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10月1日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です!

10月になりましたね、
ニューヨークは夜になると気温が10度以下に下がって、
これから紅葉の季節へまっしぐらという感じです。

今月から広島でも聞けるようになったんですね。
初めてのみなさん、はじめまして。
私はニューヨーク在住のエンタメ系ジャーナリスト、

ニューヨークを日本に伝える仕事の中で、
最近のアメリカの日本ブームを伝える、
つまり、日本文化のアメリカでどうなっちゃっているのか、
その受容の実態をお伝えする、という切り口もあります。
自分もマンガ、アニメ好きということもあり、趣味と実益を兼ねて。
日本から世界に出て来る日本人にも、どんどん登場してもらっています。

10月最初のレポートは、2週連続でゲスト登場。
食欲の秋にふさわしく、栗原はるみさんです。
先週ニューヨークに来ていらっしゃいました。

もちろん、今回英語で出版された料理本の出版プロモーションのためです。
「EVERYDAY HARUMI」という本。
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世界的な日本食ブームですからね。
ニューヨークでも、お寿司はじめジャパニーズレストランの数、
ここ10年ですごく増えました。
同時に家でお寿司を作って、ホームパーティでおもてなししたい、
という人も増えて、巻きすとシャモジ入りのスシメイキング・キットなんかが
本屋に行くと並んでいます。

本格的な日本の家庭料理の本も売られています。
でも、はるみさんの今回の本が、他と比べてものすごく画期的なのには、
理由があります。
これを読んだら世界の人が全員日本食を作り始めるのでは?
という勢いのすごい本です。
いったいどこがすごいのか、2週連続でレポートします。

この「EVERYDAY HARUMI」
英語で書かれたクッキング本で、
アメリカでも先日発売になったばかり。

ニューヨークの書店でのサイン会、イベントでの講演など、
忙しいスケジュールをこなす栗原さん、
滞在しているのは、
マンハッタンの西、ハドソン川を見晴らす高層アパートのペントハウスでした。

そこに栗原さんに会いに行ってきました。

ものすごく、きゃしゃで色白でとてもきれいな方
体にいいものを食べているからかしら?、お肌もとってもきれい。
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スタッフもみな女性、いい感じのムードで、
ざっくばらんに色々お話を聞かせてくださいました。

<今日は、とっても素敵なニューヨークのアパートで
インタビューさせて頂いていますが。。。>

「ニューヨークは、4年ぶりなんですよ実は。
私はどうしても拠点がイギリスなのでロンドンがどうしても多くなってしまうので、
ニューヨークにはなかなかちょっと時間的な問題でね来れないのと。
まぁ、英語の障害もあるんですけれども。(笑)
やっぱり外国の人とお話が出来たら良いなーと。
で、もうやっぱりイギリスは10年間行っているので
やっぱりお友達が多いという事が大きな理由の一つになっていると思いますけれど。
こっちに例えば、ニューヨークに来て、例えばアメリカ人のお友達ができれば、
こっちに来たいなーとは思いますが。。。」

<じゃあ、もう少しこれからは・・・>

「探して下さい。」

<もう少し来て頂けますか?探したら?>

「はい。もちろんですよ。」

ロンドンでの生活をもとに、そのロンドンで書かれた料理本、
まだ日本では出版されていません。
しかも、これまではるみさんの本は、英語に翻訳されていましたが、
これは、わざわざ外国人のために英語で書かれた、
外国人のための日本料理のクックブックなんです。

「初めの本を出した時は、確かにこう、例えば、お醤油に味醂と米酢。
要するに、日本のお酢とかお味噌が無いと出来ないって、凄く思っていて。
実は私の本でそれを調達すればね、簡単に出来るんですよって、
ずーっと、ちょっと言っていたような気がするんですけど。
それは、非常に大きな間違いであった事に気がついて。。。」

これまで、外国人に料理を伝えていたやり方が間違っていた、と感じたのが、
この新しい本を書くきっかけになった、というはるみさん、
いったいどういう事なのか聞いてみました。

「やっぱり外国の人にとっては、日本の調味料って言うのは、
よほど日本人レストランに行きつけている人か、
日本食が好きな人には解るかも知れないけど。
例えば、日本食が身体に良いとか、健康に良いとか、
非常にダイエットに良いとか、いっぱい言っていますけれども。
やっぱりそれをどういう味かって事を知らない人にとっては、
やっぱり何処からかきっかけがね。何処からやっていいのか解らないですよね。
それをちょっと私は忘れていた気がして、
実は今回ですねぇ“キュウリのピクルス”を
ロンドンからずーっとやっているんですけど、
外国のキュウリは太くて、種も一杯あって、まぁ、皮が硬くてーですよね。
で、どちらかと言うと、日本人にとっては外国のキュウリの方が
ちょっと難しい人ですよね、難しい相手じゃないですか。
でも、それを逆手に取って、種を抜いちゃうんですよ。」

<なるほどー・・・>

「種を抜いてしまって、マッシュするというか、例えばビンとかで、
こうゆう所を傷つけない様に上手く、叩きキュウリって有るじゃないですか、
そうすると、味がしみ込むんですよ。あの硬いキュウリにヒビが入って来るから。
そうすると、お醤油と、本当はお酢と、お砂糖だけなんですけど、
ワインビネガーで出来るんですよ。という事は、お醤油だけ買ってくれたら、
そこにはもうスタート・ラインで日本食が立てるわけですよ。
お醤油さえ有れば、和食がいっぱい出来るってことにようやく考えついたんですね。“そうだ。お醤油さえあれば何でも出来る、ジンジャー・ポークも出来るし。”
例えば、ホウレン草の胡麻和えを、レストランで絶対食べるじゃないですか、
彼らは。」

<食べますねー。>

「だけどそれが、胡麻和えだったら難しいけど、ピーナッツ和えだったら? 
“ピーナッツ・バター”で和えた物だったら。。。
甘いあれをトーストにつけて食べてるじゃない、
それにお醤油を入れるだけで良いんですよ。」

<美味しそうですね。それー・・・>

「簡単じゃないですか、好きな味になって。甘さが入っているから、
それにちょっと酸味を入れてあげれば。ワインビネガーを
入れてあげれば良いんですよ。
逆にね、ピーナッツ・バターが強いから合うと思います。
日本のお酢よりも(ワインビネガーの方が)。
レモンを搾ったっていいわけですよ。
確かに、あなたがおっしゃる様にね、“味が違う”と。
日本人にとっては、これは本当の日本料理ではないかも知れないけれども。
でもそれでも良いんじゃないかと。。。」


本当の日本料理ではないかもしれないけれど、それでいい、と言い切るはるみさん、

アメリカ人にとっては、あまりにもコンセプトが違って、
難しいと思っていた日本の料理、
でも実は、お醤油だけあれば、日本食が作れる!
これはアメリカ人にとって、目からウロコがおちるような画期的な事です。

そこまでして、世界に日本食を伝える、
はるみさんの心意気を、来週は引き続き語ってもらいます。お楽しみに。
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佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminy