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8月27日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポーター、佐藤めぐみさんからの報告です

日本もそろそろ夏休みもおわり
NYも同じ。。。公立の小中高等学校は9月7日レイバーデーの連休の翌日から新学期。
大学によっては既にもう始っているところもあります。

アメリカが日本と違うのは、秋が新学年だということ。
9月入学なんです。

公立学校の夏休みだいたい2ヶ月とちょっと、
長い休みのあと、しかも新学年、9月の新学期はビッグイベント。
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その新学期の準備のために、8月のアメリカは別名、
BACK TO SCHOOLシーズンとも呼ばれます。

何をしているかというと。。。たまった宿題の片付け?ではありません。
アメリカはふつう、夏休みの宿題は出ないんです。

新学期の準備、主に買い物です。
全米のお店はこの時期、大々的に「バック・トゥ・スクールセール」の真っ最中。

ではアメリカの親や学生は何を買っているのか?

BACK TO SCHOOLのショッピングリスト、
もちろん学年によっても大きく違いますが、

大きく分けて、バッグ、服、文房具

まずバッグ、アメリカの小学生は日本のようにランドセルがありませんから、
バックパックが必要。大学生までみんなほとんどバックパックを利用。
アメリカのバックパックマーケットは巨大です。
人気商品は年齢によってさまざま、
小学生に人気なのは、アニメや映画のキャラクター、
今年はトランスフォーマー、ハイスクール・ミュージカルあたりが人気のようです。

服、アメリカの公立学校には基本的に制服がないので、子供達にとって学校で何を着るかは一大事。
子供の世界も大変。笑い事ではありません。
学校によっては、ルースに、上は白いシャツ、
下は黒かネイビーのパンツかスカート、というように指定したりするところも、
少しずつ増えていますが、今のところほとんどが私服。

最後に文房具、
文房具は、基本学校から指定されたものを、自分で買いに行きます。
夏休みも後半になると、これを買ってください、という学校からリストが配られるんですね。
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エンピツ、ケシゴム、シャープペンシル(英語でメカニカルペンシル)ノート、バインダーなど。
ノートはブランドも指定されることもあって、場合によってはそれが地域で売り切れてしまい、
親が困っている場面もあるようです。

そして、そのリストに、これも学校によりますが、
今年は新しいアイテムがお目見えしています。

市内のある小学校から配られたリストには、
ハンドサニタイザー、除菌スプレーです。
これは予想される新型インフルに備えたものですね。

場合によってはリストに80アイテムもあって、全部で2万円くらいかかった、なんていう話も聞きます。

服やバックパックも買って、文房具も買って親も大変です。
そんなお金がかかるBACK TO SCHOOLシーズン、
ちょうど今の時期、ニューヨークのショップでは服や靴の消費税を免除するプログラム、
TAX FREE WEEKが行なわれています。8.35%の消費税が免除、これはかなり大きいです。

またニューヨーク市は特に5人に一人以上、
50万人近い子供達が貧困ライン以下で暮らしています。
彼らがどんなサポートを受けているのでしょうか?

貧しい地域では、地元の銀行などのビジネスが、
文房具入りのバックパックを数百個、場合によっては数千個、
子供達にプレゼントしたり、
指定のバックパックを個人で寄付したり、
子供達全員にちゃんと行き渡るように工夫しています。

そしてつい数週間前、こんなニュースが大きな話題になりました。

生活保護を受けている3才から17才の子供達一人につき200ドル、
およそ1万9千円が
BACK TO SCHOOLの準備金として支給されました。
この寄付を受け取る人で市内あちらこちらで長い列ができました。

この資金トータルで165億円 、その8割は国からの景気刺激対策のお金ですが、
そのうち2割を負担したのは、
アメリカの有名な投資家で、ビリオネアのジョージ・ソロスさん。
およそ33億円をニューヨーク市と州に寄付。
そのお金と、国からの援助金132億円とあわせて合計165億円が
ニューよーク州内の子供達およそ85万人に配られました。

ソロスさんは、
「今は第二次世界大戦後最大の不況、
普通ではない事態には、普通ではない対策が必要。
私のやった事を見て、他の豊かな人にももっと行動してほしいと思ってのこと。」
とコメント。

さらに「寄付の条件は、配るお金に使いみちなどの条件を一切つけないこと。
自分も苦学生だった頃、同じような援助を受けて助かった経験があるからね。」

このソロスさん、世界的に有名な投資家で慈善家ですが、
ハンガリー生まれで今79才、推定資産1000億円以上で世界29位のビリオネア。
これまでに600億円以上を寄付した、と言われています。

アメリカでは今、マイクロソフトのビル・ゲイツなどが本格的にチャリティにかかわって、
オバマ政権のもと、国や地域もいっしょになって、
グローバルレベルでの富の再分配に取り組もうとしています。
不況だからこそそれをやる、という心意気は、
私たち庶民にも勇気を与えてくれますよね。

日本も新学期、そして総選挙、変化の時を迎えているようですね。
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佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminy