルテニスセンター。

このUSオープン、ただのテニス大会というより、テニスのお祭りという雰囲気。
もちろんシャラポワとかナダルとか、選手というよりテニスセレブですよね。
決勝が近くなると、観客席にもセレブが目立ち始めます。

そして日本人選手も活躍!
KIMIKO DATE シングルス残念ながら1回戦で敗退(ダブルスでは2回戦)
KEI NISHIKORIくんは、1回戦を突破!

1回戦? とナメてはいけません。
グランドスラム大会だから出られるだけでスゴイ!
しかも優勝までは
1st round, 2nd round, 3rd round, 4th round, quarter final, semi, final
世界の強豪相手に、2週間に7回も勝たなければなりません!
もちろん体調が悪い日だってあるし、今日みたいにものすごく暑かったり
ハリケーンだって来るから大変。

でも世間の注目が一気に集まるのは、やはり4th roundあたりから。
16強に入ればもう名実共に世界のトップ選手です。

NISHIKORIくんは2008年、USオープンデビューの年に、
この4th roundまで行きました。これは日本人としては71年ぶりの快挙。
しかも優勝候補を破っての準々決勝進出で、メディアも注目しました。
去年はケガで出場しませんでしたが、今年は期待できそうです!

ニューヨーク時間の明日木曜朝11時から
2回戦のゲームです!  NISHIKORIくんがんばれ!

そして来週からはやはりこの時期恒例の、ニューヨークファッションウィーク。

そして、来週水曜日からは学校も新学年 BACK TO SCHOOL!

先週お伝えしたとおり、テレビの新番組も9月の終わり頃から続々スタート

華やかで忙しい季節の幕開け

そして、この日もまたやってきます、911、もう9年たちます。

今日はこの後、911を前にニューヨーク、全米を巻き込んでいる
ある「論争」をレポートしたいと思います。


今年は911から9年、

10周年という節目まであと1年というところに来て、
新たに911というものをもう一度見直さなければならないような
論争が持ち上がっています。

日本でも報道されているかもしれませんが、
グラウンドゼロの近所に、モスクを作る計画がもちあがり、
それが市民の気持ちに火をつけてしまいました。

13階建てのモスク&コミュニティセンターの建設がOKかどうか、
7月頃から賛否両論が巻き起こっていましたが、
8月始めブルームバーグ市長が「どんな宗教にも平等の権利がある」と建設をサポート発言。
さらに14日土曜日、今度はオバマ大統領が同様の発言をした途端に火に油を注いだように
事態が紛糾。
国をあげての大論争になっています。

実際、 ニューヨーカーがどう考えているのか、
現時点の調査では、ニューヨーカーの7割が、
「信教の自由は大切だが、この場所には立てない方がいい」と答えています。

実際この現場どうなっているのか?今日の昼間行ってきました。
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ダウンタウンのPARK PLACE 51番地、
古いオフィスビルが立て直されて13階建てのイスラム・コミュニティーセンターになる予定の建物。

ビジネスアワーなので出入りも激しいのですが、
その前にイーゼルにカンバスを立てて、絵を描いている男性がいたので
話しかけてみました。
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彼の絵は、大きなつり橋が燃えている絵でした。
「このモスク建設は、アメリカ人とイスラムとの間の架け橋を燃やしてしまう。
なぜなら、7割のニューヨーカーは建設に反対しているからね。
もちろん、憲法で保障されている「信教の自由」はわかっているよ。
わかった上で、理屈ではない理由で、ここには作らない方がいいと言っているんだ。
他の場所にした方がいい。」

その絵を見ている家族づれは、ローマ、イタリアからの観光客でした。

マックスさんは、「アメリカとイスラム諸国との橋はとてももろいものだと思うよ。
ここに作ることは火に油を注ぐ事だと思う。」
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そしてその奥さんは

「私はすべての宗教を信じるすべての人が好きよ。
みんながそれれぞの宗教を信じる自由があると思う。
でもこの場所はグラウンドゼロに近すぎるのよ。だからよくないと思う。

たしかに、ここから角を曲がった先、100メートルもいかないところに、
グラウンドゼロが見えています。行ってみると本当に「ああ近い」と実感できる。

次にキャッチしたのは、アメリカ人でイスラム教徒の26才の男性、
アブドゥルさんでした。

<インタビュー4>

「正直言って、僕の気持ちはまっぷたつに引き裂かれているんだ。
複雑な気持ちだよ。
こんなに大騒ぎになってしまって、いったいどうなってしまうのか不安。
モスクはただ祈るための場所なのに、ここは今や911を思い出させる
シンボルのようになってしまったからね。
それからアメリカの「信教の自由」っていったいなんだろう、という疑問。
そういう中でアメリカ人はいったいイスラム教をどう思っているんだろうという気持ち。
イスラム教はキリスト教と同じように、素晴らしい宗教だというこXとも、わかってほしいよ。」
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同時多発テロはテロリストの犯行であって、イスラム教が引き起こしたものではない。
頭ではわかっていても感情論に流されている部分、
ここに建てたら、テロリストの勝利のシンボルにされるのではないか、とか
ちゃんとした911の記念碑さえまだ建っていないのになぜ、
そして、目に見えない恐れもそこには必ずあります。

この場合やはりそういう感情を理解して、慎重に進めるべきだろう。」
という意見が強いという事なんですね。

そういう意味で一人一人が内面で葛藤している気がしました。

でも実はこの論争が、ポジティブな結果になる! と主張するニューヨーカーも
少なからずいるんです。

911を迎えるニューヨーカーが、
たった今どんな気持ちでいるのか、
ワールドトレードセンターの現場は今どうなっているのか?
ニューヨークから911レポートお届けします。

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佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers