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井門的ロック名盤-その弐-

さぁさぁ!!昨日からいよいよ始まった【井門的ロック名盤御紹介】!!
それと併せて開設したこの特設Blogも充実のラインナップ(…そうなのか??)
毎日が自問自答のロック名盤紹介ではございますが、引き続きお付き合いいただければ幸いでございます。
昨日はMR.BIGとTHE JAMでした(並べてみると全く毛色が違いますね…)。
今回はこの企画実施にあたり、改めてじっくりと選んだ名盤達を聴きこんでいるんですが、
名盤の名盤たるゆえんを肌で感じている井門32歳でございます。やっぱり凄いのです。
「何が凄いのよ!?」と言われても「これ!!」とははっきり言えないのですが、う~ん強いて言うなら迫力??みたいな??
例えば…音楽は、作品を発表した瞬間から、もうその作品はアーティストの手を離れていきます。
後から何かを加えてやり直したりってのは基本的に出来ません(出来てデジタルリマスター)。
と言う事は、世に出た時に既にそのアーティストの、その瞬間の完全体であるわけです。
CDショップに行くと様々なアーティスト達のそれこそ多種多様なアルバムが山の様に並んでますよね?
あれはだからもう完全体同士のガチンコ勝負っちゅうな事になるわけです。
例えて言うならCDショップに並ぶアーティストは既に平幕力士。
その中で、ぢゃあ名盤は何が違うのか??と言うと、店頭に並んだ時点から既に横綱である、と。
段々昇格していくんぢゃあなくて、もういきなり横綱なんです!!
生まれた時から朝青龍なんです。生まれも育ちもモンゴルなんです(謎)。

う~ん……この例え、果てしなく分かり辛いですね…自分で書いていてよく分からなくなってきました(苦笑)
まぁ兎に角、名盤とは時代は移り変わり若い才能がどんどん出てくる音楽業界において、
その色を決して褪せさせる事もなく、むしろ輝きを増し、且つ若手アーティストへの影響力も大きい物であると。
えぇ、まぁそういう事です。うわぁ…ザックリしちゃったよこの人…。

さっ、では気を取り直して本日の名盤紹介いってみましょー!!


ZIGGY_STARDUST.JPG

ついに来ましたDAVID BOWIE!!
「アーティストでは誰が好き?」と聴かれた時に最初の5人に入っているのが、DAVID BOWIEです。
もう最近は【ロック・スター】って言葉を聴かなくなりましたけど、彼やQUEENなんかはそうでしょう!
【アーティスト】ぢゃなくて【スター】。カリスマ性と神秘性と、誰もが知っているという知名度と。
カリスマ性だけで言うならNIИのトレント・レズナーなんかもそうなんでしょけど(今年のサマソで見たけど凄かったデス)、
ここに【時代】なんてのも加味されてきますから、やっぱり今は【ロック・スター】って出てこないのかもしれません。

そんなDAVID BOWIEが72'に放った5thオリジナルアルバムが『ZIGGY STARDUST』です。
細かい内容をザックリ言えば(やっぱザックリするのね)、このアルバム、当時としては珍しいコンセプトアルバムです。
架空のロック・スター【ジギー】をボウイは作りだし、そのジギーの成功と失墜を描いた作品がこのアルバム。
このアルバムは高校生の頃に出会ったのですが、当時は難しいコンセプトとか全く知らず…。
ただ「なんじゃこの格好良さはー!!」と鼻息を荒くしたもんでした(笑)
大学生になって作ったBANDのギタリストもグラム好きで、よくスタジオで練習してる時に、
ZIGGY STARDUSTのイントロリフなんかを弾いて歌っていたもんです。
皆さんもまず小難しい事は抜きにして、とにかく一度このアルバムを聴いてみてください。
この人の格好良さにしびれること間違い無し。
個人的にはギターのミック・ロンソンが好きなので、このアルバムが気に入った方は是非、
『Motto The Foople』の『全ての若き野郎ども』もチェックして欲しいなぁ…。


続いての1枚はこちら!!


Both_Sides_Now.jpg

「女性アーティストで誰が好きですか?」と聴かれたら、
多分質問の途中で「JONI MITCHELL!!」と言ってると思います。
好きなアルバムがあり過ぎてどれにしようか悩みました。
はいっ、聴こえてきますよー。色んなところから聴こえてきます。「何でJONI MITCHELLがロックなんだよっ!!」という声が…。
ましてやこの00'にリリースされた『BOTH SIDES NOW』なんて、ジャズのカヴァー集ですし…。
いえ、きっとそういう意見も多いだろうなぁと思ったんですが、
井門的に言うと60年代から活躍を続けるJONI MITCHELLは、もう生き様がロックなんです。
「あっ、逃げた…」と思わないで下さい!!生き様云々は抜きにして、
でも80年代の彼女のアルバムはちょっとロックだったりします。好きです。

JONI MITCHELLと言えば71'リリースの『BLUE』も超名盤なんですが、
今回敢えて00'リリースという比較的新しいアルバムを持ってきたのには理由があります。
ここには彼女のセルフカヴァーも2曲収められているんですが、
時を経て円熟した歌声の素晴らしさが、もうジワ~っと作品全体から醸し出されている。
カヴァーしているのは前述のアルバムに収められていた『A Case of You』と、2枚目に収められた『Both Sides Now』。
30年近く経って再び彼女が歌うこの2曲は、軽快なギターのリズムは重厚なサウンドに、
突き抜ける青空の様だった声は、スモーキーで憂いを秘めたものに変化しました。
『変化こそがわが人生』…これは彼女が常に口にする言葉のひとつなんですが、
このアルバムにはまさにそんな彼女のアーティスト人生の変遷が詰まっているんです。格好良いんです!!

ちなみにオーケストラアレンジと指揮を手がけているのは、ヴィンス・メンドーザ。
彼はこのアルバムのアレンジでグラミー賞も獲得しています。
果てしないスケール感を支える編成は、何と最大で71人ものミュージシャンが参加!!この壮大さも聴き所。    
どれをとっても完璧なバックが支える中、それでもやっぱり彼女の存在感には敵わないんだよなぁ。
アルバムジャケットは自ら描いた肖像画。バーカウンターで煙草の煙を燻らせながら、
憂いのある表情でこちらを見つめるJONI MITCHELLの目には何が映っているんでしょう?

    【Both Sides Now】

先程も書きましたが、この曲のオリジナルは彼女の2枚目のアルバムに収められています。
「恋というものがどんなものなのか、私にはまだはっきりと分からない。」そう歌った彼女。
それから30年以上の月日が経って、再びこの曲を歌うJONI。

「結局人生にも恋にも、正しい答えなんてないのよ。」

ひょっとしたら彼女は、そんな事を言いたかったのかもしれません。