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12/22(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!


HAPPY HOLIDAYS!

クリスマス直前のキラキラ輝くマンハッタンからレポートしています。

このアップタウンスタジオの近くの路上では、
今年もクリスマスツリー売りがオープン。

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マンハッタン中の街角にツリー売りが出て、
都会の真ん中なのに森の匂いがしてとても素敵です。

こんなスペシャルな季節、実は私たちニューヨークの日本人コミュニティの間で、
静かなブームになっているモノがあります。

クリスマスプレゼント、1人で10個も20個も買うからショッピングが大変!
という話、毎週してきましたが、
このプレゼントを包むラッピングペーパー。
アメリカはあまりお店でラップしてくれないので、
自分で買って自分で包むのが普通。

そして、この福島の子供たちが書いた絵がコラージュされた、
スペシャルなラッピングペーパーが、
ニューヨークの紀伊国屋さんで話題になっています。

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実はこれを作っているのはJPGIRLS NYCという現地日本人女性による、
震災被災地支援グループ。そのリーダーがEMI JAPANのアーティスト、
AKさんです。

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この番組でも春に何度か紹介しましたが、私もJP GIRLSのメンバーの1人で、
これまでにニューヨークのタイムズスクエアなどで募金運動、イベントなどをして、
集めたお金を被災地に送ってきました。

今回のラッピングペーパーは、今月初めから売り始めたんですが、
日本のテレビや新聞(私はラジオ代表)を集めて行ったメディアデーには、
1時間で500枚近く売れてびっくり!

被災地支援にラッピングペーパーって、とても珍しいと思うんですが、
いったいなぜ、AKさんがラッピングペーパーを作ろうと思いたったのか、
その裏には、AKさんが被災地で出会った人たちからもらった、
とても大切なメッセージがこめられているんです。

今日はAKさん自身の言葉で、そのメッセージ伝えてもらいたいと思っています。

さあ、ここでさっそくAKさんに登場してもらいましょう。AKさん、
まずラッピングペーパーについて教えてください。

AK「JP GIRLS NYCという日本支援団体があるんですね。
その団体がタイムズスクエアで募金活動を始めて以来、
みんなとても熱心で、これまで8回くらいイベントを続けていて、
現在500万円近くが被災地に送られているんです。
私自身がシンガーなのですが、
震災後の半年後の8月に東京でコンサートをしたんですね。
震災後始めて帰ったというのもあるので、
その時にやはりこれからニューヨークでもっと震災の支援をするためには、
何をしていくべきかを把握するために、被災地に行ってこようと決めました。
その理由は状況をしっかり把握してこようというのが一つ目。
二つ目は、被災地の人達、住んでいらっしゃる方々達の声が
ニューヨークまでしっかり届いてこないというのがあったので、
お話をしっかり聞いて、何が本当に必要とされているのかを把握してこよう。
そして3つ目は、私にできることといったら歌だ、
ということで、歌のお姉さんになって、 保育園、児童館でコンサートを
やってきました。そのコンサート福島と宮城5カ所でやったんですが、
その一つが福島県相馬市にあるみなと保育園だったんですね。
その園児達がコンサートのお礼に絵をくれたんです。
93人の子供たちの絵には「笑顔」というメッセージが
書かれていたんですが、もう胸がいたくなって。。。。
こんなに大変な状況の場所に住んでいる子の子たちがくれたメッセージが
「微笑んで=笑顔」。もうこれをニューヨークに持って帰って
たくさんの人に見てもらわなければ、と思ったのが最初のきっかけです。」

展覧会もやったんですよね、ニューヨークの地元の小学校で。

AK 「でも学校とかイベントだけじゃ、見る人の数が限られている、
じゃあもっとたくさんの人に福島の子ども達のメッセージを伝える方法、
ということで、ラッピングペーパーになりました。
というのは、アメリカでは贈り物を贈る習慣がとてもたくさんあって、
ラッピングペーパーを贈る側も、貰う側も、
そのラッピングペーパーを見る度にみんなが福島の話題にふれることができる。
で、もっともっとたくさんの人に買ってもらう方法はないかと、
ニューヨークの紀伊国屋さんに持っていったところ、
そのアイデアは素晴らしい、ということで、
僕たちの店でも販売しましょう、ということになって、
今本当にありがとうございます、という気持ちなんです。」

ここでそのラッピングペーパー見せてもらえますか?

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AK 「3歳、4歳、5歳の園児達12枚ずつの絵をコラージュしたものが6種類。
みなと保育園のみんなが自分たちの名前を使ってください、ということで、
子ども達のメッセージ名前入りで入っていますから、
これを見た人はすぐに相馬の子ども達が書いたってわかるはずです。」

子ども達が書いた、元気な笑顔がいっぱいのとても可愛いラッピングペーパー。
中には思わずこちらが微笑んでしまうような、ユーモラスな絵など、
見ているだけで元気をたくさんもらえます。

ところで震災直後からずっと私達JP GIRLSのリーダーとして
支援活動をしてきたAKさん。
でも夏に初めて被災地を訪れてみて、これまでと考え方、感じ方が
大きく変わったと言っていました。

AK「一番変わったのは、自分の家族、友達がこの場所に住んでいて、
それを全部失ったら私の人生どうなっていたんだろう、と
自分の体験として考えられるくらい近く感じました。
そこに住んでいる人達だけが「苦しみを誰にもわかってもらえてない」と感じている。そう感じながら生きる人がこれからももっといるかもしれない。
でも1人でも多くの人が、「自分がもしそうだったら」と
置き換えて考えることで、もっと出来る事、いっしょに考えて行けること、
できるんじゃないかな、って。
私はニューヨークに住んでいるから、遠く離れていてすぐに会いには行けない。
だけど、離れているからこそ出来ることっていっぱいあって、
例えば「思いをよせる」
忘れてないよって言うメッセージを伝える事って、距離は関係ない。
それを今回一番感じました。だから子ども達の絵が
ラッピングペーパーになったこと、
毎日ニューヨークで見れる人が増えたことに関しても、
距離はやっぱり関係なくて、思いを寄せる、忘れずにいる、
ということは、誰でも、いつでもどこにいても出来る。
それが形として何のヘルプになっていない、と思う人もいるかもしれないけれど、
いやいや実は被災地に行って、たくさんの人に会って、
たくさんの人から同じことを言われたのは、心を寄せてほしい、
忘れないでほしい、という気持ちのメッセージのほうが、
お金ください、というような事よりも 
圧倒的にずっと大きかったということが、一番学んだことというか、
忘れないでいくことだと思っています。
もらったこのメッセージをメッセンジャーとして、
何とか伝えて行こうと思っています。」

遠く離れても、気持ちでよりそってほしい、
忘れないで欲しい、というメッセージ、
それを彼らの「笑顔」と いっしょに少しでも遠くまで、
たくさんの人に伝えるのが
この「笑顔」のラッピングペーパーなんです。

クリスマスというのは本来、家族がお互いの存在に改めて感謝し、
セレブレーションを通して世界に「愛のメッセージ」を発信する日。
本当に大変な1年でしたが、
こうしてクリスマスを迎える事ができることに感謝ですよね。

そしてもしあなたもこのメッセージに賛同してくれるなら、
ぜひ私達JP GILRSのFACEBOOKページに立ち寄ってください。
JPGIRLSNYCですぐ出てきます。
http://www.facebook.com/JPGirlsNYC

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photo by Romi Uchikawa (紀伊国屋の写真はすべて内河路美撮影)
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佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers