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8月18日(火)のフラワーレポーターは南アフリカ・ケープタウンに住んで、14年中村るみさんです!

■南アフリカの公用語=「アフリカーンス」という言語


南アフリカの公用語は11言語あり、国全体で一般的に使われるのは「英語」です。
オランダ系移民なとが多い地区では「アフリカーンス」が話されています。
その他に黒人各部族の言葉(バントゥー諸語)、「コサ」や「ズールー」や「ソト」などがあります。
南アフリカ人のほとんどが英語とアフリカーンスのいずれか、
もしくは、両方を理解できます。
「アフリカーンス」という言語は、ケープがオランダの植民地であったころに、
正統オランダ語を基礎にフランス語、ドイツ語などの欧州諸語さらにマレー語や現地の
言語が融合してできた言語です。
世界には、アフリカーンスを第一言語として使う人が600万人、第二言語として使う人が
1000万人いると言われています。


■サッカー・ワールドカップ関連最新情報 !


開催まで300日を切りました。
南アフリカは貧富の差が大変大きいので、
貧困層はチケットを買いたくても買う余裕がありません。
しかし、貧困層でもこの大きなイベントに参加できるよう、14万枚のチケットが
国内で無料で配布されることが決まりました。
そのうちの4万枚は、各都市のスタジアム建設に携わった人達に配られます。
スタジアムの現場労働者たちは一人2枚のチケットをもらえることになり、
「世界的なイベントが行われる会場の建設現場で働ける機会があった上に、
さらに大きなイベントに自分たちも参加できる」
と、大喜びをしています。


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ケープタウンのスタジアムは12月15日までに完成する予定です。
この間も賃上げストがあって工事が少しストップしたので、予定通り完成するかどうか
心配なところです が、ワールドカップの開催は来年の6月なので、
それまでには余裕で完成するでしょう。


ケープタウンの道路整備や空港の拡張工事が続けられています。空港は年内に完成する予定です。
新しいターミナルは形になってきていますが、道路については、間にあうのかなー、といった感じもします。先月、道路工事の労働者たちが賃上げストをし、工事がストップしていました。
道路工事のために道幅が狭くなったり、迂回ルートを作ったりしていますが、
それが原因で大きな交通事故が起り、高速道路やその付近の一般道路で
大渋滞が発生することもあります。


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↑ケープタウンの街の様子


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↑ケープタウン郊外


ケープタウンはワールドカップ開催期間中のベッド数が55000不足していると言われています。
元・客船のQE2をケープタウンにもってきて、ホテルとして使うことが決まっているそうです。
新聞などでは、「自宅をワールドカップ中に賃貸に出さないか」というような広告が出ています。
夏場、自宅をホリデーメーカーに賃貸に出して、旅行にでかけたりキャンプに行ったりする
ファミリーがあるので、ワールドカップ期間中にもそうやって個人の住宅を賃貸住宅として
確保してベッド数を作ろうということでしょう。
ケープタウンはサッカーの試合開催日だけでなく、他の都市のサッカー会場に観戦に来た人達が
観光に訪れ、他の開催地よりも訪問者が多くなるだろう と予想されています。
泊る所が確保できなければ観光客は来てくれませんので、旅行 関係者も公共機関も、
さらなるベッド数の確保に必死です。


南アフリカはワールドカップ期間中は学校は休みになることが決定しています。
その分、12月~1月の夏休みが短縮されることになっています。


南アフリカは賃上げストが多発していて、それが暴徒化することもあります。
7月末 の公務員のストでは、ゴミの回収がストップし、地区によっては公務員が
道路にゴミを撒き散らしたり、タイヤなどを燃やして交通妨害する事件がありました。
ワールドカップ関連で、スタジアム関係者やバスの運転手、警備員や警察官などが、
ワールドカップの直前にストすることだってありえるので、心配です。


新型インフルエンザも流行しだしました。現在600人くらいの感染者がいると発表されています。
死者も出ています。インフルエンザは冬に流行るものですよね。
ワールドカップの開催期間はこちらは冬にあたります。
来年の冬はインフルエンザが流行し ないようにと祈ります。


この国は公共交通網の整備が遅れています。
ワールドカップまでに路線バス導入をすすめているところですが、そのため、
乗合タクシーといわれるミニバスの運転手さん たちが自分たちの仕事がなくなることをおそれて
反発し、ストを起こしたりしています。先週も大規模なストがおこりました。
そのうえ、路線バスの運転手による賃上げストも同時に起こり、
貧困層の通勤などに大きな影響がでました。


南アフリカは治安が悪いことで知られていますが、警察官や警備員の増員も行い、
ワールドカップ対策をすすめています。
しかし、残念ながらワールドカップに向けて、治安はさらに悪くなると考えられています。
最近は大型ショッピングセンターやスーパーマーケットの現金や高額商品を狙った
強盗事件が多発しています。
南アフリカは世界から注目されていて、仕事を求めて、アフリカ大陸諸国から外国人
が入ってきていますが、実際には国内の失業率は高く、外国人の就労は難しいです。
仕事を求めてやってきた外国人は仕事が見つからないため、簡単にターゲットになる
観光客を狙うことになるだろう、と考えられています。また、現在、スタジアムや空
港、道路整備といった工事に携わる現場労働者たちは、ワールドカップを前に工事が
完了して、みんな失業してしまいます。こういった現地失業者が観光客を狙う犯罪も
多く発生することが考えられています。


南アフリカというと日本のみなさんには、「治安が悪い」イメージがあるかと思います。
実際、治安は決してよいとは言えません。でも、来年のワールドカップは南アフリカで開催されれば
初めてのアフリカ大陸での開催です。アフリカ人はサッカー好き、として知られており、
サッカー人口も多いです。アフリカ中が、自分たちの大陸で自分たちの大好きなサッカーのイベントが
行われることに興奮し、いろいろな期待をしています。
サッカーワールドカップの開催予定地ということで、日本国内でも、南アフリカが注目され
知名度があがってきていると思いますが、このイベントは日本のみなさんにアフリカを知ってもらう、
とてもいい機会だと思います。ワールドカップの開催で、みなさんがアフリカにもっと
興味を持つようになり、それがアフリカのさらなる発展につながればよいと思います。


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↑ウオーターフロントからみたテーブルーマウンテン


■現地の役に立つ一言


現地の言葉で役に立つ一言ですが、「アフリカーンス」の「レカ」(LEKKER)という単語をご紹介します。
これは、もともと、食べ物がおいしいときに「おいしい」という意味で使われたのですが、
今では何にでも使える便利なスラングになっています。
おいしいものを食べているときに、おいしいの意味で「レカ」、お天気がいいときも 「レカ」、
温泉に入ってキモチイーの意味で「レカ」、セクシーな女の子を見たら 「レカ」。
アフリカーンスの単語ですが、英語を母国語とする人も、「great」や 「cool」などのかわりに使い、
南アフリカ独特の英語になったといってもいいくら い、広く一般的に使われ、便利なことばです。
ケープタウンに旅行に来られて、 「かっこいいね」とか「すごいね」と言いたくなったら、
「クール」の代わりに「レ カ」と言ってみてください。


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↑カラーとよばれるサトイモ科の白いお花は生け花でも有名ですが、南アフリカ原産の植物で、こちらでは、今、ケープタウン郊外の道端などでよく見られます。


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↑ケープタウンの観光ハイライトの喜望峰。