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9月24日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です!

みなさん、最近一期一会な体験しましたか?

旅。。。
人との出会い。。。

かつてに比べて一期一会が少なくなったような?

テレビドラマ、これを見逃すと絶対見られない! 今はDVDが。。。
ニュースでも何でも全部ネットで。。。

そういう意味ではラジオは一期一会?

そしてニューヨークで一期一会といえば、
オフブロードウェイやオフオフブロードウェイの芝居とミュージカル。
オフじゃなく、普通のブロードウェイのロングラン作品、
1週間に8回公演、何年も続いている作品、少なくありません。
でもオフやオフオフの場合、たったの5回しか公演しない、なんて作品も。。。。


あれ、ちょっと待って、
ブロードウェイはわかるけど。。。
オフってオフオフって、なんだそりゃ?
という話しから今日は始めたいと思います。

まずブロードウェイとオフブロードウェイ、
オフオフブロードウェイ、どう違うでしょうか?

基本的には規模の違いです。
まず、ブロードウェイシアターというのは、
客席500人以上の芝居小屋、
日本でもおなじみの、オペラ座の怪人とか、レントとか、ウィキッドなんかも、
ブロードウェイです。

オフブロードウェイは、客席の数が500席以下、99人以上の劇場と
そこで上演される作品。
東京でロングランしているブルーマンは、オフの作品です。

オフでスタートして、ブロードウェイに行く作品も少なくありません。

そしてもっと小さな劇場もあります、
シートは99人以下、
主に新進の劇作家やディレクターが実験的な作品を上演する場所。
こんな小さな劇場がニューヨークのあちらこちらにあります。
ステージセットや設備も限られたもの、
ハッキリ言って劇場はボロいです。
プロの俳優や俳優の卵達が、気合いの入ったパフォーマンスを見せて、
オフオフとはいえ、レベルは高いのです。

しかも、ブロードウェイのようにチケットが高くない。
ブロードウェイだと、1万円くらい当たり前。
オフオフは最高でも2000円以内で、
これまで誰も見た事がない作品が見られるので、オフオフファン結構います。
また、将来オフやブロードウェイで上演するための作品を探している
プロデューサーや、俳優を捜しているエージェントが見に来ていたりします。

そんなオフオフの作品ばかりを集めた、
フェスティバルもあるんですよ。
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フリンジフェスティバル。

ニューヨークでは12年前、1997年にスタートしました。

ニューヨークでは、と言ったのは、もともとフリンジフェスティバルは、
イギリスのエジンバラでスタートしたからです。
こちらは歴史がずっと古く、スタートしたのは1947年。
他にも世界中にフリンジと名がつく、フェスティバルがあります。

もともとは、演劇、ミュージカル、コメディ、ダンスなど、
あらゆるパフォーミングアーツのグループや個人が、
普通の劇場だけでなく、街のレストランや、時には路上で、
自由に上演するというものでしたが、
ニューヨークのフリンジはちょっと違って、
コンテスト形式になっています。

今年は世界から1000組近い応募があり、
そこから選ばれた201組のパフォーマーが、
8月の2週間の期間中に、作品を上演しました。

そしてちょうど今、そこで好評だった今度はもっとしぼられた20組が、
市内の2つの劇場で、アンコール公演をやっているんです。

私も一つ見て来ましたが、すごいですよ!
アラフォーのママたちがロックバンドを組んで、
スターになってしまうというミュージカルなんです。

フリンジフェスティバルでベストミュージカル賞をとった作品。
タイトルは、MOM, THE ROCK MUSICAL、ママたちのロックミュージカル。

ビレッジにあるACTOR’S PLAYHOUSEという小さな劇場、
オフオフなんで、ステージは至ってシンプルです。
ロックコンサートのように、マイク5本、ドラム、キーボード、
コンガ、ギターなんかがおいてあるだけ。

まず女性5人がステージに登場。
いかにも郊外のアラフォーママたち。
あの「デスパレートな妻たち」に出て来そうな女性たちです。
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彼女達が子供達の高校のチャリティイベントのために、
バンドを組む、という設定。。。。でショーが始まるやいなや、
彼女達が自ら、ドラムやキーボードの前に座り、ギターをかかえ、
演奏が始まっちゃいました。
つまり、女優さん自らバンド演奏しながら、歌いながら、台詞もいいながら、
踊る。。。これがけっこう上手い。
ふつうロックミュージカルって言っても、バンドは別にいて、
あてぶりだけするケースが多いんですが、
演奏しながら演技する、ってこれかなりすごいことです。
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演奏があやしい部分も、曲のよさでカバー、
ビートルズやボブ・ディランなどの、
いい曲のエッセンスをうまく使ったオリジナル楽曲で、歌詞がまたよく出来てる。
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子供たちと夫の面倒ばかりみて、いつも脇役の人生にギモンを感じ、
バンドを組んだいきさつから、
ある日突然大ブレイクして、プロのロックバンドになってしまい、
それがもとで5人のうち3人が離婚。。。いったい私達は何をやっているのー?
でもキモチイイ!という5人の思いが、歌になってどんどん飛出して来る。
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しかも、成長した息子からは、
「それがママのやりたい事だからがんばってよ」と励まされる始末。
子供の方がずっとオトナ?
「なぜ私達は、ちゃんとした大人になれないんでしょう?」と嘆きつつ、
反省しつつも、彼女たち後戻りはしないんです。
自分自身の悪いところもいいところも全部うけいれて、
ロック人生突き進んで行く女たち。

んー、今の時代って、ホントに大人になるのが難しい時代なのかも。。と
実感しつつ、終わった時にはなぜかとても元気が出ている作品でした。

残念ながら、ニューヨークでの講演はこの夜で終わり。

でももしかすると、この作品がオフブロードウェイや、
ひょっとしてひょっとするとブロードウェイに進出する可能性だって
ゼロとは言えません。

ママたちのロックミュージカル、
いつかどこかで相見えるチャンスもあるかもしれません。

話は戻りますが、
お芝居やミュージカルは、この一期一会感がたまらないです。

プロでもアマチュアでも。。。チャンスがあったらぜひ楽しんでください!

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminy