花の豊富な台湾でも、特にこの時期見ごろを迎えている「アブラキリ」というお花について、レポートいただきました。
●「アブラギリ」てどんな花?
・原産は中国。日本でも西日本では自生している。
しかし、台湾にはもともとはなく、日本統治時代に持ち込まれ、植樹された。
・白い可憐な花は3センチ程度。日本では6月頃に咲くが、南国の台湾では5月が見頃になる。
・植物としては台湾全島で見られるが、山麓部に多い。
・潤いたっぷりの台湾の緑をうっすらと白く色づける
・花は数日の命。その後、花そのものがひらひらと落ちていく。
そして、地面につもっていくことから「五月の雪」という美称が生まれた。ただし、真っ白にはならない。
●アブラキリの種はいろいろなことに使われるそうですね?
・日本統治時代、とりわけ昭和初期に栽培が奨励された→種子から油を取ることが目的
→最近は次世代のバイオ燃料としても注目されている
・戦時中は飛行機の燃料になっていたこともある。
・油は油紙や塗料などに使用。 ただし、毒性があって食用はできない。
●この時期は、アブラキリのお花見なども楽しめるのでしょうか?
・台湾ではこの時期、この花を観賞する行楽客が各地であふれかえる。デートコースにもなっているが、
圧倒的に家族連れが多い←手頃な日帰りコース
・ただし、日本的な「お花見」の発想はなく、花の下でお酒を飲んだりすることはない。
記念撮影をしたり、ハイキングをしたり、地元の郷土料理を味わったりするのが通例。
・南国に暮らす台湾の人々は雪への強い憧れがある(北海道を訪れる外国人の48%は台湾人)。
五月雪という表現の背景には「雪」への憧れが潜んでいる。
・有名なのは台湾北西部の新竹(しんちく)県と苗栗(びょうりつ)県。
両県とも郷土のシンボルとして扱っている。
●最後に、現地の言葉で役に立つ、よく使われる簡単な「一言」、教えてください!
⇒「漂亮(きれいですね!)」←花にも人にも使える