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8/25(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

ニューヨークは夏の終わりのさわやかなお天気
そんな中実は昨日ニューヨークで地震があったんです。

アメリカには日本のような震度の基準がないんですが、
ニューヨークでは多分1とか2くらいの揺れだったと思います。

小さな地震にもかかわらず、その反応は大きなものでした。
今朝の新聞は1面トップの大ニュースになりました。
ニューヨークでは地震はかなり珍しいものなので、
みんな本当にびっくりしたんですね。
NYC_earthquake_1.jpg
NYC_earthquake_2.jpg

私もNY生活20年で初めて経験した揺れ。。。

高層ビルでは退避したところもたくさんありました。

実はこの地震、アメリカ東海岸のかなり広い範囲で揺れを感じていて、
マグニチュードは5.8。
これほどの規模の地震がNYで起ったのは67年ぶりだそうです。

生まれて初めて地震を経験した人もたくさんいるニューヨーカー、
いったいどんな反応をしたのか、
またニューヨーカーはいったいどんな災害対策をしているのか、
今日はそれをレポートします。

地震が起きたのは8月23日午後1時51分、遅いランチタイムの時刻
アメリカ東海岸の広い範囲で地震を感じました。
マグニチュードは5.8

震源はバージニア州。何百キロも離れたニューヨークをはじめ、
12の州にわたる広い範囲で揺れを感じたのは、
アメリカ東海岸の地質が固い岩盤のため、
地震の波が伝わりやすいからだと説明されていました。
NYC_earthquake_3.jpg

震源に近いバージニア州では、教会のレンガがくずれたり、
スーパーマーケットの棚が倒れて商品が床に散乱するなどの写真が
ネットに出ていました。
すぐお隣のワシントンDCでは震度3か④程度のゆれだったそうです。
NYC_earthquake_virginia.jpg


でもNYではかなり状況は違っていました。
地震から一日たった今日のランチタイムにインタビューしたニューヨーカーの
半分以上から、こんな答が帰ってきました。

きのうの地震、感じました? という質問に、
多くの人が、ぜんぜん気付かなかった、と答えました。
ランチタイムで外でショッピングしたりしていたしね。

いつも車と人がひっきりなしに行き交うマンハッタンのストリートに居た人は、
ほとんど気付かなかったんです。

ちょうどランチを終えたビジネスウーマン3人組は

「7階のオフィスにいた時、あら、何か揺れてるような気がするわ、と思ったけれど、まさか地震とは思わなかった。
後になって同僚に聞いてわかったのよ。
80年代にも一度地震を経験しているけれど、その時の方がこわかったわ。」

「ストリートでショッピングしていて全然気付かなかった。
近くのビルからぞろぞろ人が出て来たけれど、まるでピンと来なくて、
後でオフィスに戻ってわかったのよ。」

地上に近いところにいた人とは正反対の反応だったのが、
上層階にいたニューヨーカーたち。
ミッドタウンやウォールストリートのビルでは大事をとって、
全員退避させたところも少なくありませんでした。
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パニックに陥った人も結構いたもようで、
今朝の新聞にはセントラルパークで結婚式の真っ最中の花嫁さんが、
携帯を握りしめて走っている写真が大きくでていました。 

そして、こんな反応をした人もいました。

「私はビルから人が出て来るのを見て、テロの爆弾騒ぎだと思ったわ。」

そう、揺れが爆弾テロだと思って震え上がった人も結構いたんです。
911の10周年まであと数週間、という今、
なんとなく落ち着かない気分になっているニューヨーカーも少なくありません。

とにかく、いた場所、人のよってまったく違う反応だったわけですが、
ニューヨークってこうした自然災害に対して、
どのくらい対策しているんでしょうか?

911を経験し、間もなく10周年を迎えるNY。
テロの恐怖を味わったニューヨーカーですが、
ここ数年、世界を襲う自然災害をまのあたりにして、
考え方が少し変ったかもしれません。

ある女性は
テロも怖いけれど、今や自然災害が何より一番怖い、と言っていました。

ではニューヨークは地震などの自然災害に対する備えはあるんでしょうか?

今朝のモーニングショーでは、水やファーストエードキット、食料はもちろん、
重要な書類なども入れたバックパック「go-bag」を準備するように
呼びかけていました。
携帯電話が使えなくなった時のための、小さなラジオも必需品、と言っていました。
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でも街で話しかけたニューヨーカーは、誰一人そういう準備していませんでした。

その中でも多かった反応は、
「ニューヨークは自然災害にはまったく無防備だと思う、
でも今度の地震で、私もgo-bagを用意しなくちゃと思うようになった」というもの。

正直言って、私も同じ気持ちになりました。

実際日本の震災で、NYでは地震や津波の恐ろしさを
初めて知った人が少なくありません。
ニューヨークで起ったらいったいどうする? 
という論争する科学者もいます。
だから今回、小規模でもそれが現実になったわけで、
ニューヨークでもテロ対策だけでなく、
自然災害への対策が今後大きな課題になっていくことは間違いないと思います。


そんな話をしている間にも、巨大ハリケーン「アイリーン」が
珍しくNY直撃コースを進んでいて、
今週末は大嵐になる、というニュースも流れています。


佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers