花も咲いて緑も萌えてきたのに、なぜか寒いニューヨーク!
それでも一度春の気分になってしまったニューヨーカー、後戻りできません。
コートを着たままアウトドアカフェや公園でランチ。。。。私もしています。
メジャーも開幕しています。
ニューヨークヤンキースは明日金曜日、ホーム、ヤンキースタジアムでの開幕戦です。
日本ではやっぱりダルビッシュの話題でしょうが。。。
ニューヨークではかなりコアなメジャーファン意外は、まだダルのこと全然知りません。
アメリカは広いですからね。。。
ヤンキースのような全国区の人気チームにでも入らなければ、
全米的に知られるようになるのは、かなり活躍してからです。がんばってほしい!!
そんなニューヨークで、今話題になっているモノ、いったい何だと思います?
映画にもなって日本でも大ヒットしたあの悲劇の豪華客船と言えば。。。
そう、あのタイタニックです。
ちょうど100年前の4月15日。
今度の日曜、正確には土曜日の夜中から日曜の朝にかけて、
タイタニックが北大西洋の氷山に衝突、沈没してしまったんですね。。。
そしてタイタニック号は、イギリスのサウサンプトンを出航、
その目的地は。。。ニューヨークだったんです。
今日はタイタニックの100周年でニューヨークで行われているイベント、
特別番組、キャメロン監督が出ているドキュメンタリーもあります。
そんな話題をお届けしますが、
一番最初にみなさんをおつれしたいのは、
タイタニックが到着するはずだったマンハッタンの埠頭です。
犠牲になった乗客と乗組員1514人、救助されたのは710人。
タイタニック号のかわりにこの埠頭に接岸したのは、
生存者をのせた船 カルパチアでした。
今も埠頭の入り口には、鉄で作られたアーチ型の巨大な門だけが残って、
あとはとてもさびれています。
当時使われていたであろう、錆び付いた鉄の配管パイプなども残されています。
あとはただのコンクリートの埠頭が、ハドソン川に向かって一直線にのび、
その向こう側には曇り空の夕暮れが広がっているだけ。
カメラを持ってふらりと歩いてきた男性に話かけてみました。
フォトグラファーのジュリアンさんはこの埠頭の近所、
グリニッジビレッジで生まれ育ったけれど、
ものごころついた頃からこの埠頭はもう使われていなかった、
でも何年か一度は、ここで記念の行事もあるんだよ、と教えてくれました。
彼は今日はこの夕暮れの海を撮影にきたそうなんですね。
美しい夕暮れや素晴らしい雲を見ていると、
霊的な気持ちがこみあげてくる、と言っていました。
映画にも描かれていたように、タイタニックにはレオが演じたジャックのような貧しい移民と、
ケイト・ウィンスレットのローズのような大富豪や当時の名士も乗っていました。
例えば当時ニューヨークのビジネス界の名士だったジョン・ジェイコブ・アスター四世、
グッゲンハイム美術館で知られる名家の一員、ベンジャミン・グッゲンハイム。
そしてこのレポートにもよく登場する、ニューヨークで一番有名なデパート、
メイシーズのオーナーだった、イジドー・ストラウス。
そして20世紀初頭、ヨーロッパからアメリカへの移民がピークだった時期に、
海の玄関だったニューヨークという街にとって、
タイタニックの悲劇は忘れる事のできない歴史の1ページでもあるんです。
ところでニューヨークにはタイタニックのゆかりの場所が、
54番埠頭以外にもいくつかあります。
もうひとつのマンハッタンの埠頭、ピア17
サウスストリート・シーポートには、
犠牲者の追悼のために建造された灯台の先端部分が残されています。
ちなみにこのサウスストリートシーポーとのミュージアムでは、
10日(火)から5/15まで、
Titanic at 100: Myth and Memory,"という展覧会がスタート
引き上げられた初公開の遺品や当時の貴重な写真などが展示されています。
タイタニックの航海を再現しようというクルーズも今ちょうど行われています。
一つは出発地、イギリス、サウサンプトンから、
もう一つはニューヨークから出航、
タイタニックが沈没した場所で、当時をしのんで追悼しようというもの。
イギリスからの船は、途中で病人が出たり、悪天候に阻まれたり、
大変だったようです。
キャメロン監督の「タイタニック」が3Dで劇場公開されて、
先週末の興行成績2位になりました。
また「タイタニック」テレビバージョンのミニドラマシリーズもオンエア。
他にも数多くの特集が組まれていますが、その中で最も注目なのは、
James Cameron “ The Final Word”
タイタニックに魅せられて映画を作ったキャメロン監督が、その後も検証を続け、
描ききれなかった思いや、事実を暴きだすドキュメンタリー、
コンピューターグラフィックスによる沈没の様子は目を見張るものがあります。
キャメロン監督はドキュメンタリーの最後で、
タイタニックにここまで魅せられる理由をこう語っています。
「自分がタイタニックに見るのは、人は巨大なマシーンを作り出し、
悲劇が起こるまでシステムを止めることはできないという事。
またタイタニックはあらゆる階層、人種が乗り込み、
それぞれが違う思いで同じ目的地を目指す、
まるで世界の縮図のような船だったということ。
そういう意味でタイタニックは現代の人間社会を象徴しているように思える。」
100年前に起きたタイタニックの悲劇は、今の私たちとも無関係ではありません。
佐藤めぐみ ニューヨーク在住、フリージャーナリスト&プロデューサー
。アメリカを日本に伝え、日本をアメリカに伝える相互プロジェクトを数多く手がける。
J-POPファンのための英語サイトSAMURAIBEATRADIO.com(サムライビートレイディオ)」
ブラックコミュニティと日本をつなぐメディアHARLEM2NIPPON.comをプロデュース。
BLOG:http://ameblo.jp/meguminy