PROGRAM  No.2017-048  11/30〜12/04  ON AIR
写真:坂崎幸之助 ←クリック 『坂番洋楽データファイル(略してSYDF)』
第152回
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今回は「ヒ」で始まるアーティストの7回目。ビーチ・ボーイズ特集の中編です。

『ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)』*中編*
★若き坂崎少年がビーチ・ボーイズに出会って、とにかく聴きまくったのが1964年発売の初のライヴアルバム『ビーチ・ボーイズ・コンサート』。
 ♪ファン・ファン・ファン(Fun,Fun,Fun)
  *『ビーチ・ボーイズ・コンサート』のオープニング曲
  *オリジナルのシングルは1964年に全米5位を記録。
  *歓声で演奏がかき消されていたためレコードと同じ音源を後からかぶせて補正。
   そのためテンポを合わせるためピッチが早くなっています。
   また、スタジオ音源からオルガンを抜いて
   カール・ウィルソンのリードギターを後からダビング処理しています。
 ♪グラデュエイション・ディ(Graduation Day)
  *フォー・フレッシュメンのカバー
★この『ビーチ・ボーイズ・コンサート』はビーチ・ボーイズにとって、初の全米ナンバーワン獲得作品で、 「ロックンロール・バンドのライヴ盤としても初の全米1位を記録したアルバム」なんだそうです。
★1964年初冬、あまりの忙しさにブライアン・ウィルソンは、ついにマリファナに手を出しその後のドラッグ漬けの第一歩を踏み出してしまいました。
常にレコード会社からヒットを要求されるプレッシャー、眠る時間もないツアーの連続、そして時代的には社会現象ともいえるビートルズ旋風。
元々、繊細な神経のブライアンは次第に精神状態も悪化。
「今後一切、ツアーには参加しない」と宣言しスタジオワークに没頭。
1965年7月、ブライアンは、ハル・ブレイン、キャロル・ケイ、ビリー・ストレンジなどのスタジオ・ミュージシャン達(レッキング・クルー) を集めて新曲のレコーディングをスタート。
その曲が、バハマ諸島の民謡だった「スループ・ジョン・B」。
これはフォークソングに造詣の深かったアル・ジャーディンが、当時のフォークロックブームを念頭にブライアンに勧めたもの。
 ♪スループ・ジョン・B(Sloop John B.)
  *1966年にシングルとしてリリース。全米3位を記録。
★1965年12月、ブライアン・ウィルソンはビートルズの新作『ラバー・ソウル』を聴いたそうです。
ブライアンが聴いたアメリカ盤『ラバー・ソウル』の1曲目は「夢の人(I've Just Seen A Face)」。
アコギを多用したフォークロックなこの曲をはじめ、シタールなど意外な楽器が使われた『ラバー・ソウル』に打ちのめされたブライアン・ウィルソン。
これを超えるアルバムを作るべく最初にレコーディングしたのが先程の「スループ・ジョン・B」。
毎日スタジオにこもりピアノの前でデモ作りに没頭。
そして約4ヶ月の間、27回のセッションの末、世紀の名盤『ペット・サウンズ』完成。
 ♪素敵じゃないか(Wouldn't It Be Nice)
  *『ペット・サウンズ』のオープニング曲
  *シングルとしても1966年に全米8位を記録
 ♪神のみぞ知る(God Only Knows)
  *シングルとしては1966年に全米39位
 ♪キャロライン・ノー(Caroline No)
  *シングルとしては1966年に全米32位
★レッキング・クルーによる演奏で、ブライアン以外のビーチ・ボーイズのメンバーはボーカルとコーラスのみの参加という『ペット・サウンズ』。
『ラバー・ソウル』超えを目指したブライアンにとっては、全米アルバムチャートで10位という不本意な成績で、ますますドラッグに溺れる日々を過ごしていきます。
ちなみに、ビートルズのプロデューサー、ジョージ・マーティンによると“『ペット・サウンズ』がなかったら『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』 は生まれなかっただろう。”とのこと。
 ♪グッド・ヴァイブレーション(Good Vibrations)
  *1966年、ビーチ・ボーイズにとって3曲目の全米1位を記録。
★名盤『ペット・サウンズ』のレコーディングでも作られた「グッド・ヴァイブレーション」ですが、ブライアンの意向で『ペット・サウンズ』には収録されませんでした。
ちなみに、最初はブライアンがリードボーカルをとったそうですが、最終的には弟のカール・ウィルソンが担当。
そして「グッド・ヴァイブレーション」の特徴は、当時ブライアンが凝ってた楽器“テルミン”が使われ、ボーカルダビングは25回〜30回。
7ヶ月の間、4つのスタジオで90時間以上の録音テープに録音された・・ということ。
ブライアン曰く「ポケット・シンフォニー」と呼ぶにふさわしい壮大なナンバーに仕上がっています。

●次回のSYDFはビーチ・ボーイズの後編です。お楽しみに!