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VOLUME 01

肩書き無用! 中曽根康弘
  衆議院議員を辞し、現在の心境を詠んだ句がある。それは広くマスコミで報じられた。

〈この酒も 味わいあらた 職を辞す〉
〈何もかも 人生劇場 秋日(あきひ)入る〉


もうひとつ、番組でのみ披露していただいた句がある。「このまえのね、いろんな問題に腹が立ったんだけどね。座禅を組んで、詠んだ句があるの。

〈五十年 怒り静めたる 秋夜(しゅうや)かな〉


座禅をし、心を落ち着けて平常心に戻ったんです。私は今まで怒ったことがない男なんです、50年国会やってて。50年の怒りをあそこでやったんですよ。座禅をやって、呼吸法で怒りを静めたんですよ」

その議員定年制について―
「政治家は選挙民が選んでのみ辞めさせることができるんです。党が約束を破って辞めさせるというのは議会主義に反するね。年寄りはひっこめ! 若い者が出ろ! という考えがあったんでしょう。それは一般的に見たら私もそう思うよ。でも特別の約束があったわけだからね。憲法上に保障されている議員の職責、使命に徹しろということを考えれば簡単に辞めることはできなかったんだね。」

小泉総理については?―
「(世間でいわれるところの)つまり変人首相が出てきたと。それは社会が変人社会になったからですよ。1990年代の既成の勢力を壊して新しい時代を築けという国民的にうっ血したものがあってね、それに小泉さんはのってね、自民党をぶっ壊すといって、みなさんのたくさんの支持を得て総理になった。でも実際に、いざ政治になると”大統領的首相“が必要になる。私もやってきたけど。国民の支持を背景に法律を通していくというやり方。現実問題、総理大臣は議会から選ばれる。だから議会や政党を無視できないんだよね。無視すると、法律が通らない。そこで”議員内閣的総理“ということが必要になる。私は”総理“と”首相“の役割りを両方やったつもりですよ。だから国鉄の民営化、電電、タバコの民営化をなしえた。小泉さんは”首相“はやってるけど”総理“は弱いね。自民党との関係とか。議会との関係がだめだね。だから今後どうなるか見てるとこだけどね」

議員生活に区切りをつけられ、まだ煮え切らないものがあるかの問いに―
「私の顔を見てくれればわかるでしょ? にこやかでしょ? 人生劇場ですよ。人生劇場の国会篇が終わり、今度は人生劇場の自由人篇が始まるんです」 TOP
 
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