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7月22日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

いやー暑い、

こう暑いともう週末出かける場所のチョイスは2つしかありません。

ビーチか映画館です!(断定)

先週末も最高気温36度の中で公開、
興行成績ナンバーワンになった映画はディカプリオのINCEPTION!!
もちろんあのKEN WATANABEも出ています!
日本では今週末公開
私もまだ見ていないのですが、アメリカ人のケンワタナベファンの間では、
「かなり英語がうまくなった」と評判になっています。

実は先週、私は別の日本映画を見ていました。

毎年この時期NYでは、JAPAN CUTSという日本映画のフェスティバルがあります。
場所はJAPAN SOCIETYという日本文化の発信拠点。

今年は、新作邦画19本と過去10年のセレクションなど、トータル25本が上映
そのほとんどが海外またはニューヨーク初公開で、DVDも未発売ということで、
外国映画好きのアメリカ人や在住日本人で連日賑わいました。

(上映作品は、
松たか子主演『告白』(中島哲也監督)、
満島ひかり主演『川の底からこんにちは』(石井裕也監督)、
吉永小百合主演『おとうと』(山田洋次監督)。
広末涼子、中谷美紀、木村多江『ゼロの焦点』(犬童一心監督、松本清張原作)、
松山ケンイチ、麻生久美子主演の『ウルトラ・ミラクル・ラブ・ストーリー』
(横浜聡子監督の商業映画デビュー作)、
堺雅人ほか豪華キャストの『ゴールデン・スランバー』(伊坂幸太郎原作・中村義洋監督)など。)

この「JAPAN CUTS」は、多彩なゲストによる舞台挨拶とQ&Aセッションが売り物。

『パレード』の行定勲監督と藤原竜也、『スイートリトルライズ』の矢崎仁司監督、
『空中庭園』『蘇りの血』の豊田利晃監督。
そして、
『色即ぜねれいしょん』の田口トモロヲ監督と主演の渡辺大知さん。
(渡辺さんはバンド黒猫チェルシーでも人気!)
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『色即ぜねれいしょん』見ました? めっちゃ面白かった!
しかも、田口監督と渡辺大知さんにインタビューするチャンスもあったんです。

さあ夏休みのNYで二人が何を感じたのか?
今日はそれをレポートします。

JAPAN CUTSのフィーチャー作品のひとつ
「色即ぜねれいしょん」の英語タイトルは、「OH MY BUDDHA」
舞台が京都にある仏教高校だからです。

スクリーニングは、田口トモロヲ監督と主演の渡辺大知さんの舞台挨拶から始まりました。
さすがキャラが立ってる田口監督、いきなり「I LOVE NEW YORK」と英語でかまし、
客席は大ウケ。そのままの勢いで上映開始、

みうらじゅん原作、彼の自伝的ストーリーの青春映画で、舞台は70年代の男子高。
優等生でも不良でもない、自分て中途半端な文科系高校生だなー、と思っている
主役のJUNが渡辺大知さん。
JUNと仲間3人が夏休みに、フリーセックスの島だと思い込んで出かけた隠岐の島の
ユースホステルで、ヒッピーの管理人やセクシーな女子大生との出会いを通して、
悩んだり失敗したり、その様子がすごくおかしくて、 可愛くて、
会場はとにかく大爆笑の連続。

そんなお客さんの反応を見て、田口監督と渡辺大知さん、どう感じたんでしょう?

<田口>
こっちはかなり反応がよくて、最初からかなり笑ってくださるんで、
何か見てて楽しくなりましたね。

<渡辺>
イヤー本当にうれしかったですね。今まで自分で見て、
笑ってなかった場所で自分も、周りが笑ってるから楽しくなっちゃって。
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アメリカで上映するに渡って、アメリカ人だからこう伝えたいな、というものはありましたか?

<田口>
アメリカを意識してまったく作ってなかったんで。
まさかこういう形で呼んでもらえるとは夢にも思ってなかったんで、
それがホントにウケて、すごいびっくりしたと同時にうれしかったし、
何かわからない日本のシチュエーションとか環境があったとしても、
伝わるんだなと思いましたね。
主役は非常に地味な等身大の高校生、でも自分の人生の中では主役で
悩んで、悩んだあげくにちょっとだけ自分の壁をつきやぶる、
という話なんですけど。そこのテーマが伝わったりしたのかな、と思ったんですけど。

何かわからない日本のシチュエーンションがあったとしても、伝わるのがわかってうれしかった。

アメリカ人から見れば、なんだ、日本人もオレたちと同じじゃん、みたいな
そういう瞬間がニューヨークの映画館の中にはじけていたんです。
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ところで田口監督と渡辺大知さん、実は、NYに来るのは二人とも初めてでした。

<田口>

これが本当にニューヨークデビューで、ニューヨークバージンでしたから。

ロストバージンしたお気持ちはいかがですか?

いやーそうですね、今まで映画祭とかで色々なところに行かせていただきましたけど、
その中でも、すごいなと思いましたね。近代感とかそこにいる人たちとか。。。
わー誰も彼も英語をしゃべってる、こんなに小さな子供まで! 
というカルチャーショックですね(爆笑)。


<渡辺>
長島茂雄みたいな事言いますね。(笑)

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意外なコメントに意外なツッコミ、という感じで、しかもなんだか意気が会っているんですよね二人。

NYは初めてでも田口トモロヲさんが出演、監督した作品は世界中で上映されています。


<田口>
こうやって映画祭とかに自分が出演している映画や監督した作品が呼ばれるという事自体が、
映画が国際的な表現で、共通言語なんだという事をいつも思うんで、
それにかかわれているという事がすごくうれしいですよね。
日本ではアメリカ映画の何分の一かで作っているのが世界に通用するんだ。
そしてその国の人たちがそれを見て笑ってくれたり騒いでくれたりというのは、
言葉が通じなくても。。。。まあもちろん字幕も出たりしますけれども、
受け入れてくれているというのは感動しますね。

そして監督よりずーっと若い渡辺さんは、今回の体験をおみやげに
日本に帰るのがとても楽しみだといいます。

<渡辺>

何ていうんですかね。。。ただ観光しただけっちゃだけなんですけど、
一人で歩いている時とかに外人に話しかけられたりとかして、
コミュニケーションする機会があったり、ただそれだけなんですけど、
単なる思い出に終わってない感じがしてて、人の温かさにふれたというか、
遠回しではあるんですけど、得た気が勝手にしてます。
言葉が通じないところで、ジェスチャーだったり、
こんなに自分の気持ちを必死で伝える事なんてないんで。
向うも僕に伝わるようにナントカカントカ言ってくれる感じとかだけでも、
いい経験になったな、来て良かったと思いますね。

<田口>
いやー、良い事言わはるわ、若いのに。そんな感じだよね。
ありがとうニューヨーク! また呼んでもらえるようにがんばりたいですね。

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映画も、そして黒猫チェルシーとしてやっている音楽も、伝わるかどうかが一番大事。
「色即ぜねれいしょん」の中で必死に伝えようとする高校生の姿が目に浮かびますが、
二人がNYで感じたのもそんな気持ちだったのかも。
   
伝わった事も、伝わらないことも、
そして伝えようと必死でがんばる事も、人と人とのふれあいがドラマ。

映画を通じて、 日本人もアメリカ人も何人でも一人でも多くが、
「ああ、伝わるものなんだな」と実感できれば、もっと世界が近くなるし楽しくなる、
そう思いませんか?
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佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers