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1月21日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です!

ちょうど1週間前のこの時間にもお伝えしたハイチの大地震
先週レポートした時点では発生から2日目でしたが
地球の西半球で最も貧しい国、しかも政治的混乱や自然災害に次々に見舞われてきたハイチ。
ニューヨークに20万人以上住むハイチ人の移民コミュニティが結束して対応している、
ブルームバーグ市長は
「今はとにかく赤十字などから寄付を」と呼びかけましたが、
その寄付金の金額が驚くべき額になりました。

アメリカ赤十字では携帯メールでできる募金、
1回10ドル(900円)というのをやっていますが、
この放送の時点でなんとおよそ23億円になりました(23日土曜日には25億に)
260万人の人が募金したことになります。

これだけたくさんの人が寄付をしているのも、
日本でCNNを見ている人も多いと思いますが、
とにかく現地は食料も飲み物も、薬もお医者さんも病院も、何もかもが足りない。
救助されても手当できずに命を失う人もいる、という事を
CNNキャスターのアンダーソン・クーパーらが着の身着のままで報道し続けている。
そしてそれを、アメリカ人一人一人がケータイやPCで、
TWITTERとかFACEBOOKですごい勢いで発信しているから、
情報がものすごく早い! 赤十字の募金情報もそれであっという間に広まった。
こんな体験は初めてす。

先週も書いたのですが、
ハイチに住むアメリカ人の一部は、かなり早くからTWITTERで連絡をとりあっていました。
携帯SNSには「今OOさんが崩れた家の中にとじこめられている」とか
「OOさんとやっと連絡がとれた」などの生々しい情報が刻々とアップされ、
私達はそれにクギづけに。

さらに、テレビで伝えられる被害状況やCNNのレポートの様子を、
みんながまるで実況中継のようにTWEETしはじめ、
アメリカ赤十字の募金情報も何度も何度も書き込まれて、
テレビを見なくても新聞を読まなくても、
とにかく大変な事になっているんだ、という事が
ものすごいスピードで広がったんです。
オバマ大統領も、ビルゲイツ氏も初TWEETで募金呼びかけていました。

その中には、たとえばハイチ人の8割は貧困ライン以下、
多くが1日2ドル180円以下で暮らし、国民の半分近くが字が読めない、
という情報もあれば、ユニセフが寄付で購入する水はボトル1本10円、
薬は1個50円で買える、というような情報もありました。

アメリカ赤十字の1回10ドルの携帯メール募金は1週間で23億円に達しましたが、
携帯で送れるという手軽さもあったし、
不況で苦しんでいるニューヨーカー、
10ドルなんてランチマネーくらいにしかならないのに、
ハイチではこれだけの人が助けられるなら、という実感があったんです。

こうした報道の多くはCNNでしたが、
悲惨な現状をじっくり腰をすえてレポートするだけでなく、
具体的に何をすればいいのかを、説得力を持って行った報道も優秀だったと思いますし、
だからこそ、具体的に「募金しよう」という動きが、ソーシャルメディアを通じて
一気に広がったのだと思います。

TWITTERは今日の余震の後、アクセスが殺到して一時ダウンしたようですが、
今回のこの災害はこうしたソーシャルメディアが初めてその威力を、
ポジティブな方向に発揮できたのではないかと思います。

もう一つ注目されるのは、セレブリティたちの対応のスピードです。

この間の日曜日、ロサンゼルスでゴールデングローブの授賞式がありましたが、
ハリウッドセレブはみな、ハイチの国旗カラーのリボンをつけ、
アフターパーティではたいへんな金額のお金が、寄付として集まったそうです。
たとえば主演女優賞に輝いたサンドラ・ブロックは一人で9000万円を寄付。
アンジェリーナ・ジョリーやブラッド・ピットも二人で9000万円
ジョージ

翌日CNNのラリー・キングライブではミニテレソンが行われ、
P DIDDYらセレブが直接オーディエンスの電話をとって2時間で2億円を集めました。

そして今週金曜日、ジョージ・クルーニーの呼びかけでMTVの主催によるニューヨーク、
ロサンゼルス、ロンドンを結んだ大テレソンが行われました。
TVやネットで見た方も多いと思います。
参加ゲストはハンパありません。ざっとリストすると。。。

Wyclef Jean, Bruce Springsteen, Jennifer Hudson, Mary J. Blige,
Shakira, and Sting
Alicia Keys, Christina Aguilera, Dave Matthews, John Legend, Justin
Timberlake, Stevie Wonder, Taylor Swift and a group performance by Keith
Urban, Kid Rock, and Sheryl Crow.;
Coldplay, and a group performance by Bono, The Edge, Jay-Z, and Rihanna.


これいがいに100人以上のセレブリティが、オペレーターとして直接電話をとる、
というもの。

これがアメリカのメジャーなチャンネルすべてで同時中継、
翌日にはライブ楽曲がITUNE にチャリティーソングとしてアップされました。

ここ数年セレブリティのチャリティ活動は活発になる一方です。
特にアフリカを始めとした地球のあらゆる貧困地域への寄付、チャリティ活動が
何かと話題になっていましたし、自分たちのお金と名声を利用して世の中を
とにかく出来ることから何とかする、という意気込みがあります。
今回も、あっと言う間にこれだけのセレブが集まったのはすごい。
もちろん、このお金が本当に困っている人の役に立てられるのか、という心配もありますが、
それはそれとして、 待っている意味もないし、時間もないのだから、
とにかく出来る事から今すぐやる! というのが今のアメリカ人の気持ちです。

それが今すぐできる、というのがネット時代のいいところですし、
それができる私達が
ハイチのように、世界の歴史の中で経済や文明の発展に取り残されたり、
犠牲になってきた国を助けるのは、私達の大事な仕事ではないかと思います。

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers