« 6月17日(水)は、ジャマイカ在住のフラワー・レポーター、家部由美子さんからのレポートです! | メイン | 6月22日(月)は、ソウル在住のフラワーレポーター、チョン・ジャキョンさんからのレポートです! »

6月18日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨークの6月といえば、パレード。
日曜日にはプエルトリカンデーパレードに200万人が!
来週末はゲイパレードが!

パレード大好きニューヨーク
ハロウィーンやイースターなど、季節や記念日のパレード
色々な人種、民族がそれぞれパレードするエスニックパレード。

6月のパレードのハイライトのひとつが、来週土曜日28日に行なわれるゲイパレード。

100万人以上が集まって盛り上がります。
正式名称は GAY PRIDE MARCH
自分たちに誇りを持ってパレードする、という意味です。

もともとの由来は1960年代、
ゲイに対するバッシングがまだまだ激しかった頃、
69年にニューヨーク、グリニッジビレッジで起った、警官との衝突事件から始っています。

みんなで団結して、偏見と戦わなければならない、
そして、その動きを助けましょう、という人々がいっしょになって始めたのが、
プライドマーチなんです。

と聞くと、シリアスな感じがするかもしれませんが、
一度パレードに参加するとびっくりします。

もうめちゃめちゃ楽しい!

パレードのコース、5番街を、
フロートに乗ったヒラヒラドレスのドラッグクイーンや、
上半身裸のマッチョなお兄さんたちが、
やっぱりフロートに乗ったDJのプレイするダンスミュージックにあわせて、
ガンガンに踊りながらパレードするんです。
ダンスしながら見物する人もたくさんいます。

かと思うと、人権保護団体が、世界の少数民族の差別撤廃を訴えて行進していたり、
もちろん、ニューヨーク市長のブルームバーグさんも参加。
そして、ニューヨークの市議会議長のクリスティン・クインさん
彼女は人権擁護団体の出身で、自らもオープンなレズビアンですが、
彼女も、おなじみの顔です。

そして、このパレードのシンボルは、レインボーカラーのバルーン。
レインボーのように、さまざまなカラーの人々が集まって、
いっしょににパレードする。。。
実際本当にこんなに肌の色やライフスタイルが違う人が、
楽しそうにパレードしているのを見るとぐっと来ます。

もちろんニューヨークは、サンフランシスコやカナダのトロントと並んで、
ゲイが多い街ではありますが、
ストレートのニューヨーカーもたくさん参加するから、100万人も集まるんですね。

5番街からグリニッジビレッジに向けてパレードした後は、
そのままハドソン川ぞいの埠頭で、ダンスパーティ。

本当に楽しいパレードですが、
そもそもニューヨークの楽しくて華やかな場所には、
ゲイは欠かせない、そんな文化があるんです。


みなさん、SEX & THE CITY 見た事ありますか?
ニューヨークに暮らし、それぞれが華やかな職業についている
カッコイイ4人の30代女性がヒロイン。

このドラマにもステキなゲイのキャラクターがいっぱい出て来ます。
そんな中で、シャーロットの新しいパティシェのボーイフレンドが、
ハンサムだし繊細すぎる、もしかして?と真剣に疑うエピソードがあります。
そう、ニューヨークでは、「独身のステキな男性を見たら、
まずゲイじゃないかと疑った方がいい」と言うくらい。

また、彼らは高学歴、高収入、
だから彼らをターゲットにしたマーケティングもとても盛んです。
ゲイ専門のケーブルチャンネルもあります。
特にファッションや音楽業界では、ゲイの方が出生できる、なんて言われるくらい
そういえば、SEX & THE CITYのプロデューサーも、そうですね。

そして、今大きな話題は、ゲイ同士の結婚です。
正確にはSAME SEX MARRIAGE 

世界で同性同士が結婚できる国は、
スウェーデン、ノルウェー、オランダ、ベルギー、スペイン、カナダ、南アフリカ。

アメリカでは結婚に関する法律は州によって違います。
ゲイが結婚できるのは今日現在、コネチカット、アイオワ、メイン、
マサチューセッツ、ニューハンプシャーの5州です。

ニューヨークではまだ結婚はできないけれど、
既に他の州で結婚したゲイカップルの権利は認めています。
まだ、と言ったのは、もう結婚してもいいんじゃないか、
という人がどんどん増えているのも事実だからです。
ニューヨークの46%、5割近い人が法制化に賛成。去年に比べ10%近く賛成派が増えました。
パターソンニューヨーク知事も、賛成を表明しています。

そういえば、最近こんな事件がありました。

ニューヨーク市ではシティホールに、小さなチャペルがあって、
ここで結婚式をあげることができます。

実は先日、ここで結婚したカップルの、新婦の方が、実は男性だったことがわかり、
大騒ぎになりました。

あまりにフェミニンだったので、牧師さんも係の人も誰も気付かなかったんですね。
名前もハキムさんだから、性別不能かも?

このハキムさん、その少し前に身分証明書を作ったそうで、
その時にも、性別「女」とかいて書類を出したら、
そのまま認められた、というんです。

写真を見ると。。うん、確かに女性にしか見えません。

いったいどうしてバレたのか、そっちの方が知りたいのですが、
結局結婚は認められず。。。。

でもニューヨーカーはみんな、やってくれるじゃん! とニヤっとしました。


かと思えば、
ゲイストリートと呼ばれるクリストファーストリートでは、
ゲイをターゲットにした犯罪、ヘイトクライムが今でもときどき起る。
偏見もまだまだ多いんです。

でも、性別や人種や宗教、考え方にかかわらず、
同じ自由と権利を持つ事ができる、それがアメリカという国の大原則。

それを力をあわせてみんなで守らなければ、というキモチがニューヨーカーはとても強いんです。
お隣さんはみんな外国人、という環境というのは大きいです。

誰だって、自分らしく自由に生きていきたいですよね。
それは自分の隣の人だって同じ。
考え方が違うからって、否定してしばりあうより、
お互いにそれを認めましょうよ、それで何とかうまくやっていきましょう。
というのがニューヨークスピリット。

みんながお互いを認め合って、一人一人が思いっきり生きてる、
それがニューヨークという街のよさ。

主張したり、戦ったりするだけでなく、いっしょに楽しみや喜びを共有する、
そのスピリットが、ゲイパレードに生きているからこそ、
100万人もの人が集まってくるんです。

*残念ながらゲイパレードはこれからなので、まだ写真がありません!
かわりに先月行われた、ニューヨーク・ダンスパレードの写真を楽しんでくださいね。
これもゲイ率かなり高いです!
CIMG4761_copy.JPG
CIMG4785_copy.JPG
CIMG4787_copy.JPG


佐藤めぐみ
 
ジャーナリスト、プロデューサー
ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、
日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、
アメリカのJ-POPファンのためのイベント「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。
BLOG:http://ameblo.jp/meguminy