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3/29(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

おおー、先週は25度もあった気温が、昨日はマイナスに急降下!
いったいどうなってるの!?なNYからこんにちは!

おかげで風邪を引く人、花粉症の人、

ハナミズキも桜の花も満開なのに、なぜかダウンを着ている私、
もう何でもあり!?

と言いつつ3月ももう終わり、

今月はNYにジャパンがいっぱい! ということで、
3月初旬、日本食のイベントが続いたジャパンウィークから、311の一周忌の追悼式、
そして先週は日本から桜が贈られて100周年のイベントまで。
毎週レポートしてきました。

そして今週、

ジャパンマンスの最後を飾ってNYにやってきたのはこのジャパニーズバンド。。。
L’Arc~en~Ciel!!のコンサートを見て来たので、それをレポートします!

マジソンスクエアガーデンというのは、
去年レポートしたLADY GAGAのコンサートもここだったし、
ストーンズとかマドンナとか、U2もここで見ました。
とにかく世界のスーパースターだけがコンサートをする、憧れのアリーナ!!
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実は日本人がこのステージでメインアクトとしてコンサートをしたのは、
今回が初めて。
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これがどれだけすごいかは、ニューヨーカーに聞けばみんなが太鼓判をおしてくれます。

2万人近く収容するアリーナ、ソールドアウトにこそなりませんでしたが、
アメリカ人のラルクファン、アニメファン、そしてNYに住む日本人がつめかけて盛り上がりました。

ショー自体はシンプルなロックコンサートなんですが、
ステージの後ろ全面の巨大なビデオスクリーンの3D映像とライティングが素晴らしくて、
音と映像の作る世界に思わず引き込まれました。

こんなすごいステージで、ラルクはまるで水を得た魚のようでした。
さすが、キャリアを積んで来たバンド! と思いましたね。

hydeは相変わらず美しくて、あのエモーショナルなボーカルも冴え渡って、
まるでこのステージで歌うために生まれてきたような、
そんな気さえしたほどです。
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メンバーもみな、これまで積み上げてきたすべてを全開しながら
この瞬間を思い切り楽しんでいる、そんなふうに見えました。

そしてね、
ショーの間にメンバーのトークがあるんですが、
まずギターのkenの英語トークが最高!!

大きな紙に原稿を書いてそれを読んでいるんですが、
NYに来て、 映画「ナイトミュージアム」で見て、
すごく楽しみにしていたアメリカ自然史博物館に行ってきたことなど、
ユーモアを交えたトークでうけまくっていました。
ちなみに、 このアメリカ自然史博物館というのは、
先週の番組でレポートした場所です!

そして何よりもすばらしかったのはお客さんです。

ボーカルのhydeは「ここに来るまで20年かかった」と言っていましたが、
お客さんもラルクを何年も何年も待ち続けていたんです。
特にアメリカでのラルクの人気を不動のものにした
「鋼の錬金術師」の主題歌、
「READY STEADY GO」では、アリーナ全体がゆれ動くくらいでした。


好きな曲を演奏するバンドを、ついに生で見れた喜びって、
何ものにもかえ難いですよね。
ようやく会えた恋人同士のランデブーみたいな、
ステージも客席も喜びに満ちあふれていて、私もシアワセな気分いっぱいになりました。
その気分はどうやら伝染性だったみたいで、
横に立っていたこわもての会場整理のおじさんも、にこにこしていました。

何より日本のバンドがU2やストーンズを見たのと同じステージに立っているなんて、
私は素直に感動しました。

まるでステージに桜の花が満開になって、桜吹雪が舞っているような、
そんな素晴らしいコンサートだったんです。


NYメディアにもたくさんのレビューがのりました。

タウン誌ビレッジボイスは、

「素晴らしいキャリアのバンドにふさわしいセレブレーションだった。
アメリカ人がイメージするアジアンポップは、エレクトロなR&Bサウンドだが、
このバンドはストレートなアメリカンロックで、曲はめちゃめちゃキャッチー。
ボーカルのhydeは、これまで見た中で最も「アンドロジナス」両性具有な
フロントマンであることは間違いない。」
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NYタイムス、
アメリカで最も権威ある音楽評論家の一人、
ジョン・パラレスのレビューも興味深い内容でした。

「ラルクの音楽はとても日本的でユニーク。
それは歌詞が日本語だというだけでない。
サウンドはロックだが、メロディアスな長いフレーズは、
まるでブロードウェイミュージカルのようにも聞こえし、
hydeのパフォーマンスはまるで、劇を演じるようにさまざまな表情が
めくるめくバックの映像ととけあっている。
ギター中心のロックサウンドは、クイーンやメタリカ、U2を連想させる。
かと思えば、アメリカのロックバンドが絶対できないようなダンスポップスタイルの曲もプレイできる。
特に盛り上がったのは「鋼の錬金術師」の主題歌、アニメが
彼らのキャリアに貢献したのは間違いない。」

これらのレビュー、内容もそうですが、
これだけのメディアに、これだけシリアスにレビューしてもらった日本のバンドも、おそらくはじめて。

最初はマジソンスクエアガーデンの小ホールを考えていたといいますが、
あえて大アリーナに挑戦したからこそこれだけ注目されたんです。

でもみなさん、考えてみてください。
ラルクはレディガガみたいにアメリカのテレビやラジオで
ガンガン曲が流れているわけではまったくありません。
アニメファンには有名でも、音楽的にはインディーズです。

それなのに世界のアリーナに挑戦するそのガッツと、
ここまで集客したパワーと、素晴らしい演奏にアメリカのメディアは
ものすごくレスペクトを感じたんです。
アメリカの一般の音楽ファンはラルクのことをまだ知りませんが、
これから彼らがラルクを見る目、そして日本のバンドを見る目も変わることでしょう。

そういう意味でこのコンサートはL’Arc~en~Cielにとってだけでなく、
日本の音楽にとって大きなターニングポイントになったんです。

それを考えると、やはり日本人としては感動せずにいられません。


佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers