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7月1日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!


ワールドカップ!!

日本は敗退してしまいましたが。。。。。
アメリカのテレビ中継でも一番言われていたのは、
素晴らしいチームの団結力。
延長戦が始まる時、しっかりとスクラムを組んだ日本人選手を見て、
中継アナは「なんと素晴らしい結束力」と感嘆の声をあげ、
次の瞬間カメラがパラグアイの選手のシフトすると、
輪にはなってるんだけどなんかバラバラな感じ。。。。
チームワークだけでは勝てなかったわけですが。。。
こういう和みたいなものって、他の国に比べると日本人の良さだな、と
かねがね感じていたので、そういうところを世界に見せてくれてうれしかったですね。

サムライブルーのワールドカップは終わってしまいましたが、
NYで頑張っている日本人、このレポートでもどんどん紹介していますが、

この週末7/4はアメリカは独立記念日。
大花火大会があったり、大変盛り上がる夏のホリデーですが、
この日に欠かせない日本人がいます。

NY名物といえば、ホットドッグ。
独立記念日には有名なホットドッグ早食いコンテストがあって、
その模様はスポーツチャンネルESPNで全米に生中継されるほど盛り上がるんです。

そう、ESPN、
ワールドカップ中継もする全米を代表するスポーツ局が、
ホットドッグ早食いも生中継。
立派なスポーツです。

実はこのコンテストがここまで人気になったのは、
ある日本人のおかげでと言っていいかも。

TAKERU KOBAYASHI
2001年、20分にホットドッグ50個食べるという前人未到の大記録で
彗星のごとくデビューし、それから毎年記録更新しながら6連覇。
2007年にアゴのケガで欠場した時は、
それがニュースになったほどでした。

去年と一昨年は王者にはなれませんでしたが、
CNNも「コバヤシはこの大会で最もおなじみの顔」とコメントするほど。

このコバヤシ君にちょっと前に会うチャンスがありました。
ニューヨーク、ジャパンソサエティのイベントに、ゲストとして招待されたコバヤシ君。
ステージでは早食いのお手本?も見せてくれたんですが、
その後に収録したインタビューをフィーチャーしてお届けします。


NYがホットドッグの発祥の地だということ、ご存知でしたか?

そのNYでも最初にホットドッグが売られたのは、
NYの地下鉄で行ける庶民のビーチ、コニーアイランド。19世紀の後半です、
そして1916年にはNATHAN’S FAMOUSが開店。
その名のとおり、ドイツ移民のネイザン・ハンドワーカーさんが、
ドイツのソーセージをアメリカンスタイルのホットドッグとして売り出し、
同時にホットドッグ早食いコンテストをスタート、今も続いています。
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(C)George Hirose

それ以来アメリカンライフに欠かせないホットドッグ。
7/4独立記念日のイベントとして全米生中継される
NATHAN’Sのホットドッグコンテストを、外国人、
日本人のコバヤシ君が6連覇したというのは、ニューヨークでも有名な話。

「昔は自分しか日本人がいないから、アメリカ人が敵対心を持って“あいつやっつけろ”みたいに思われていると思っていて、戦いづらいな、と思ってたんですが、今ではアメリカ人でもコバヤシと応援してくれる人がいるし、独立記念日だからみんなすごく楽しんでいる。だから自分が出る事で盛り上げることができているんだな、というポジティブなとりかたが出来るようになった。それにずっと続けているから現地の日本人もたくさん見に来てくれて、日本の代表みたいに思える事がとてもうれしいですね。」

コバヤシ君、とても早食いちゃんピオンとは思えない?スリムでチャーミングな男性です。
ちなみにアメリカでは、早食いはCOMPETITIVE EATINGという立派なスポーツ競技。
COMPETITIVE EATERであるコバヤシくんは、立派なアスリートです。
現在世界ランク3位。
ホットドッグでの王座はあけわたしたものの、
COW BRAINS, LOBSTER ROLLS, RICE BALLSの世界チャンピオン。

そんな彼がNYのコンテストに出るきっかけは何だったんでしょうか?

「日本のテレビ番組に出ていたころ、日本のチャンピオンを決めてニューヨークの大会に出場するという企画が上がって。その頃はまだ大食い、たくさん食べるだけのチャンピオンあったので、自分は早食いもいける!とプロデューサーに売込みました。今はその企画はなくなっちゃったんですが、独自の道が開けて毎年出られるようになりました。」

ちなみに小林くんが初めて大食いに挑戦したのはカレー、
実は彼のお父さんも、わんこそばのチャンピオンだったそうです。親子2代だったんですね!

ところで日本にもホットドッグがありますが、
アメリカのホットドッグ、味も存在感も日本のとかなり違います。
実はコバヤシ君の食べ方は、ドッグとパンを別々にして、水につけて食べるという、
それまで誰もやったことのない、画期的なスタイル。
今ではその真似をするアメリカ人もいます。

そんな彼が初めてアメリカのホットドッグを食べた印象は。。。

「当時とったテレビ番組をみると、食べた時に、”しおからい!“と言ってました。
あとは“皮が!”と言っます。皮がしっかりしている、
本物の腸などを使っているから皮が残るじゃないですか。
日本のは人工のケーシングを使うから食感が全然違う。
日本で練習してきたのと違うから“皮が”と驚いていたんですね。
次にバンズ。バンズを水につけてみたらすぐ柔らかくなっちゃって
“すぐ水吸うんだ”って。噛んだ時に油が多いのってアメリカのホットドッグなんだけど、
油をパンが吸ってくれるんですね。アメリカのドッグを日本のパンに入れたら
ベタベタになると思うんですよ。あとは日本のパンは甘い。
アメリカのはパンのきめも粗くてさっぱりしていて、“ドッグの力”で食べる感じ。」
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ドッグの力で食べる。。。そこが違うんですね。

そんな彼にとって、COMPETITIVE EATERとして一番のチャレンジは?

「6連覇していく中で、連覇がかかってきたり、ある意味重い物が加わって、
それが一勝ごとに重くなる。やるほうは重くなるし、
見る方は当たり前になるというのがプレッシャーになってました。
自分の記録をどうのばすかを考えることで、やる気とモチベーションをキープして来た感じです。」
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独立記念日は今週末、
今年の意気込みは。。。と行きたいところですが、
なんと!!  およそ24時間前びっくりのニュースが飛び込んできました。
CNNによれば、今年の早食いコンテストに小林クンの欠場が決定した、と
MAJOR LEAGUE EATING (MLE)が声明を発表した、ということなんです。
その理由はMLEとTAKERU KOBAYASHIの契約交渉が行き詰まってしまったから、
ということなんですが。
CNNオフィシャルサイトの記事では、「伝説の早食いチャンピオンが欠場」と伝えています。

この前会った時はやる気満々だったのに、残念!!
とこのレポートにも思わぬオチがついてしまいましたが、
来年はまた戻って来てくれる事を願っています!


Stage photo taken by George Hirose


佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers