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6月3日(木)はアメリカ・ニューヨーク在住のフラワーレポータ、佐藤めぐみさんからの報告です!

もう夏全開!

3連休が終わってちょっと疲れ気味ニューヨーカー?

先週末に公開になった映画SEX&THE CITYも見て来ました!

が、NY在住日本人としてはSEX & THE CITYどころじゃなくなりました。

日本が今大変じゃないですか?

鳩山首相が辞任。
NYではどう伝えられているのか? 
気になって昨日からニュースをチェックしまくっています。

正直言って、テレビの報道は、
ゴア元副大統領の離婚の方が時間長かった。

私のまわりのニューヨーカーも今日の時点では8割知らなかった。
だからといって軽く見られているわけではありません。
NYタイムスやWSJは一面扱いです。がトップニュースじゃありません。
(今アメリカで深刻な問題になっているのは、
これまた日本ではほとんど報道されていないと思いますが、
アメリカ史上最悪の環境汚染事故となった、メキシコ湾の原油流出事故です。)
Hato_WSJ2.jpg

こうした新聞をちゃんと読むインテリやビジネスマンの友人の反応はこうでした。
「やめたの? こないだ選挙あったばかりじゃなかったっけ?」


さあ、私の友人ニューヨーカーたちの素朴な反応も含め、
鳩山首相辞任メディアの反応、今日はレポートします。

辞任の第一報を伝えたタイム誌電子版で、
東京駐在の記者が
「日本の首相交代は毎年の恒例行事となった。」と始め、
こんなエピソードを披露していました。
かつてこの記者は、クリントン元大統領にこんな質問をされた事があるそうです。
「いったい僕の就任中に、何人の首相とつきあったと思う?」
この質問に彼は答えられなかったそうですが、
「答えは7人だよ、信じられる?」
クリントン大統領の任期1993−2001の8年間にです。
Hato_WSJ.jpg

ウォールストリートジャーナルは、これを「回転ドア」という言い方で表現していました。

私の友人ニューヨーカーも

「え?またやめたの?」と口々にこう言っていました。

で矢継ぎ早にこの質問。

「いったいなんでやめたの?」

NYタイムスの記事では、
「鳩山首相は、普天間基地問題への対応で、国民の信頼を失ったためにやめた」
と書かれていましたが、

この基地問題がアメリカ人にはよくわからない。
なぜなら、アメリカではまったくと言っていいほど報道されていないからです。

Hato_times2.jpg

この首相の辞任で、初めて「こういう問題もあったんだ」と知った人がほとんど。

ではなぜアメリカ軍の基地の事なのに、アメリカで報道されていないのか?
軍事的な事でいうと、アメリカはアフガニスタンやイラクでまだ戦っていて、
そこで毎日のように犠牲者が出ている。
さらにタイムズスクエアでテロ未遂があったり、
イスラエル情勢もここ数日またヘッドラインを賑わしています。
そういう状況に比べたら、どうしても基地の移設問題の扱いは小さくならざるをえない。
さらに言うと、
アメリカ人からみると、日本とアメリカの関係はきわめて良好で、
問題なんて全然ないという印象なんです。

だからアメリカ人の目から見ると、
基地問題より大きいのは、日本の経済が思うように復興しないことではないか、
というわけ。


この20年間のひんぱんな首相交代は、
それが一番大きな理由、と見ています。

はい、では次の素朴な質問。

「それにしても、どうしてそんなにひんぱんに変るの?」
「そんなに変って困らないの?」

ウォールストリートジャーナルには、
「日本には、責任をとって首相がやめる。」という慣習がある。
しかし、それがリーダー不在日本の20年近い経済後退からの脱出をさまたげている。」

うーん、世界は今、かつてない経済危機に見舞われていますからね。
そして、グローバル経済になった今、
世界第二のマーケットである日本の経済と、それに影響する首相人事は、
日本人のみならず、世界中の人たちにも大きな影響を与えているのです。

ところで、アメリカ政府の反応に関しタイムスは、
「日米関係が彼の辞任に一役買った」と題し、
「オバマ政権の態度からは、特に残念とも歓迎とも感じられない。
ワシントンのアナリストの中には、
オバマ政権が鳩山氏の基地移設に同意しなかったために、
彼を辞任に追い込んだという見方もあるが、政権側はこれを否定。
一方で、アナリストたちは、日本の世論は日米関係が
もっと対等のものになる事は望んではいるが、
基本的な変化は望んでいなかったのが、鳩山氏の敗因。」とコメント

また別の記事ではではこんなふうにも書いています。

この4年で4回首相が変ったのは、
「日本が本当に実力のあるリーダーを選ぶ事ができない」
という状況から脱却するための、ソウルサーチのように見える。」

生みの苦しみという見方ですね。

注目すべきなのは、タイム誌電子版の記事。

「鳩山政権は短かったが、アジア諸国の台頭という現実をふまえた、
ワシントンと日本の新たな関係という、日本にとって避けては通れない
変化への歴史的な第一歩を踏み出したという意味で、
数十年後に彼の貢献が評価される日が来るかもしれない。」

どうでしょうか?


そして、今回のメディア報道で一番感じたのは、
数年前にあったような、
「首相が変っても日本は変らない」という皮肉なものは影をひそめています。


世界が激動している中で、
日本も変ろうとしている、という部分をはっきりみとめた事。


まだまだ大変な時代が続きそうですが、
世界中どこに行っても大変なんです。


みんなで元気出していきましょう!

佐藤めぐみ   ジャーナリスト、プロデューサー ニューヨーク在住、J-POPからベースボールまで、 日本文化がアメリカでどう受けいられているかを中心にレポートするジャーナリスト、 アメリカのJ-POPファンのためのイベント 「SAMURAI BEAT RADIO(サムライビートレイディオ)」をプロデュース。 BLOG:http://ameblo.jp/meguminyFlowers