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7月10日(火)のフラワーレポーターはスペイン・パンプローナから菅原千代志さんです!

◆パンプローナは、どんな街ですか?


スペイン北東部のフランス国境にち近いピレネー山麓の町で、ナバラ県だけで構成するナバラ自治州の州都です。ナバラは日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの故郷で、ザビエルの生まれたザビエル城は40キロほど南にあります。


◆「牛追い祭り」がどんなお祭りか教えていただけますか?


どの地方や町にも守護聖人がいますが、パンプローナの守護聖人はサン・フェルミンで、その守護聖人を奉るお祭りで、正しくは「サン・フェルミン祭」です。スペインのお祭りでは闘牛が行われますが、夕方行われる闘牛のために、朝、町の外の牛囲いから闘牛場まで牛を追い込んで移動させます。この牛の追い込みを「エンシエロ」と呼びますが、これが人気となって「牛追い祭り」と呼ばれるようになりました。人気の高まりで、牛の走る小路は人が多く、ラッシュ時の電車の車内のようで、見物するのも大変です。本来の祭りの趣旨から言えば、聖人像が教会をでて旧市街を練り歩く行列が重要な催しです。そして、家畜市や巨人人形の行列、フォークダンス、地方特有のスポーツである「石担ぎ」「丸太切り」などの競技会、音楽イベントなどが催され、6日の正午開会し14日の深夜12時に閉幕します。特に開会時の群衆の熱狂はものすごく、ヘミングウェイは小説「日はまた昇る」の中で、「祭りが爆発した」と表現しています。因みに、ナバラの守護聖人はフランシスコ・ザビエルです。


◆「牛追い祭り」の見どころ・一番の盛り上がりは、どんなところでしょう?


祭りのハイライトになっている「エンシエロ」は、8日間毎朝行われるのですが、狭い街路を区切って牛を走らせるので、間近に見るには数時間前から場所を確保しなければなりません。しかし、祭りの終盤には観光客の数も減るので、いくらか場所の確保が容易になるといえるかも知れません。いずれにしろ、祭りの騒ぎは昼夜を問わず続くので、相当の体力が必要です。


◆菅原さんが、毎年、「牛追い祭」に参加するようになったのは、「ヘミングウェイ」の「日はまた昇る」が関係あるそうですね?


ヘミングウェイが好きで、30年ほど前、スペインの友人にヘミングウェイの出世作でもある「日はまた昇る」の舞台を見に行こうと誘われたのがきっかけです。何年か行くうちに、気がつくと多くの友人ができていました。彼らと気持ちを一つにできるのがこのお祭りなのです。


◆「牛追い祭り」に参加して、菅原さんが受賞した外国人向けの賞というのは、どんな賞なんでしょう?


外国人賞というのは私の勝手な日本語訳で、バスク語で「GUIRI de Ano= 外国人年度
賞」を訳したものです。毎年、お祭りに貢献した外国人が一人選ばれ、私は6人目に当たります。受賞理由は各人様々で、私の場合は30年近くお祭りを取材し続けた日本人写真家というのが理由でした。因みに、私の前はイギリスの人、その前は私の友人でもあるNYの闘牛協会会長という女性。私の後(昨年)はヘミングウェイのお孫さんでした。


◆「牛追い祭り」について、メッセージをお願いします。


できるだけ多くの人に、この祭りの楽しさを知ってもらいたいという気持ちでいっぱい
です。巷間伝わっているような「毎年死傷者が出る」危険なお祭りというのは間違っています。もちろんゼロではありません。それは何処でも、どのお祭りでも同じで、きちんとした情報があればいくらでも回避出来るのです。その上で、お祭りを満喫して欲しいと思います。


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