« 【Webラジオ】8月26日(木) アメリカ ニューヨーク | メイン | 【webラジオ】8月30日(月)タイ・パタヤ »

8月26日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

突然秋に! 3日連続最高気温が20度前後。しかも雨。
ツーリストはタンクトップに短パンでブルブル! という毎日。
週末はまた少し気温があがるようです。

夏も名残惜しいですが。。。
秋になるとなにげにアメリカ人が楽しみにしているものの一つ、
テレビのニューシーズンです。

アメリカは習慣的に、テレビの1シーズンは秋に始まって春に終わるのが普通。
ヒットドラマも、Office、Fringe、Houseなどは、
夏の間3〜4ヶ月ずっと再放送だから、
みんな「早く秋になってニューエピソードを見たい!」

中でも私が楽しみにしているのは、ドラマではなく
Saturday Night Live!!(縮めてSNL†)
サタデーナイトライブは毎週土曜日にNBCで生放送しているバラエティショー
毎回セレブが司会、スーパースターがパフォーマンス。
(8時だよ全員集合みたいな?)
アメリカには長寿番組が多い。こっちはドラマでも5年続いて
やっと一人前のヒットドラマ、と言ってもらえるんです。そんな中このSNLもう35年続いている。
出演ゲストは司会だけでなく、お笑いのスキットにも参加。JLO, BRITNEY, JUSTIN TIMBERLAKE, TOM HANKS, ROBERT DENIROなどなど
パフォーマンスのゲストもU2, LADY GAGA, BON JOVI, ALICIA KEYSなどなどなど!

http://www.nbc.com/saturday-night-live/

このアメリカを代表する番組の制作スタッフに、日本人の若者がいるんです!
しかもこの人は日本のテレビ業界を飛出して、単身ニューヨークに渡りチャンスをつかみました!

根本龍一さん
nemoto.jpg

昨シーズンアシスタントプロデューサーとしてデビューしました。


もともとテレビ東京の動物バラエティ、「ペット大集合ポチたま」のディレクターでした。
そんな根本さんに転機が訪れたのが5年前。
「フレンズ」のような何年も続くアメリカのコメディドラマを作りたい!と思ったのがきっかけ。
ただし、アメリカにいったからといって、仕事があるわけではありません。
特に4大ネットワーク、NBCのしかも大ヒット番組のプロデューサー
競争率は高い! というより、こういう仕事はめったに求人があるわけでもないし、
業界に知り合いもいない。
いったい根本さんはどうやってチャンスをつかんだんでしょう?

「SNLのディレクターがたまたまウチの学校の授業にゲストスピーカーとして来た時に、
これはいいチャンスだと思って授業の後に「インターンとか人募集してませんか」
という話を聞きに行ったところで、他のプロデューサーのemailをゲット、
インタビュー(面接)をしてインターンになったと。」

 —自分を売込んだわけですね?

「非常にここが苦手でめったにしないんですけど。
本当はもっとやらなくてはいけないんですけどね。チャンスをつかむためには」

 —アメリカでチャンスをつかもうと思ったら、そのくうらいどんどん売込まないとですね。

「もうチャンスの尻尾を見つけたらつかめってよく言われますけど。バーだろうが何だろうが
どこにでも行って色んな人と話して、自分が好きなことを話して、相手が興味を持って
乗って来たり。ラッキーだったらその人が同じ興味を持ってくれる人に紹介してくれるかもしれない。
人と出会える場所にはどこにでも行って、なるべく話すようにはしてますけどね。」

 —あ、ここだというところで尻尾をつかめたわけですよね。いつもそうやって心がけていたから。

nemoto2.jpg

チャンスの尻尾をつかんだ根本さん。
サクセスへの第一歩を踏み出したんですが、毎日がチャレンジ。
英語だってネイティブみたいにわからない、だからヤバイ!と思う事もあったといいます。

「やばいと思った事あります、一度ですね。ミーティングが開かれていて、
一番偉いディレクターが何かコトバを言ったんですよ。これをグーグルしてくれ、
ネットで調べてくれって、何か単語を言ったんですが、それはバンドの名前か何かだったんですが
全然聞き取れなくて。だけどそのミーティングルームには
プロデューサー、ライター全員いたんですね。そこで恥ずかしくなってしまって
聞き返せなかったんです。

でもとりあえず、じゃあ調べてきます、と言って部屋を出たんですけど、
コンピューターの前に立って、“どうしよう、何て言ったかわからない”となってしまったんですが、
その時にたまたま、僕は非常に同僚に恵まれているんですよね、
同じくらいにプロデューサーが一人いるんですがその人が携帯でテキストメッセージを送って来て
“今言ったのは○○だよわかった?” ていうメールを送ってくれたんですね。

僕はそれで“あー助かった”と思いましたね。本当に優しいんですよ彼。
後で彼に“何で、わからない、ってわかったの?”と聞いたら、
“顔にそう書いてあった” と言われて、そうかなーと思いましたけど、非常に助かりました。」

やさしい同僚のおかげでなんとか1シーズン乗り切った根本さん。
でも現実は厳しい!アシスタントプロデューサーとしての契約は1シーンズンごと。
うまくいってこれからも活躍できるよう応援していますよ根本さん!

ちょっとここで話はかわって、
SATURDAY NIGHT LIVEというのは、ブリットニーやJLOなどの
セレブゲストも参加してくり広げるお笑い番組。
よく日本とアメリカは笑いのツボが違うと言いますよね。
根本さんにその違いを来てみましょう。
SNL.jpg


「僕日本のお笑いは完全に、フィジカルコメディだと思います。フィジカル、体で表現する。
声のトーンで表現する。顔で笑わせる。アクションで笑わせる、というのが
日本のコメディだと思います。でもアメリカはそういうフィジカルなものはまずありえないので、
完全に文脈、言葉で笑わせるんです。」

 —よく風刺がきいている、って言うじゃないですか? 社会ネタとか政治ネタとか?

「うん、みんなが思ってるんだけど普段言えない事を、そのまま言っちゃう。
人種的なネタとか性的なネタ、ゲイとかレズビアンとか、
そういう事っておおっぴらには普段は言えないんだけれど、
でもみんなそういうデリケートな問題に対して何らかの意見を持っているじゃないですか。
それをこう、“言えないんだけど、あ!言っちゃった!”ていう面白さ。」

 —意地悪くじゃなく、面白く言っちゃうみたいな?

「そうそう」

そう、アメリカはあくまで「言葉で笑わせる」のが基本。
でもここ数年アメリカでは、日本のお笑いをYOUTUBEで見る人が増えて来た。
日本のお笑いはコトバじゃなくアクション中心だから、言葉が通じなくてもわかりやすいんですね。

テレビでも「たけし城」が放送されたり、「サイレントミュージアム」のアメリカ版が作られて
MTVでオンエアされたり、日本のお笑いも少しずつ入って来ています。

根本さんもそういう2つの笑いのかけ橋になれたら、と言っていましたが、
別の国から来た同士でも、同じネタで笑い合えれば心が通いあうってもんですよね。

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers