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4/19(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

セントラルパークにも緑が萌えだし、美しい季節ですが、
月曜日の最高気温はなんと29度で街は一気にショーツ&サンダル状態、

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なのに昨日は20度、
今は9度しかない。。。
もう何を着ればいいのかわかりません!

この異常な気温の乱高下で風邪をひく人続出、
さらに今年は史上最悪の花粉シーズンらしく、
今日のNYのPOLLEN COUNT(花粉指数)はVERY HIGH
花粉を飛ばしている木はクワ、オーク、そしてプラタナス、
こう暖かいと誰の頭をもよぎるのは、地球温暖化。。。

22日日曜はアースデー。
ニューヨークでもグランドセントラルステーションやタイムズスクエアで
恒例のアースフェアを開催。
エコグッズの販売や展示、エコカーのショーや植物の配布なども。
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そんな中でいったいニューヨークのエコ事情は実はどうなっているのか? というと、

ニューヨーク市にはPLANNYCという全米でも最もプログレッシブな
環境プログラムがあります。
その動きはイエローキャブのハイブリッド化から、
リサイクル、水質改善、再生可能エネルギーまで多岐にわたっています。
その中に、マンハッタンの摩天楼のグリーン化があります。

そうは言っても、マンハッタンを歩いただけでは、
何がどう変わっているのかほとんどわかりません。

その変化は、外からは見えないビルの屋上、または地下、
そして内部で起こっているからです。
摩天楼の街、マンハッタン。
ここで起こっているビルが主役のエコ事情、
今日はぜひ覚えておきたい2つのトピックをお伝えしましょう。

まずはアップタウンスタジオから地下鉄に乗って、
ダウンタウンに向かいましょう。

マンハッタンの南のはし、ワールドトレードセンターに建設中の
1 WORLD TRADE CENTER
2013年に完成すれば、地上104階、
ニューヨークはもちろん、アメリカで一番高いビルになります。
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今は骨組みがもう100階まで到達、
夜は照明が煌煌と輝いて、かなり遠くからでも見える、既に貫禄十分です。

実はこの1 WORLD TRADE高いだけじゃない!
世界でのトップクラスのエコビルディングなんです!
もちろん世界基準のひとつである、LEED基準のゴールドスタンダードをクリア。

ビルの建材75%はリサイクル素材
400基の燃料電池での自家発電
その燃料電池から出る熱で暖房
雨水、そして近くのハドソン川の水を使って冷房
などなど、カッティングエッジのテクノロジーがてんこもり。
ビル内で使うエネルギーの7割は再生可能なグリーンエネルギーになるそうです。

ニューヨーク、そしてアメリカを代表する建物は、
世界有数のエコビルディングとして未来の建築をリードしてくれそうです。

どはいえ、築100年なんていう建物がわんさかある古い街マンハッタン。
エコビルディングと呼べるのはまだ50カ所程度

でも古い建物でもこんなにエコできる! というすごい例をご紹介します。

また地下鉄に乗って、マンハッタンのお隣の区、ブルックリンに行ってみましょう。

到着したのはサンセットパークという、
最近は日本人の学生もけっこう多いコミュニティ。
ここにある元海軍の倉庫だった巨大な建物。

ここの屋上を、ものすごく大きな温室にする計画が発表されました。
その広さはなんと10万スクエアフィート=9千平方メートル。
ここでニューヨーカーが食べる野菜が栽培されるのです!

実はこうしたルーフトップファームは今ニューヨークに確実に増加中。
すでにマンハッタンから地下鉄で30分圏内に、
5つの巨大ルーフトップファームが存在しています。
中には畑からマンハッタンの摩天楼が一望できるすごいファームも。

古い建物の屋上を農園にしようという動きは、
個人や会社などあらゆるレベルで盛んになっています。

この巨大屋上温室を手がけているブライトファームという会社は、
ニューヨーク中のスーパーマーケットの屋上に農園をつくろうという
プロジェクトのリーダーでもあります。
屋上で作って下で売れば、運送にかかるガソリンが必要ないし排気ガスも出ない。
もちろん新鮮な野菜が食べられるというメリットもあります。

それも自分で作ればただ。将来の食料危機に備えて、
サバイバルのための自宅屋上農園を考えている人もいたりします。

農園まではいかなくても、緑を植えてグリーンルーフにするだけで、
建物の温度を下げて節電になったり、まわりの空気がきれいになる、
雨水の再利用などメリットが多い。
マンハッタンでは中央郵便局の集配センターの屋上がグリーンルーフで
知られています。
気がついたらマンハッタン中の屋上が緑でいっぱいになっていた、
なん時代が来たらいいな、とニューヨーカーは夢みています。

一方で実は、アメリカ人のエコ意識は3年前に比べて微妙に後退している。。
という気になるデータもあったりします。

長びく不況でエコどころではない、というのが庶民の本音だったりしますが、
そういう中で、ビジネスワールドが率先してエコを実現することで、
経済の振興にもつなげていくんだ! 
というのがニューヨークスタイルだったりもします。

そんな催しがおとといから今日木曜日まで、
ニューヨークで最も大きなホテル、ヒルトンホテルで開催されています。

ビジネス界のリーダーが集まった
SUSTAINABLE OPERATION SUMMIT環境ビジネスサミットは、
キーノートスピーカーにクリントン元大統領、俳優のドン チードルらを迎え、

様々なテーマのパネルディスカッション
ニューヨークの環境対策のキーになる場所へのツアー、
ワールドトレードセンターもその中に入っています。
世界一環境に優しい船でのネットワーキングクルーズ

ちなみにヒルトンホテルもこのサミットを機会に、屋上に熱電供給システムと
グリーンルーフを設置すると発表して話題になっています。

もちろん屋上をグリーンにすればすべての問題が解決するわけではありません。
でも出来るところからとにかくやる!
ソーラーパネルだって、風力発電だって、
需要が増えれば生産も増えて値段が下がる、
資本主義らしいやり方で、私たちの未来を作って行く、
そういうたくましさがニューヨークらしさでもあるんです。

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佐藤めぐみ   ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー
。アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://ameblo.jp/meguminy