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4月25日(月)イタリア・トリノから野村智子さんのレポートです。

今日はイースターの月曜日ということで、こちらでは休日です。

復活祭のあとの月曜日は、通常みなお休みなので、一般的に庭や川、山などに行ってバーベキュー、ピクニックをするのがお決まりです。

この時期は風も強いので、山火事には注意です。私たちなど多くのパティッスリーは今日もイースター当日もお店を開いています。

みながバーベキューをし、デザートにお菓子を食べるので、お肉屋さんとパティッスリーはフル回転です。


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150周年祭については、始めの年ということもあり、地域でかなり温度差があるようです。テレビではゴールデンアワーで有名人が集まって生番組を構成していたようです。

私の住む村でも国旗があちこちではためき、村の企画による歴史についての講話などがいくつも催されていましたが、まだお祭り自体浸透していない感があります。


サッカーのワールドカップの盛り上がりにはまだまだ追いつけませんね。

近くにあるトリノはこの歴史に大きな一役をかっていますので、街の飾りつけも結構凝っているようでしたが…。

イースターはそもそもイエス・キリストの復活を祝う宗教行事なので、イースターそのものとイタリアの国家行事である150周年祭が結び付けられることはありません。

ただ商業的にはイースターと150年祭が同時期なので、結び付けてしまう店もあるかもしれません。現に、チョコレート製のイースターエッグをトリコロールで飾って売っている菓子店もあるようです。ちなみに当店では、イタリア国旗のを出してはいましたが、そのあたりは別物と考えています。各パティッスリーは毎年イースターのカラーを決めて、お菓子などの包装をその色で行います。チョコレートエッグを包む布、飾りのリボンなど。当店では今年はピンク、昨年は黄色とオレンジでした。

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ちなみに国旗といえば、募金箱の横に日の丸も置いてます。


卵 イースターはキリスト教の復活祭ですが、卵は墓とそこから出て復活する命の象徴とされています。

ウサギがイースターと結び付けられることについては宗教とは関係なく昔から多産の象徴、つまり命の象徴だったということと、他にはドイツの民話からきているようですね。あるおばあさんが子供たちが探して楽しむようにと庭にイースターエッグをあちこち隠しておいて、ちょうど子供たちが来たところに野生のウサギが通りかかったため、子供たちはウサギが卵をもってくるんだと信じるようになったというお話。イタリアではウサギはメインキャラクターとしてはでてきませんが、イースター、また春を彩るキャラクターとしては他の商品と一緒にそこここの店先に並べられています。


北イタリアのスイーツは、すぐ近くに国境のあるのフランスとはかなり違っています。フランス菓子は日本に馴染みのある、大きなケーキを切り売りしているものですが、こちらはプチシュークリームがメインです。シューの中に、カスタードクリーム、チョコレートクリーム、ザバイオーネクリーム、ピスタチオやノッチョーラなどなど、あらゆる味のクリームを詰め、いろいろなデコレーションを施してあります。パティシエの腕の見せ所は、このシュー側。いかに小さく、美しく、おいしく焼き上げるか。大きさでは、ちゃんと味わえるように小さすぎず、でもいろいろな味が楽しめるようにできるだけ小さく。そのサイズを常に保っていなくてはいけません。

もちろん手作りですので、多い日には5000個以上焼き上げなくてはなりません。
イースターのスイーツについては、様々に彩られたチョコレート製の玉子、これの多くは
子供にプレゼントするために中にサプライズのおもちゃなどが入っています。

恋人などにプレゼントするために中に入れるプレゼントを持参なさる方もいらっしゃいま
す。味はビターが主流です。卵は砂糖でできた花や鳥などでデコレーションしたものもあります。お菓子屋さんによってデッサンも違ってくるので、見ていておもしろいところだと思います。また、コロンバという鳩の形をしたお菓子があります。

生菓子ではない日持ちするパウンドケーキのようなもので、中にオレンジの皮の砂糖漬けが
入っているものが伝統的です。
クリスマスにも似たようなお菓子がありますが、それにはレーズンを加えたり、またチョコレートチップの種類があったりと様々です。


味自慢です。主人はかなり若いころから修行を始め、職人気質というか完璧主義というか、イタリアには似合わないどちらかというと日本人の仕事ぶりで、美味でないなら作らないほうがまし。という感じで毎日味を守っています。最近ジェラートも始めましたが、こちらのレシピも確認に確認を重ねて、喜ばれています。近隣の村だけではなくトリノ方面からきてくださる方々もいらっしゃいます。


最後に大震災の後、店で募金活動を始めました。小さい店ですし、一月に合間をぬって何とか帰省したばかりで、日本に帰る余裕がいろいろな意味でなくて、何もできない・・・と自分を責めているところへお客様がお悔やみや勇気づけの言葉を下さいました。小さい村なので私が日本人ということも知れ渡っていますので、日本について心配してたくさんの人たちが駆けつけてくださいました。せめてこれらの言葉を届くべきところへ届けなければと、こぶたの貯金箱の横にノートを置いて、日本へ届けとメッセージを書いていただいています。


野村さんのお店のブログです。
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