« 5月27日(水)は、シンガポール在住のフラワー・レポーター、グラント里香さんからのレポートです! | メイン | 6/1(月)は、カナダ・ケベックから、HIMEKAさんにお越しいただきました! »

5月28日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨークといえば、どんなアーティストが思い浮かびますか?

ジョン・レノンはイギリス人ですが、
亡くなるまでの9年間、ニューヨークに住んでいました。
彼の多くの重要なソロ作品は、ニューヨーク時代に生まれたんです。
Lennon_and_Yoko.JPG

それはそのまま、オノヨーコさんと過ごした日々でもあります、
そのヨーコさん自身が、キュレーションした
ジョン・レノン展が、今ニューヨークで開かれて話題を呼んでいます。
私も先日見て来ましたが。。。。かなり、よかったです。
今日はその展覧会をレポートします。

ニューヨーク、ソーホーにある「ロックの殿堂ミュージアム・アネックス」
ちょっと前置きが長くなりますが、みなさんはロックの殿堂ってわかりますか?

野球の殿堂が有名ですが、
現役時代に活躍し、歴史に貢献した選手が殿堂入りするように、
ロックアーティストも殿堂入りします。
2009年に殿堂入りしたのは、Jeff Beck,メタリカ、RUN DMCなど5組でした。

1980年でグループ、95年にソロとしてダブル殿堂入りしたアーティストといえば、
ジョン・レノン
NYC_t-shirt_Bob_Gruen_low_res.JPG

このジョン・レノンの展覧会が開催されているのが、
ニューヨーク、ソーホーにある「ロックの殿堂ミュージアム・アネックス」
CIMG4828.JPG

タイトルは「JOHN LENNON, THE NEW YORK YEARS」

実はロックの殿堂ミュージアム、本部はオハイオ州クリーブランドにあります。
ニューヨークのアネックスは去年オープンしたばかり、
だからこの展覧会も、アネックスとして記念すべきランドマーク・エキシビションなんです。
CIMG4834.JPG

そして、何と言ってもこの展覧会のポイントは、
オノヨーコさん自身がキュレーションしていること。

特に、ニューヨークを愛したジョンと、ニューヨークの街との関係にスポットを当てて、
未公開の映像や写真、記念品が多数展示されています。

たとえば、ジョンの自筆の歌詞や、
軽井沢でのバケーションで書いた絵とか、
ジョンが気に入っていたジャケットとか、
NYC_lyrics.JPG
JOHN_LENNON_green_card-_June_27%2C1976.JPG

小さなものが多いんですが、
それを大切にひとつひとつ保存していたヨーコさんと、
またそれを、展示するために大事に選んだ彼女の愛の強さが
素直に伝わって来ます。

逆に映像の方は、ちょうどベトナム反戦運動のさなかだったニューヨークの
街の反戦デモのもようとか、2人の生き生きとダイナミックな活動を
リアルに見ることができて、とても楽しかったです。

あともうひとつ面白いのは、
この展覧会を見る時、ワイヤレスのヘッドフォンを貸してくれるんです。
これをしていると、たとえば反戦運動のスクリーンに近づくと、
GIVE PEACE A CHANCEが流れて来たり、
JONNがデザインしたMIND GAMESのアルバムジャケットに近づくと、
MIND GAMESがヘッドフォンから流れてきます。
だから展示を見ながら、知らず知らずのうちに、
ジョンとヨーコの世界にのめりこんでしまうんですね。

そして展示の最後の方に、ガラスケースに入って何気なくおいてあるもの、

それは、茶色の紙袋です。

実はこれは、ジョンが撃たれてなくなった数週間後、
ヨーコさんのもとに、病院から届けられたものです。
中にはジョンが来ていた衣類が入っていたそうです。

解説にはこう書いてありました。
「世界中の誰よりも、多くのものを手に入れた彼、
でも私のところに戻ってきたのは、これだけだった」

実はこの展示物に、ショッキングすぎると批判をとなえる人もいるんです。

でもそれに対しヨーコさんは、
「銃による暴力の結末がどういうものかを、
多くの人に見てもらう必要があると思った。」

実際ジョンが撃たれてから、これまでアメリカで銃の暴力でなくなった人は、
93万人以上にのぼるんです。

この展示を見て、ニューヨーカーはどう感じたんでしょうか?

ニューヨーク在住ラリーさん、
興味深かった、ニューヨークにすんでいた頃の彼の姿を見るのは楽しかった。

シャロンさん、
ジョンとヨーコがニューヨークにすんでいた頃、私もニューヨークに住んでいたの、
二人を道でみかけたこともあるわ。
プライベートに撮影されたビデオなんかが見られたのがとてもよかった、
ヨーコを見直したし、彼女の気持ちがやっとわかった、という感じ。
当時は彼女の事は誰も理解できなかったからね。(そういう意見結構多かったです)

ビルさんは奥さんと二人の娘さんといっしょに来てたんですが、
13歳のお嬢さんはビートルズのTシャツを来ていて、
ジョン・レノンの大ファンということでした、

本当に世代を超えているジョンのメッセージ。
反戦、反暴力、人を愛すること、人生を愛すること、
ニューヨーカーはこの展示で、ジョンだけでなく、ヨーコさんをもう一度再発見しています。
彼らのメッセージ、逆に今だからこそ、よけい大事なのかもしれません。

最後はあんな形で亡くなってしまったジョンですが、
思い切り愛し、戦い、同時に楽しんで生きたニューヨークの9年間が、
ぎゅっとつまったこの展覧会、あなたにもぜひおすすめです!

佐藤めぐみ
 
ジャーナリスト、プロデューサー
ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、
日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、
アメリカのJ-POPファンのためのイベント「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。
BLOG:http://ameblo.jp/meguminy