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7/14(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

なでしこジャパン、ワールドカップ決勝進出!!

日本のみなさんは寝不足? うれしい寝不足ですね!
こちら午後スポーツケーブルのESPNで、アメリカ対フランスの準決勝に続いて生中継。

感動的な勝利。
アナウンサーは、「大災害に見舞われた日本で、計画停電などで練習もままならなかった
日本チームが勝ち取った歴史的な勝利!」と言っていました。

そしてついに、次はアメリカと決勝。

今日はこのなでしこチームの快挙、ニューヨーク、そして世界ではどう報道されているのか、
そしてワールドカップトロフィーをかけて戦うアメリカチームとはどんなチームなのか? 
今日はニューヨークから緊急サッカーレポートをお送りします。
まず日本のゲームを、世界のメディアがどう報道したのかをお伝えしましょう。

SPORTS ILLUSTRATEDのオフィシャルウェブサイト
Worldcup2011_3.jpg

「日本の優れたスキルと、パワフルなスウェーデンの戦いは、
前半エラーで得点されたSAWAの勝ち越しゴールと、
初めての先発となったKAWASUMIの、素晴しいだめおしゴールで決まった。

スウェーデンは女子サッカーのパワーハウス。
ほとんどの観客はスウェーデンが勝つと思っていたが、
アジアの新しいパワーの前に敗退。
その日本の選手たちにとって、これはただのトーナメントではなかった。
3/11の大災害に見舞われた日本に、
ハッピーなストーリーを送りたいという気持ちでいっぱいだったのだ。
そして彼らはその思いを果たしたのである!」

さらに、ドイツ戦の前にはコーチとチームがいっしょに被災地の写真を見て、
「勝利への決意」を新たにしたこと、

また試合後「世界のみなさん、日本をサポートしてくれてありがとう」と
書かれた旗を広げ、感謝のメッセージを送ったことも報道していました。


さて続いていきましょう。
HONG KONGに本拠地のあるEURO SPORTS.COMの記事見出しは、
「STYLISH JAPAN SAUNTER INTO FINAL!!」
worldcup2011_2.jpg
日本語にすると、「洗練されたチーム・ジャパンは、優雅に決勝進出」

優雅に、ですよ!

その内容は、
「ドイツ戦で開催国をびっくりさせたジャパンは、
ふたたびその素晴しい試合で観客の目を奪った。
とくにKAWASUMIのだめおし点は、気品を感じるほど美しいゴール。
まさに決勝進出にふさわしい、堂々とした試合であった。


続いて、アメリカの人気ブログ、PAJAPA MEDIAは、

「日本はスウェーデンに先制得点されてもあせらず、卓越した技術で3点を取り返した。」
さらに、
「日本は非常にデンジャラスなチーム。守備もいいし、
オフェンスでは相手チームの裏をかく攻撃で、パワーも体格もスピードでも
勝っていたスウェーデンを打ち破ったのである。」

本当にこういう記事を読んでいて、
なでしこジャパン、本当に誇りに感じるし、
もうとにかくうれしいのひとこと! 

でも世界一まではあと1試合。
決勝の相手は強豪アメリカです。

ここからは、決勝の相手、アメリカチームの話題です。

前にもお伝えしたことがあると思いますが、アメリカはサッカー王国ではありません。
プロスポーツとしても、フットボール、野球、バスケに比べると
はっきり言って弱いし人気も低い。

どちらかというと、郊外の子どもたちに人気の、アマチュアスポーツというイメージ。

でもそれを何とかしようとがんばった結果、前回、去年の男子のワールドカップでは、
なんと80年ぶりに決勝トーナメントに進出しました。

しかし、実は女子の方が男子より全然強いのです。
世界ランキング1位
1991年 99年にワールドカップ優勝。
オリンピックでも1996年、2004年、2008年、ゴールドメダルに輝いています。
そのわりには、かなり地味な存在です。
プロリーグもありますが、いつも動員に苦心していて、選手の給料も安く、
アルバイトしながらやっている選手もいるほど。本当に大変そうです。

もうひとつ、アメリカという国はオリンピックも含め国際試合の盛り上がりにはいつも乗り遅れて、
そのくせ勝てば一番騒ぐ、そんな国なんですね。

思い出すのは1999年の女子ワールドカップ。アメリカ大会だったんですが、
この時は、ミア・ハムというアメリカ史上最初のサッカースターが生まれました。
そして中国との決勝はペナルティキックに持ち込まれ、
4−4ののち、最後にゴールを決めたブランディ・チャスティンは
思わず9万人の大観衆の前でユニフォームを脱ぎ捨てて、
スポーツブラいっちょうになってしまいました!
その姿は今も多くのアメリカ人の目に焼き付いています。

しかし、そんなに大騒ぎをしたのに、
今回もかなり地味な始まり方でした。
そもそもワールドカップをやっている事を知っている人自体が少ない。

昨日はメジャーリーグのオールスターゲーム。
先週末はヤンキースのスター、デレク・ジーターが史上28人目の3000本安打を達成し、
そういうニュースの陰にかくれていました。

今日の決勝進出決定でようやくマスメディアも大きくとりあげはじめたという感じ。
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それでも今夜のネットワークニュースの最後にちょこっとふれた程度でした。

だからその相手が日本、という事もまだほとんどの一般人は認識していません。
多分直前になってから騒ぎ始めると思います。

でもどちらが勝つかという部分になると、どのスポーツメディアも
「アメリカは世界のトップランキングチーム、
ブラジル戦やフランス戦と同じように戦えれば優勝できるだろう。
それにこれまで日本には負けたことは一度もない。」

ともう勝って当たり前のような言い方。

素晴しくがんばっているのに、こんな扱いをされているアメリカの女子チーム、
なんだか可哀想になってしまいます。

ところがゲーム中継したESPNの解説者は、さすがにわかってらっしゃるというか。。。

「日本は3ヶ月前とはまったく違うチームになっている。
さらに世界の人は日本の目の覚めるような快進撃を見て、
大災害に見舞われた日本を応援したいという気持ちがますます高まっている。
ハッキリ言ってアメリカを応援しているのはアメリカ人だけ。
それ以外の世界は、すべて日本を応援していると言っていいだろう」とコメント。

世界は日本を応援しています!!
そして、日本人だけでなく、世界の人も、なでしこジャパンと日本人のがんばりから、
勇気をもらっているのです!

とにかくきっと素晴しい試合になることでしょう!


佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers