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木村剛(金融コンサルタント)×岡田克也(民主党代表)

 
“優等生”というイメージがついている民主党だが……。
第二次小泉内閣発足にあたり、民主党代表の岡田克也に、今の民主党の意気込みを聞いてみた……。

第二次小泉内閣発足に際して、今の率直なご意見は?
木村 「民主党のネクスト・キャビネットの大臣と、小泉改造内閣の大臣と1対1で討議させたら、何勝何敗くらいになりますか?」
岡田 「圧勝できると思いますよ。今度の新内閣のメンバーを見ても、負けそうなところは数えるくらいしかない。それくらい力量に差があると思います」
木村 「年金の問題ですと、厚生労働大臣の尾辻さんと横路さんですが、圧勝できますか?」
岡田 「圧勝できると思います。尾辻さんが年金について語っているところってあまり聞いたことがないですからね」
木村 「総理大臣同士は?」
岡田 「正面から議論すれば……。小泉さんは、かわしたり、すりかえたりする技術をお持ちですから。そいうことに幻惑されないように、しっかり地に足がついた議論ができればと思います」
木村 「民主党の次の政策は?」
岡田 「いろいろとありますが、国内では政治と金の問題ですね。とんでもない状態ですから、いま。1億円もらって忘れてしまいましたですからね。リクルートのときは、少なくとも自民党の中で大きな問題がわきおこったわけです。今回はまったくそういうこともなく、フタをしてしまおうというのが政府の姿勢です」
木村 「反省の色なし?」
岡田 「反省の色なしです!!」
 
クリーンな政治を目指して
木村 「もし民主党が政権をとったら、どういうふうに政治がクリーンになると国民に示してくれるのでしょうか?」
岡田 「たとえば、民主党がいま実施しているように、監査法人による外部監査を義務づけるとか」
木村 「民主党はいつから監査法人を?」
岡田 「私が幹事長になってからです。今回の日歯連1億円献金事件にしても最大の問題は迂回献金です。迂回献金とは、党本部や国民政治協会という濾過装置を通せば、たとえ大臣が受け取っても賄賂にならないわけです。政治資金にはいろいろな規制がありますが、迂回すればそういう制約を軽々と越えることができ、業者のお金が自民党からの献金になってしまうわけです。そういうことをきちんと正して、止めさせる仕組みをつくっていかなくてはいけないと思います」
木村 「そうは言っても、国民から見ると、民主党は本当にクリーンか?というところがあると思いますが」
岡田 「これから民主党もいろいろな意味で資金調達していかなくてはいけません。今は97%が税金ですから、あまり大きなことは言えないんですよ。もちろん個人献金が中心であるべきですが、企業からの献金も増やしていきたい。その中で変な癒着がおこらないようにするということが大切です。ここは代表や幹事長のリーダー・シップの問題だと思いますよ」
木村 「では、民主党は自民党と違って、企業との癒着が起きないということを、どういうふうに担保されますか?」
岡田 「少なくともお金の受け取り方に関して、クリーンにオープンにしていくということですね。もっとも今は、お金をほとんど受け取っていないのでクリーンということなんですが。今、年間100億くらいの予算の中で、自分たちが集めているのは3億円くらいしかありません。97%は税金です。これは別の意味で恥ずかしいと思います。完全に国に依存していて国の機関みたいなものですよね、資金を自己調達していないわけですから。そういう点を改めていかなくてはいけない」
木村 「ところで、民主党が官僚の人事権は政治家が持つんだという方向性を出されたのは正しいと思います。ただ一方で、本当にできるのか?とこれまでにも何度か試された方もおられますが、そのつど相当の抵抗を受け、志半ばで終わったケースが結構ありますからね」
岡田 「それは今まで政権が変わったことがなかったからです。政権が変わったら、当然違いますよ」
木村 「どのクラスまで辞表を出せと?」
岡田 「局長クラス以上の幹部は変わるのが当たり前ですよ。あとはその時の総理大臣がどれだけ頑張れるかということですね」
木村 「人事権を押さえることができれば政策を変えることもできますが、そのためには議員にも相当な力がないとダメですね。民主党にはそういう準備がありますか?」
岡田 「準備はしてあります。この10年間でどんどん若い人間が力をつけて育ってきました。政策論でも相当根本的な議論をしていますから、それだけの力量のある人がかなり増えたと思います」
木村 「それがなければ、今まで官僚がやってきた部分をなくしただけで、頭のないクジラみたいなことになってしまうということですね」
岡田 「政治家自体がしっかりするということが大前提です。だから政策議論とか青っぽい議論も含めてしっかりやれるような党にしないと意味がないですね」
木村 「岡田代表は、どうして政治家になろうと?」
岡田 「その前は国家公務員でしたが、身近で大臣とか政務次官を見ていて、その人たちが本当に政府や省庁をリードしているとは思えなかったからです。それじゃ官僚が全部できるかといえば、大きな方向性は官僚が決めることはできません。決まった枠の中で効果的にやるのは日本の官僚は優秀ですが、やはり大きな方向づけは国民から選ばれた政治家がやるべきことです。ちゃんとした政治家がたくさん出てこないと国がつぶれるし、国民にとっても不幸です。じゃ、いなければ自分でやろうと思ったわけです」
 
政治家になろうと思ったきっかけ〜民主党の展望
木村 「実際に政治家になってみていかがですか?」
岡田 「政治家にとって大変なのは、地元をしっかり固めることです。これは相当なエネルギーがかかります。金曜日に国会が終わったら地元に飛んで帰って、金曜の夜、土曜、日曜、月曜とひたすら回ります。大変ですがこれは政治家にとって大事な部分です。1軒1軒回って、1日で100件、200件回り、ミニ集会をやって意見交換をします。また、地元の中小企業を訪ねて働いている人と握手しながら現場を見せていただくとか、そういうことを通して政治家というのはできていきます」
木村 「岡田代表も?」
岡田 「私は比較的にそういことが好きだったものですから、体力的にはしんどかったですが、10年近く楽しくやらせていただきました。最近はなかなか地元に帰ることもできなくなってしまいましたが」
木村 「これから民主党にどういう人を集めたいですか?」
岡田 「やはり、志のある人ですね。今の政治を何とかしたい、日本をなんとかしたいと思っている人です。政治家といっても、そうでない人もいますからね」
木村 「そういう人材が分かりますか?」
岡田 「つき合っていけば分かりますよね。危機的局面のなかで、その人がどう動くかということで」
木村 「民主党が正論を言ってもマスコミは冷たくて、与党ばかりにカメラが行ってしまって野党に目が行きません。これからは民主党の考えていることを多くの人に知ってもらう“場”をうまく作る工夫が必要だと思います。頑張ってください!」TOP

<岡田克也>
1953年7月14日生まれ。国会議員、民主党代表。三重県四日市市生まれ。東京大学法学部卒業後、通商産業省入省。88年大臣官房企画官を最後に通商産業省を退職し、衆議院選挙に三重県から出馬を表明。90年2月衆議院議員選挙に初当選。93年に自民党離党、新生党を結成。94年新生党を発展的に解消し、新進党結成に参加、二大政党制を目指す。2002年民主党幹事長に就任。現在は民主党代表。
 
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