2010 FIFA W杯南アフリカ大会、一次リーグ敗退した、イタリア代表チームについて、そして、イタリアに移籍した長友選手についても伺いました。
ワールドカップにおいて、グループリーグで敗退となったイタリアですが、1勝もできずという不甲斐ない内容に色々な物議を醸しました。しかし一般的な反応は至って冷ややか。ワールドカップなどなかったかのような振る舞いといいますが、過去の物として即引き出しの奥にしまい込まれたような、そんな印象でした。決勝トーナメントに入ってからは、町におけるワールドカップ色というものは消え失せ、決勝などの結果は気になりながらも、どこか遠い国で行われている自分たちとは関係ないイベント・・・と化していました。
'98年、'02年は期間中日本にいたためイタリアの盛り上がり方は分かりませんが、'94年(準優勝)、'06年(優勝)の時は、窓という窓にイタリア国旗が飾られて、最高に盛り上がっていましたので、ワールドカップの時期にイタリア国旗が町中にはためいていない光景は何か不思議な感じもしました。
ほとんどの人たちが今回のワールドカップにおけるイタリアの失敗は、リッピ監督の選手選出ミスと思っていますが、表面的な敗因として「イタリアリーグにおける外国人選手の増加に伴い、イタリア人の若手が育っていないこと」を揚げ、その解決策として「各チーム獲得できるEU外の外国人選手は1名まで」というルールを可決してしまったところに、イタリアという国の安易さを感じます。そしてこの決定にほとんどのクラブが反発、国内リーグにおいて大混乱を招いているのが現状です。
確かに、勝つことが全てという風潮のあるリーグ戦では、主にブラジル人やアルゼンチン人といった外国人選手に頼る傾向があります。そして、イタリア人の若い選手がプレー機会を得れず育っていないという問題は、各ユース世代の世界大会でイタリアが結果を出せない度に大きく取り上げられます。
しかし、今回、本当に若いイタリア人の注目選手はいなかったのでしょうか?そんなことはなかったと思います。代表格はこの数年、ワールドカップだけではなく、つねに代表戦の前に「代表に呼ぶべき?呼ばないべき?」と話題になるカッサーノ。(ワールドカップ準決勝の試合中(スペイン-ドイツ)、ピッチに乱入したイタリア人サポーターがいましたが、この人がカッサーノの代表落選に抗議するTシャツをきていたとか・・・)
現在28才の彼は、10代の頃からその才能を誰もが認めるイタリアの天才選手と言えます。しかし、若い頃からの素行の悪さも一級物だったため、チームの規律を乱すという理由でユース世代も含め代表に呼ばれないことも多々。そんな彼もスペイン(レアル・マドリッド)移籍を経て、イタリアに戻ってからはサンプドリアで活躍しつつ、頭の方もずいぶんと成長したようです。一時期、ドナドーニ監督が代表の指揮をとっていた時期には代表にも招集されたのですが、リッピ監督は招集を頑なに拒んでいるかのごとく「カッサーノ代表招集指示論」を封印し、最終的にはワールドカップのグループに加えませんでした。
そんなイタリア代表も、リッピ監督が去り、新たにプランデッリ監督を迎え、チームの再建を図ります。このプランデッリ監督は、パルマやフィオレンティーナの時代に中田選手の監督でもあった人ですが、若手選手の育成に定評があります。これから上手く世代交代させていくには適した監督だと思われます。まずは、2年後の欧州選手権、そして4年後のワールドカップ、ブラジル大会に期待できるようがんばっていただきたいものです。
そして、今回のワールドカップで日本が予期せぬ(?)大健闘をしたことで、イタリアにおいても進展がありました。長友選手のチェゼーナ移籍です。チェゼーナはセリエAに昇格したばかりのチームで、今季から指揮を執るフィッカデンティ監督は日本のサッカーにも詳しいとか。長友選手のワールドカップでの活躍は、みなさんご存じの通り。森本選手に加え、長友選手がやってきたことで、私たちも忙しくなりそうです。今季、この2選手の活躍を見られることを祈っています。
*最後に、現地の言葉で役に立つ「一言」。
どこの言語でも感謝を伝える「ありがとう」という言葉が大事だと思っていますので、Grazie!(グラツィエ!)を。
新谷さんの自宅で咲いているお花の写真を送っていただきました。
*ベランダで育てるズッキーニ
*挿し穂で育てたランターナ
*ミラノもちょっと町中から外れると緑豊かです。
新谷さんののHPはこちらです↓
http://tomo0808.at.webry.info/