◆メッカ巡礼がどんなものなのか?教えていただけますか?
メッカ巡礼は、1400年以上前(日本だと聖徳太子の頃)からの行事でイスラム教徒が年に1度メッカ郊外の決められた場所に決められた日時にお参りすることです。その行事が終わった後、メッカ市内に入りハラム・モスクでお参りします。
◆いつ頃、行われているんでしょうか?
太陰暦なので太陽暦とは毎年差がでますが、今年は11月14日から18日までです。
◆この時期、メッカの街の様子はいかがでしょう?
サウジ内外から、つごう600万人ほどがメッカに集結します。行事は全員一緒に同じ時間で同じ場所で行いますから、ひとつの場所からひとつの場所へ、時間に間に合うように大変な混雑となります。
巡礼中の「メッカ」は、世界中でも比類のない混雑した場所です。巡礼行事のハイライトは、メッカの町ではなく、郊外のミナーという町からメッカと反対側に25キロほど進み、アラファトという町まで行くことです。
メッカの町には、それらの行事が終わってから入ります。メッカの町は大きく、普通の住民も住んでいます。巡礼の終わった後は、町は巡礼がお土産を買って帰る、壮大なショッピングのシーズンとなります。
◆それだけ多くの人が集まると、毎年、この時期メッカはどのようになるのでしょうか
?
サウジアラビア政府には、巡礼省があって、巡礼大臣がいます。年に1度のメッカ巡礼のためだけに省庁が存在していることからわかるとおり、決められた時間に一斉に同じ行動をとる600万人がどれほどのものか、口ではちょっと説明できません、とても壮大なものです。
イスラム教徒は一生に一度メッカ巡礼を目指しています。それで必然的に老人の参加が多くなり、健康に問題がでてくる方も非常に多いです。町中のあらゆる角に救急車が待機しています。この巡礼のため、近隣20カ国から救急車と救命救急員や医師・看護士が事前に集結します。
◆巡礼に参加するにあたって、マナーなど気をつけなければいけないことは、なんでしょう?
ともかく、迷子にならないことです。迷子になったが最後、600万人から自分のグループを見つけるのは至難の業です。私はGPS機能つき携帯の他に、GPSそのものも持参します。
◆佐藤さんはメッカ巡礼に参加するのは初めてですか?
私はメッカには何度かいったことはありませんが、決められた日である「メッカ巡礼」には参加したことがありませんでした。ともかく、人の多さに想像しただけでもとても行く気がおこらなかったのですが、メッカに近いところに住んでおきながら参加しないのももったいない話なので、ことしは参加します。
◆巡礼ではなく、観光で訪れる人もいるんでしょうか?
巡礼は、巡礼行事が終わればそのまま観光客となります。日本の伊勢参りなんかと同じく、ジェッダ名所めぐりやお土産ショッピングはすさまじいものです。巡礼に行くとなれば、皆さん結構餞別をもらっているのでお土産を買って帰るのは半ば義務みたいなもので、両手に余るほどの買い物となります。巡礼商戦のために、電機メーカーをはじめ各企業は相当な数の在庫を現地に用意しています。
◆観光としての見どころというと、どんなところがあるいんでしょう?
今年は、世界最大の時計台ができたことです。これは、今年最大の見所だと思いま
す。また、ことしはサウジで初めての巡礼用に電車が開通しました。これまでも別の場
所にディーゼル機関車による線路はあったのですが、巡礼に対応するための全長18
キロの電車がメッカと郊外を結ぶ路線として開通しました。
◆サウジアラビアに行った時、会話に花が咲くような役に立つ一言
(お元気ですか?という質問に対して)
「アルハムドリッラ」→意味は「おかげさまで」
日本の「おかげさまで」と全く同じように、いろんな状況で頻繁につかわれます。「ご家族はいかがですか?」「お仕事はどうですか」「もうかりまっか?」の返事として、すべてOKです。
佐藤直記さんHPはコチラ…
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